2025年10月14日のWindows 10 のサポート終了(EOS:End of Support)まで1年を切った現在、Windows 11 への移行はまさに喫緊の課題といえる。昨今はPCの高性能化が著しく、コロナ禍を機に急速に浸透したリモートワーク、ハイブリッドワークに好適なモバイルノートPCが続々とリリース。業務PCの選定はビジネスの競争力拡大や人材確保の観点でますます重要な役割を担うようになりつつある。
本稿では理想のハイブリッドワーク環境を構築するうえで障害となる課題と、それらを踏まえた業務PC選定のポイントについて、TIS株式会社 IT基盤技術事業本部 IT基盤ビジネス事業部 IT基盤ビジネス推進部 エキスパートの深渡瀬 康博 氏、同じくTIS株式会社 IT基盤技術事業本部 IT基盤ビジネス事業部 IT基盤ビジネス推進部 エキスパートの中村 敬 氏と、株式会社日本HP パートナー営業統括 第三営業本部 第一営業部 主任の堀 達也 氏に話を伺った。
Windows 10のEOSが迫り、業務PCのリプレイスを検討する企業が増加
――Windows 10 EOSまで1年を切りましたが、各企業はどう対応されているのでしょうか。日本のITリーディングカンパニーとしてさまざまな企業のITインフラ構築を支援されてきたTIS様と、PCをはじめ、法人向けのハードウェア・ソリューションを展開されている日本HP様の所感をお聞かせください。
TIS 中村氏: 多くのエンタープライズ企業はすでにWindows 11 への対応を進めていますが、中堅・中小企業においては、これから着手するというケースも少なくないと感じています。OSのアップグレードだけでなく最新のPCを調達したいという企業も多い印象で、それと同時にセキュリティやネットワークなどインフラ周りも見直してハイブリッドワーク環境を整備したいという動きも見られます。
日本HP 堀氏: ハードウェアベンダーの立場でも、Windows 11へのマイグレーションとして新規PCの導入を検討する市場の流れは肌で感じています。2019年のWindows 7 へのマイグレーションを超えるという予測も出ており、2025年に向けてPC市場は右肩上がりの状況です。そのなかで、ハイブリッドワークにマッチした製品を求める声も増えてきています。
ハイブリッドワークの浸透に伴い、モバイルノートPCの高性能化が進む
――近年では、コロナ禍の影響やDX/働き方改革の推進などにより出社前提のオフィスワークとリモートワークのハイブリッドに舵を切る企業も増えてきています。こうした動きを踏まえた昨今の業務環境と、そのなかでビジネスPCに求められる要素についてどのようにお考えでしょうか。
TIS 深渡瀬氏: 金融業界など、クローズドな環境での業務が当たり前だった領域でもリモートワークの導入が進んでいます。これからはハイブリッドワークを標準として捉え、リモートワークが困難な業務のみ切り分ける、というアプローチになると考えます。 またPCリプレイス需要においては、ここ数年のノートPC性能の向上は著しいものがあり、3~4年前に購入したPCは、すべてリプレイスしても損はないというのが正直な感想です。処理性能が上がっているだけでなく、軽量化され、バッテリーの持ちも良くなるなど、ハイブリッドワークに最適化されてきていると感じています。
日本HP 堀氏: そうですね。これまでハイブリッドワーク向けのモバイルノートPCでは、13インチ、13.5インチのモデルが中心でした。しかし近年では、従来と軽量さは変わらずより見やすい14インチ液晶ディスプレイを採用したモデルも登場し、ハイブリッドの業務環境に対応した製品を求める企業が増加している印象を持っています。
TIS 中村氏: ハイブリッドワークが当たり前となった現在、社内・社外問わず快適な業務環境を用意するためには高性能なモバイルノートPCが不可欠です。さらに社内やクラウド上に点在するデータへのアクセス管理をはじめ、セキュリティを意識した環境構築が求められます。ハイブリッドワークを見据えた業務環境の整備とセキュリティ対策はセットで考えるべきもので、ゼロトラストのセキュリティモデルを取り入れる必要があります。
――ここまでの話を踏まえて、リモートワークを前提に業務PCのマイグレーションを検討する企業が直面する課題はどこにあるとお考えでしょうか。
日本HP 堀氏: オフィスの外で業務PCを利用する際にはモバイル回線契約を結んだり、社用スマホでテザリングしたりといった選択肢がありますが、どれも通信費用が発生します。またSIMやモバイルルーターなど持ち運ぶデバイスが増えると、紛失や盗難、破損といったリスクも増加し、管理工数の部分でも課題が顕在化すると考えています。またセキュリティ対策もリモートワーク前提で見直す必要があるなど、クリアすべき課題は山積していると考えています。
TIS 深渡瀬氏: モバイルルーターやテザリングではデータ量の上限が決められているケースも少なくありません。個人の回線を業務利用している場合や、使用するデータ量の違いなどから、実態として在宅勤務手当に不公平感が出てしまうこともあります。さらに企業にとっては従業員の通信機器の契約や支払管理が手間な場合も多いです。こうした多くの課題を解決するサービスとして注目しているのが、日本HPが提供する「HP eSIM Connect」になります。
リモートワークにおけるデータ通信の課題を解決する「HP eSIM Connect」とは
――「HP eSIM Connect」の概要と特徴についてお聞かせください。
日本HP 堀氏: HP eSIM Connectは、auの4GLTE/5G回線を使ったデータ通信を5年間無制限で使える法人向けMVNOサービスと日本HPのビジネスノートPCをバンドルして提供するソリューションです。5年間のデータ通信を追加料金なしで使えるため、ハイブリッドワークにおける通信コストの問題を解決することが可能です。eSIMなのでルーターやSIMカードの紛失・破損のリスクも軽減できるほか、ノートPCを開けば即座に通信でき、ユーザーの利便性と生産性の向上に寄与します。ラインナップにおいても、日本HPのフラッグシップモデル「HP Dragonfly G4」を始め、最新モデルであり昨今話題となっている、いわゆるAI PCと呼ばれる「HP EliteBook 1040 G11」や「HP Elite x360 830 G11」など幅広く用意しています。
TIS 深渡瀬氏: TISでは、HP eSIM Connectをハイブリッドワーク環境の利便性を大幅に向上させるソリューションと捉えています。HP eSIM Connectであれば全員が同じ通信環境に統一され、通信機器や回線契約を個別管理する必要もなくなるため、ユーザーだけでなくIT管理者や経理担当にとっても大きなメリットがあると感じます。ただし、インターネットに直で接続されるため、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。
――HP eSIM Connectを利用するうえで有効なセキュリティ対策として、TIS様が提供しているサービスについてご説明いただけますでしょうか。
TIS 中村氏: 先ほど話したゼロトラストの考え方に基づいた「SASE」のサービスや、EDR、NGAVといったセキュリティ製品を組み合わせた多層防御を構築することで、セキュアで快適な業務環境を実現することができると考えています。中立的な立場のSIerとしてお客様の環境に合った製品・サービスを提供することをモットーとしている当社は、長年にわたり積み重ねてきた経験とノウハウを活かし、コンサルの部分から導入、運用後の保守までサポートするトータルソリューションとして展開していることが強みです。
TIS 深渡瀬氏: オンプレミスもクラウドも含めて、特定のベンダーに依存することなくワンストップで対応することができるSIerはなかなかないと自負しています。当社では業務PCの調達からインフラのモダナイゼーション、セキュリティ対策の提案まで包括的に対応できるので、ぜひ相談いただければと思います。
日本HPのプロダクト力とTISのSI力が、ハイブリッドワーク時代の業務環境を進化させる
――日本HP様のHP eSIM Connect対応PCとTIS様の包括的なサポートを組み合わせることが、理想のハイブリッドワーク環境を実現するうえで有効なことが見えてきました。両社の協業を見据えた今後の展望についてお聞かせください。
TIS 深渡瀬氏: 特定のメーカーのサービスに依存することなくお客様に最適な提案を行えることが強みの私たちから見ても、HP eSIM Connectは唯一無二のサービスであり、ハイブリッドワーク環境を整備して働き方を良くしたいと考えている企業にとってベストソリューションだと思います。正直なところ、一度導入してしまえば次の更改時にも必ず選びたくなるソリューションだと思っていますので、日本HP様には継続的なサービス提供と対応PCのラインナップ拡充をお願いしたいところです。
TIS 中村氏: Windows OSのアップデートは簡単なものではなく、当社も1つのプロジェクトと捉えて、要件定義から設計、製品選定、展開まで全方位で支援させていただいております。そのなかで、日本HP様のPCは、機能はもちろん堅牢性・信頼性においても有力な選択肢となります。特にHP eSIM Connect対応PCならば、リモートワーク時の課題を解決でき、我々のセキュリティソリューションと組み合わせることによりセキュアで快適な業務環境を実現できると考えています。
日本HP 堀氏: TIS様は、サーバー、ネットワーク、ストレージ、セキュリティと多様な製品・サービスを取り扱われており、本当の意味でのSIをされています。HP eSIM Connectについても、TIS様の商材・サービスを組み合わせることでさらにお客様に安心してお使いいただけると思っています。今後も一元的にお任せできるSIer であるTIS様と連携して、HP eSIM Connectのメリットを多くのお客様に伝えていければと期待しています。
――ありがとうございました。
[PR]提供:日本HP