2019年度から第1期が始まり、2024年度には第2期に突入したGIGAスクール構想。コロナ禍をへて、ICT教育は一気に全国へ浸透しましたが、いまだに課題を抱えている学校は多く存在します。そんなGIGAスクール構想の第2期をどううまく推進していくべきか、子どもたちが使用する端末に焦点を当て、日本マイクロソフト株式会社の栗原氏とDynabook株式会社の貞末氏による対談を実施しました。
(画像左)栗原氏
教員を経て現在は日本マイクロソフト パブリックセクター事業本部 GIGAスクール政策室室長代理。全国を回って自治体のICT活用をサポートしている。
(画像右)貞末氏
Dynabook株式会社 国内マーケティング本部 副本部長 兼 マイクロソフトソリューション推進部 部長。2020年4月に営業部門より国内マーケティング本部へ異動し、2024年4月より現職。現場目線によるマーケティングを意識している。
“文房具のように”使えるように
教員時代に感じたICT端末選びの難しさ
---まず栗原さんに伺います。教員当時、現場で導入されていたICT端末について不満点はありましたか。
栗原氏:難しいと感じたのが、教育現場でのICT端末は用途を限定したものではないということ。たとえば子どもたちにPCやタブレット端末の基本的な使い方がわかると、いつのまにか技術を身につけて、こちらが想定する以上のことができるようになっているんです。
一方で子どもたちに配布しているICT端末はそこまでを想定していないため、スペックや機能面などが限定されている場合があります。そうなると、ICT端末がネックになって子どもたちの可能性を止めてしまうことにもなりかねないのです。
これは教員も同じです。最初はITスキルが低かったとしても、使っているうちに教員のスキルもどんどん成長します。教育現場はたくさんの細かいタスクがあり、教員はそれらを何でもやらなければならない立場です。そうした作業にICT端末を活用するので、ICT端末は「何でもできる」だけの性能を備えていなければなりません。私が教員だったときもその点を意識しており、ICT端末導入の際はなるべく制約の少ない端末を選ぶことを心がけました。
---具体的に「制約」とは何でしょうか。
栗原氏:たとえば、あとからアプリケーションを追加できない仕様だったり、キーボードが付属していなかったりですね。ハード面でもソフト面でも、制約になり得る要素は意外とたくさんあるんです。
---たしかにそれらの制約があると、せっかく子どもたちが新しいことに挑戦しようとしても難しい場面も出てきそうです。その意味ではGIGAスクール構想にとって端末選びはかなり重要なポイントになりますね。
栗原氏:はい。やはり子どもたちを見ていると端末を手足のように使うなぁと感じます。我々大人はPCをデスクで使うものというイメージがありますが、子どもは本当にどこでも気にせず使います。それこそ“文房具のように”です。
だからこそ、学校では端末を常に使うことと自宅への持ち帰りも想定し、乱雑に扱っても大丈夫なだけの耐久性も重要ですね。
元気な子どもたちの相棒! dynabook「K70」について紐解く
---栗原さんのご意見を踏まえたうえで、子ども目線で開発されたdynabook「K70」の特徴をご紹介いただけますか。
貞末氏:栗原さんがおっしゃる課題は、まさにGIGA1.0で現場から挙がってきた要望でもありました。もともとGIGA1.0の段階で「子どもたちが使うものなので壊す可能性がある」ことは想定しており、提供したPCもかなり頑丈に造っていました。しかし、それでも想像以上に破損がとても多かったんです。
栗原氏:子どもたちは本当に元気ですからね(笑)。
貞末氏:大人はPCというとある程度慎重に使いますが、子どもは好奇心や興味のおもむくまま扱います。PCを閉じないままディスプレイをガシッと掴んで、手から滑り落ちたり、机から落としたりするのも日常茶飯事です。
栗原氏:実は学校の机のスペースにも課題があるんですよ。PCを置いた状態でさらに教科書やノートを広げると、机が狭いせいでPCをぐいっと押し出してしまいます。学校の机はニスを塗っていて滑りやすい素材が多いので、そのままPCがスーッと滑って落下してしまうというわけです。
貞末氏:今回dynabook「K70」を開発するにあたって改めて学校現場を視察し、ヒアリングを重ねたのですが、まさに栗原さんがおっしゃったような意見がありました。また、低学年はタブレットを持ったまま砂場なんかに行って遊んでしまうんですよね(笑)。そうなると、想定外の破損も増えてしまいます。そして、先生方や教育委員会様が気にされていたのが、修理費用と修理へ出すことでPCが不足し、子ども達の学びが止まることでした。
そうした現場の事情や要望を踏まえて、「K70」では本体のコーナー部分に丸みを持たせ、衝撃を吸収できる工夫を施しています。さらにアメリカ国防総省制定「MIL規格」に準拠した過酷な耐久テストを実施し、落下や温度変化、さらに粉塵にも高い耐久性を持たせました。
※無破損、無故障を保証するものではありません。これらのテストは信頼性データの収集のためであり、落下、衝撃、振動または使用環境の変化などに対する製品の耐久性をお約束するものではありません。
また、栗原さんがおっしゃった机から滑り落ちる問題を防ぐため、ゴムのような弾力性と硬質プラスチックの強さを併せ持つTPU( 熱可塑性(ねつかそせい) ポリウレタン)という素材で本体の外周を覆っています。TPUは衝撃に強いうえに滑りにくい特徴を持っているため、机が20度まで傾いても落下しにくくなっています。ちなみにこの20度という数字は、グループ学習や掃除などで子どもが机を運ぼうとして持ち上げたときの最大傾斜を想定しています。
また、カラーも特徴です。GIGA1.0のときはメタリックなシルバーだったのですが、大人にはスタイリッシュなデザインでも小学校にはあまりなじまない感じがあり、思わず手に取りたくなる文房具をイメージしてベージュを取り入れたかわいらしい雰囲気に仕上げました。教科書やノートと一緒に並べても違和感のない、文房具のようなイメージです。外に持って出る場合は、オプションの純正ケースをご利用頂くと、持ちやすい持ち手だけでなく、斜めがけや肩がけもできるストラップも付属しており、両手を使うことができます。
栗原氏:かわいいし、かっこいいデザインですよね。ファッショナブルなので男子にも女子にも人気が出そうだし、小学校から高校まで世代を問わず使える秀逸な外観だと思います。また、ディスプレイにキーボードをしっかりつけないと装着できないようになっているのも落下防止になりますし、キーボードのキーキャップも外れにくくなっているなど、子どもの使い方を細かい点までしっかりと考えられた点もすばらしいと思いますね。
スペックについてもGIGA1.0まではメモリ4GBが一般的でしたが、K70は8GBと倍増しています。今後の学習にMinecraftやAIなどを活用することを考えると魅力的なスペックです。さらに、これだけのスペックを持ちながらしっかりとGIGAスクールの補助金内に予算が収まるのも良いですよね。
貞末氏:日々の仕事に向き合っていらっしゃる先生方に、PCの予算やスペックで悩んでほしくないですからね。必要なスペックと、Microsoft 365 Educationの込みで、補助金の55,000円(税込)内というわかりやすさがポイントです。販売パートナーの皆様も補助金内のご提案が可能かどうか、重要なポイントです。複雑になりがちなご提案・検討を分かりやすくすることができます。
元教員が「子どものうちからWindowsを使うべき」と断言する理由
---GIGAスクール構想第2期にむけて、端末と合わせて活用できるパッケージ内容について考えていることはありますか。
貞末氏:ソフト部分についてはアクセシビリティを使いやすいようにアプリを開発中です。学校を訪問している時に、色弱の児童にとって従来のPCが使いにくいことがわかったからです。もともとWindows には障害をお持ちの方をサポートするアクセシビリティ機能が搭載されているのですが、PC操作に慣れていない児童には設定画面がどこにあるか分かりづらい点がありました。そこで当社では、アクセシビリティ機能に迷わずアクセスできるアプリケーションをdynabook.comからダウンロードして「K70」にインストールできるように開発を進めています。
栗原氏:マイクロソフトは障碍を持った方を積極的に雇用し、その方々が本領を発揮できるような環境やデバイスの開発に全力を注いでいます。たとえばWindows11の起動音にしても何度もテストを行い、様々な方が誰も不快にならない音を目指して作成しているんです。ただ、やはり機能が多いだけに子どもだと探してもたどりつけない場合があるかもしれません。その意味でDynabookさんが必要な機能を抽出し、わかりやすくしてくれたのはとてもいい工夫だと思いますね。
---WindowsやMicrosoft 365、マイクロソフトのツールを子どもの頃から使うことの重要性についてお考えを教えてください。
栗原氏:Microsoft 365については、やはり社会に出て必ず使用するツールですから、子どもの頃から使わせたいという声をよくいただきます。また、これはOfficeソフトにしてもWindowsにもいえることですが、“最先端の機能が常に使える”というのがとても重要だと思うんです。
たとえばAIにしてもCopilot+ PC がすでに発表されました。今後もWindowsには最先端の機能が搭載されていくでしょう。世の中や働き方が変化し続けている今の時代において、子どもの頃から最新の技術に触れられるのは大きなメリットではないでしょうか。
価格やスペックだけじゃない!
教員にとっての最大の課題を解決するDynabookのサポート
---先ほど、先生方は破損、故障を気にされているというお話がありました。「K70」はしっかり対策した設計のため破損することが少ないとは思いますが、万が一の場合はどのようなサポートを受けられるのでしょうか。
貞末氏:もちろん、私たちはメーカーとしてサポート体制を整えております。販売店様経由でご購入いただいても、私たちがしっかりと後ろに控えてサポートさせていただきます。GIGAスクール端末修理専用受付窓口を開設し、修理はもちろん、その他ご要望をお伺いしながらの体制を構築しております。また、使わなくなったPCについては、追加費用が発生しないようご提案を用意しています。
栗原氏:サポートが充実しているのは現場にとっても嬉しいですよね。実は現場の先生が一番気にされるのは、「修理に出した端末は今どうなっているのか」という状況確認なんです。よくあるのが、修理に出した端末が返ってくるまでに思ったよりも時間がかかってしまったとか、修理期間がわからないため代替機を手配すべきかわからないといった悩みです。
貞末氏:その点についてもご安心ください。Dynabookでは専用のWebサイトから修理依頼を頂くことで修理状況をWebで確認できる仕組みを持っています。今端末が修理センターでお預かりしているのか、修理が完了して発送済みなのかといったステータスをいつでもご確認いただけます。
栗原氏:そのサービス、すごく助かりますね! 私が教員時代にも、修理した端末を一刻も早く返却してほしくてあちこちに電話してもどこにあるのかすらわからないということがありました。そういうところも国内メーカーならではの安心感ですね。
貞末氏:実直にお客様に向き合うことを大事にしています。Dynabookは今年35周年を迎えます。お客様に支えられて今がありますので、K70についてもお客様を第一に考えて開発しました。GIGA1.0を踏まえた改善点が多く盛り込まれているので、ぜひGIGAスクール2期でご活用いただければと思います。
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