はじめに
G-genの村上です。当記事では Gemini for Google Workspace(旧 Duat Ai for Google Workspace)で実現できること、またできないことを解説します。当記事の内容は、2024年4月17日の執筆時点の仕様や発表内容に基づきます。執筆時点では日本語に対応していませんので、当記事で掲載する画像は英語表記になります。
Gemini for Google Workspace とは
Gemini for Google Workspace は Google Workspace の Gmail、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、Meet などのアプリに組み込まれた AI アシスタントです。この後解説しますが「Help me write」「Create image with Gemini」「Help me organize」の機能により、メールの作成やスライドでの画像素材の検索にかかる時間などを短縮し、業務を効率化できます。元々 Duet Ai for Google Workspace と呼ばれていましたが、2024年2月22日より Gemini for Google Workspace へ名称変更しています。
Google ドキュメント - 「Help me write」でできること
まずはドキュメントの「Help me write」を使ってどういった事が出来るのか見ていきましょう。「Help me write」は簡単なプロンプトを入力するだけで、AIが文書や比較表作成などを支援をする機能です。また生成された文書のトーンを変更する事もできます。
以下の画像では「生成 AI の活用方法について、メンバーでディスカッションしたいので、ドラフト文書を作成してください」と指示しています。
わずか数秒で数百文字(A4一枚分くらい)の文書を生成してくれます。画像左下の Refine をクリックすると、文章のトーンを変更(カジュアル・フォーマル)したり、要約、箇条書き、文章の詳細化、簡略化、言い換えなどが可能になります。
以下の画像は「Gemini Business と Gemini Enterprise の違いについて比較表を作成してください。」と指示した場合の出力結果です。結果が表形式で生成されていることが分かります。
ドキュメントの「Help me write」では文章や比較表の生成、生成した文章のトーン変更などは出来るものの、ドキュメント上での画像生成はできません。例えば「猫の画像を作成して」と指示すると、画像ではなく、「絵文字の猫」が生成されます。
Google スライド - 「Create image with Gemini」でできること
次はスライドの「Create image with Gemini」を使ってみます。「Create image with Gemini」は簡単なプロンプトを入力するだけで、AIが画像作成を支援をする機能です。また生成される画像のスタイルも選択できます。
以下の画像では「柴犬が草原を駆け回っている可愛い画像を作成してください。」と指示しています。
ここでは「Background」を選択していますので、生成された画像をクリックするとスライドの背景画像として設定できます。
スライドの「Create image with Gemini」では画像の生成は出来るものの、アイコンの作成やプレゼン資料自体の自動生成などはできません。
Google Sheets - 「 Help me organize 」でできること
次は Google Sheets(スプレッドシート)の「Help me organize」を使ってみます。「Help me organize」は簡単なプロンプトを入力するだけで、AIがグラフやデータ整理の為のテンプレート作成などを支援する機能です。
以下の画像では「地域別、店舗別の犬用おやつランキングをまとめたいのでサンプル表を生成してください。」と指示しています。
以下のように、データ整理のためのテンプレート作成を瞬時に生成してくれます。また画像からも分かるように地域や州やお店などカテゴリ分けも自動で行われています。
スプレッドシートの「 Help me organize 」ではテンプレート・サンプルデータの生成が可能な反面、生成した既存コンテンツを改修したり参照して関連データを作成する事、また計算式を含めたテンプレート作成はまだできません。
Gmail - 「Help me write」でできること
最後にGmailの「 Help me write 」をみていきましょう。「Help me write」は簡単なプロンプトを入力するだけで、AIがメール本文の作成を支援する機能です。また生成された文章のトーンを変更する事もできます。
以下の画像では先方からの打ち合わせの候補日をくださいと言うメールに対し「このメールに日付を入れて返信文を作成してください。」と指示しています。
Google ドキュメントの「Help me write」と同様、わずか数秒で候補日を入れた返信文を生成してくれます。画像左下の Refine をクリックすると、文章のトーンを変更、詳細化、簡略化などが可能になります。
以下の画像ではいくつかの候補日を提示していますが、私の Google カレンダー上のスケジュールを見て時間を提示しているわけではありません。返信文の雛形を作成しているだけですので、提示している時間については手動で変更する必要があります。
Gmail の「 Help me write 」ではメールの新規作成や届いたメールに対しての返信文を作成したり、生成した文章のトーン変更、詳細化、簡略化などは出来るものの、Insert した後に作成した文面を再度修正することや、カレンダーと連携して自身の空いている時間で日程調整(候補日の提示)する事はできません。
Gemini for Google Workspace の ”できる・できない” のまとめ
Gemini for Google Workspace でできることとできないことをまとめると以下の表の通りです。
Gemini for Google Workspaceが利用できる Google Workspace のエディションについて
Gemini for Google Workspace は Google Workspace の各種エディションにアドオンする形で利用できます。2024年4月17日の現時点では、 Gemini Enterprise と Gemini Business の2つのエディションを選択頂けます。
また Gemini for Google Workspace に対応している Google Workspace のエディションは以下のとおりです。
- Frontline Starter / Frontline Standard
- Business Starter * / Business Standard / Business Plus
- Enterprise Standard / Enterprise Plus
- Education Fundamentals / Education Standard / Education Plus
- Enterprise Essentials / Enterprise Essentials Plus * Business Starter は Gemini Business のみをサポートしています。
今後の Gemini for Google Workspace
Gemini for Google Workspace は Google Workspace の様々なアプリに組み込まれ日々の業務を効率化してくれます。上記記載した機能以外にも、Gemini in AppSheet では Google Chat を利用し自然言語で対話ベースでアプリが簡単に作成出来るようになります。(2024年4月17日の現時点では先行テスタープログラムで提供されており今後全ユーザーに公開されます。)
また今後の展開として 2024年4月9-11日に Las Vegas で開催された Google Cloud Next ’24 で以下の Gemini for Google Workspace の機能拡張が発表されています。
- Google Vids : Google Workspace の新サービス。生成 AI による動画編集補助サービス
- AI Meetings and Messaging add-on : 自動議事メモ、チャットの要約、69の言語に対応したリアルタイム翻訳など
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AI Security add-on : 自動的に機密ファイルの分類などのデータ保護(Data Loss Prevention)を行う機能
○ 詳細(弊社ブログ) :Google Workspace と生成 AI
また上記以外にも AppSheet 関連で以下の機能拡張がありました。 - AI assisted app creation in AppSheet : (Google Chat の画面上ではなく)AppSheet コンソールで Gemini が利用可能
- Extract with Gemini : 画像内部の情報(数値、定量評価等)を回答する機能
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Google Forms integrated with AppSheeet : AppSheet のデータソースとして Google Form に対応
○ 詳細(弊社ブログ) : AppSheet: No-Code revolution powered by AI(Google Cloud Next '24セッションレポート)
参考リンク
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