2024年、ビジネスノートPCを取り巻くトレンドは、AI処理をより効率的に行なえる「AIテクノロジー内蔵PC」や「AI PC」といった言葉が中心となっている。そうした中で、PCメーカーであるHPはAI処理に特化するNPUを内蔵した「AMD Ryzen™ 8040シリーズ プロセッサー」搭載ノートPC、「HP EliteBook 635 Aero G11」を3月に発表した。
HP EliteBook 635 Aero G11は0.99kgと1kgを切る軽量を実現し、NPUや強力なGPUを搭載しているRyzen 8040シリーズを採用している。13.3型アスペクト比16:10の縦長ディスプレイを持ち、Copilotキーを搭載しているためMicrosoftのCopilotを手軽に利用することが可能であることなど、魅力的なスペックを持ち合わせながら最小構成で14万円台(※2024年4月現在、キャンペーン価格)というお買い得な価格設定になっている。
ハイパフォーマンスかつ軽量なノートPCと言えば、高価というイメージがあると思うが、そうしたイメージを覆す製品を今回は紹介していきたい。
HPのAeroブランドは軽量製品の証明、金属素材を採用しながら約1kgと「軽く」「強く」を実現
HP EliteBook 635 Aero G11の製品を象徴する言葉が、そのブランド名の一部である「Aero」である。というのも、HPにとってAero(エアロ)というブランドがつく製品は薄型軽量の製品を意味してきたからだ。
もともとAeroは、HPの源流の一つであるCompaq(2002年にHPと合併したかつて存在していたPCメーカー)の薄型軽量向けを示すノートPCやハンドヘルドPCなどのブランドとして活用されていた。その実の意味は、ラテン語の接頭語で「空気、航空」などを指しており、ラテン語の発展形であるスペイン語の空港が「Aeroport(エアロポート)」であることからもわかるように、Airのラテン語版と考えるとわかりやすいだろう。
今回、Aeroシリーズに加わった「HP EliteBook 635 Aero G11」は、0.99kgと1kgを切る軽量さが最大の魅力となり、歴代のAeroシリーズにおける最高傑作と言っても過言ではない。
HP EliteBook 635 Aero G11は日本市場をターゲットに開発され、グローバルにPCビジネスを行なっているHPの中でも極めて異例な、日本先行投入のモデルとなっている。というのも、日本市場では他国の市場に比べて軽量なノートPCの人気が高く、薄型軽量なノートPCが多く販売されているからだ。そうしたノートPCの中には、もっと軽量(例えば600g~900g)な製品も存在しているが、軽量であることを優先するためにバッテリーの容量が約半分(25Wなど)で、ボディーが強化プラスチックという例も少なくない。
それに対して、HP EliteBook 635 Aero G11のバッテリー容量は「43Wh」とモバイルノートPCとしては標準的な容量を有しながら、ボディーはアルミニウム合金(A面=ディスプレイ裏面、トップカバー)とマグネシウム合金(D面=ボトムカバー)が採用されており、金属のボディーを持ちながら1kgを切っているのだ。通常、こうした金属を採用した軽量ノートPCは1.2~1.3kgというのが定番であり、1kgを切っている製品は少ないのが現状だろう。つまり、トップカバーとボトムカバーに剛性がしっかりと確保される金属を素材として利用していながら、0.99kgという驚異的な軽量さを実現していることがHP EliteBook 635 Aero G11の最大の特徴といえる。
AMD Ryzen 8040 シリーズを採用することで「速く」を実現
HP EliteBook 635 Aero G11は上記の通り0.99kgという軽量さを実現しているが、ノートPCとしてのスペックは一切妥協されていない。その最大の理由はSoC(System on a Chip)に、AMDが提供する「AMD Ryzen 8040 シリーズ プロセッサー」(以下Ryzen 8040シリーズ)を採用しているからだ。
AMD Ryzen 8040シリーズは、開発コードネーム「Hawk Point」(ホークポイント)で知られる製品で、従来製品のAMD Ryzen 7040シリーズ(開発コードネーム:Phoenix)に比べてCPUやGPUの性能が引き上げられているほか、NPUも強化されている。前世代に比べて演算性能値で60%ほど性能が向上しており、NPUのAI処理を高性能かつ高い電力効率で行なえるという特徴がさらに強化されている。今回のHP EliteBook 635 Aero G11では「AMD Ryzen™ 7 8840U プロセッサー」または「AMD Ryzen™ 5 8640U プロセッサー」を選択可能になっており、前者は8コアCPU、後者は6コアCPUと、高いCPU性能を実現している。
また、メモリは16GB(オンボード)、ストレージは512GB(PCIe SSD)となっており、ビジネス用途には十分な性能をもっていると言っていいだろう。
ディスプレイは13.3型 WUXGA(1920×1200ドット)の液晶ディスプレイが採用されており、アスペクト比16:10という最近のトレンド仕様になっている。従来のノートPCで一般的に採用されていたアスペクト比16:9のディスプレイに比較すると、縦方向が広くなっているのがその特徴だ。それにより、例えばWebブラウザーでWebサイトを見る時は、縦方向の情報量が大きくなるため生産性の向上にも貢献するだろう。
さらにHP EliteBook 635 Aero G11には、Microsoftが新たに導入したキーである「Copilotキー」が搭載された。このCopilotキーを押すことで、最新のWindows 11に実装されている「Copilot in Windows」を呼び出して利用することが可能だ。Copilot in Windowsは、ChatGPTのようなAIアシスタントのMicrosoft版で、Windows上から生成AIに対話形式で作業や検索などを指示することが可能になる。
ハイブリッドワークに必要な高画質カメラとマイクを搭載して「美しく」、そして10万円台前半と「安く」も兼ね備える
HP EliteBook 635 Aero G11は、ハイブリッドワーク時代を見据えた高画質のカメラとマイクが用意されていることも、もう一つの大きな特徴だ。
HPはPolyと呼ばれるビデオ会議ツールを提供する企業を2022年に買収し、現在はHPがPolyブランドのビデオ会議ツールなどを顧客に提供している。Polyはそうしたビデオ会議ツールの開発などにおいて、ノイズキャンセリングや画質向上などに多大なノウハウを持っており、そうしたPolyのノウハウがHPのノートPCにも活かされている。
具体的にはフロントカメラの画質や、マイクのノイズキャンセリングなどのチューニングをPolyが担当しており、HP EliteBook 635 Aero G11のキーボード右側下部に「Poly Studio」というロゴが追加され、Polyによるチューニングが行なわれていることを示している。
また、フロントカメラそのもののスペックが高いことも見逃せない。一般的なビジネスPCでは、HD(1280×720ドット)、FHD(1920×1080ドット)などのカメラが内蔵されている。しかし、HP EliteBook 635 Aero G11には500万画素のカメラが内蔵されており、解像度でいうとWQHD(2560×1440ドット)に相当する。つまり、一般的なノートPCの内蔵カメラより高精細になっており、画質が向上しているのだ。
ビデオ会議において圧倒的に高画質で相手側に動画を送れる、その意味で500万画素のカメラの存在は大きいと言える。
このように、HP EliteBook 635 Aero G11は、ボディー素材に金属を使用していながら、わずか1kgを切るという軽量さ、AMD Ryzen 8040 シリーズ プロセッサーという、前世代からCPU、GPU、NPUそれぞれが性能強化されている最新SoCの搭載、さらにはハイブリッドワークに必要な高品質カメラやマイクといった、ビジネスパーソンが持ち運んで利用するノートPCに必要な要素を網羅している。かつ見逃せないのは、こうした軽量、高スペックなマシンが、最小構成(Ryzen 5、メモリ16GB、512GB SSD)で14万円台(※2024年4月現在、キャンペーン価格)と低価格に設定されていることだ。同じような約1kgのモバイルPCだと、他社ではもっと高価な価格設定が一般的であり、安価なモノで10万円台後半から、高価なものでは20万円台という製品が多い。
その意味で、HP EliteBook 635 Aero G11は軽く、強く、速く、美しくと4拍子そろっているだけでなく、「安く」まで実現しており、5拍子そろっていると言えるだろう。社員用のモバイルノートPC導入などを検討している企業であれば、ぜひ最初に確認して欲しい製品であることは間違いない。
[PR]提供:日本HP