基幹系システムのクラウド移行が活発化している。
近年では、障害によるシステム停止が許されないミッションクリティカルシステムでさえも移行の対象になることが多いのだ。
そこでマイナビニュース TECH+で「クラウドサービスの選定と運用についてのアンケート」を実施したところ、クラウド化に対する期待や具体的な課題が浮き彫りになってきた。
本稿ではこうしたアンケート調査の結果を踏まえ、基幹系システムにおけるクラウド移行の最新事情に迫っていく。
基幹系システムのクラウド移行が活発化
基幹系システムのなかには、24時間365日稼働し止まることが許されないミッションクリティカルシステムも多い。かつては、計画停止をふくめた運用保守管理が事業者まかせになるクラウドはセキュリティや可用性の確保が難しく、移行の選択肢になること自体が少なかった。10年近くにわたって、Oracle Cloud Infrastructure(以下OCI)を中心に基幹系システムのクラウド移行を支援してきた株式会社アシストの川合裕太氏によると、近年はパブリッククラウドの進化を受け、大きく事情が変わっているという。
マイナビニュース TECH+が実施したアンケート調査では、「現在、基幹系システムをクラウドで利用している」割合は約20%にも上り、「今後、基幹系システムをクラウドで利用したい」割合も13%と、一定のニーズがあることが読み取れる。
川合氏は、クラウド移行の現況について、次のように見解を述べている。
「適材適所でクラウドを使い分けることで、IT予算を最適化し戦略的なIT活用ができるようになります。オラクル製品で構成された基幹系システムも、オンプレミスやクラウドをうまく使い分けることで、これまでの堅牢性・信頼性を維持したまま、クラウドらしい柔軟性や拡張性、スピードを得られるようになります」(川合氏)
可用性、性能、拡張性、セキュリティ……、基幹系システムのクラウド化に立ちはだかる壁
もっとも、基幹系システムのクラウド移行は、新しいアプリケーションをクラウドに新規で立ち上げるのと比べると、さまざまな困難に直面しやすい。アンケート調査でも、クラウド移行の課題として「セキュリティが不安」「費用が明確でない」「データ移行、データ連携の難易度が高い」といった回答が多くを占めた。これについて川合氏は次のように見解を述べる。
「求められる要件が非常に厳しいため、基準をどう満たすかがカギになります。非機能要件の整理や、クウラドサービスの適合性の評価には、時間とコストがかかり、ミッションクリティカルなシステムであるほど、それは顕著です。くわえて、セキュリティ対策を講じる必要もあり、検討事項は増えていきます。自社の基準を満たすサービスを選定し、いかに効率よく構築、移行していくかがポイントです」(川合氏)
一般的に 、ミッションクリティカルシステムで求められることが多い高い可用性を単純に実現しようとすると、冗長構成などでオンプレミスよりも構築、運用コストが高くなることがある。性能面でもオンプレミスと同等のスループット、I/O、レスポンスをネットワークの制約のあるなかで実現することは簡単ではない。
セキュリティ面では、暗号化や権限管理、監視などを行うために追加でツールを導入したり、データ構造やデータ項目の変更やアプリケーションの改修が求められたりすることもある。
基幹系システムの移行に最適なクラウドサービスは?
こうしたクラウド移行の課題を解消しながら、クラウド活用を推進できるクラウドサービスとしてアシストが選択肢の一つとして提案するのが「Oracle Cloud Infrastructure(以下OCI)」だ。川合氏によると、OCIは可用性、性能、拡張性、セキュリティという4つの観点で見て非常に優れたサービスであり、オラクル製品で構成されたミッションクリティカルシステムのクラウド移行における最適な選択肢となると言う。
1つめの性能は、オンプレミスと同等の高い性能要件を満たすデータベースサービスが提供されていることが特徴だ。
「標準的なPaaSのデータベースとしてBase Database Serviceがあります。クラウド上の仮想マシン(VM)にOracle Databaseのインスタンスを作成して管理するものです。さらに高い性能要件に満たす手段としてOracle Exadataの利用もできます」(川合氏)
2つめの可用性については、データベースサービスOracle RAC(Real Application Clusters)が利用できることが大きなポイントだ。
「OCIは、RACを利用できるクラウドサービスです。オンプレミスでRACを利用していて、引き続きRACを利用したい場合はOCIがファーストチョイスになるでしょう」(川合氏)
3つめの拡張性については、RACによるスケーラビリティを実現できるだけでなく、さまざまなリソースを柔軟に調達し迅速に配備できることだ。とくに優位性があるのはその際の提供コストだ。OCIでは、コンピュート、ネットワーク、ストレージなどのIaaSサービスも提供しており、いずれも戦略的にコストメリットが得られる価格に設定されている。リソースを柔軟に拡張しても、想定外に費用がかさむことが少ないのだ。
4つめのセキュリティは、標準的なセキュリティ機能が無償で提供されていることがポイントだ。
「クラウド移行では、データの暗号化やデータの持ち出し操作の防止、最新セキュリティパッチの適用、ユーザー操作の管理などさまざまなセキュリティ対策が必要です。マネージドサービスとして多くの機能が提供されているため、人的ミスも最少化でき、短期間での実装も可能です。また、データベースのセキュリティ対策においては多くのサービスが提供されているのも特徴と感じています」(川合氏)
OCIの検討・構築から、移行、運用までをトータルでサポート
OCIはグローバルサービスであるため、問い合わせ時間帯や内容によっては、やりとりが英語になるケースもある。 障害対応の際に関係する部署と日本語で直接やりとりすることが難しいといったことに不安を覚える企業は多いのではないだろうか。
そうしたなかで、アシストは1987年に日本で初めてOracle Databaseの取り扱いを始めたパートナーであり、基幹系システムのサポートで35年以上の実績持っている。OCIのサービス開始間もない2015年から販売、支援サービスを、また2019年には独自のサポートサービスの提供も開始し、OCIの導入実績は250社を超えているという。2023年にはオラクルのBest Partner of the Yearを受賞している。
同社は、OCI上でのシステムの検討・構築から、オンプレミスからのクラウドへの移行、クラウド環境の運用などさまざまなメニューを提供している。そのなかでユーザーからとくに好評を博しているのが、クラウド移行後の運用をトータルでサポートする、「アシスト クラウドマネージドサービス(以下ACMS)」だという。
「ミッションクリティカルシステムは障害発生時の解決において特に速いスピードが求められます。ACMSは、OCIについて、24時間365日のサポートサービスを提供するもので、専門エンジニアが日本語で素早く対応します。また、アシストがお客様の環境を構築した際の情報やお客様からヒアリングしたシステム構成情報をもとに、自社ナレッジ(過去問合せ事例など)やメーカードキュメントを用いて一次切り分けを含めたサポート対応を行います。そのほか、OCIから届く英語表記の各種通知について日本語での解説を行ったり、オンプミレスとクラウドのハイブリッド環境を一元的にサポートしたりしています」(川合氏)
基幹系システムのクラウド移行は今後も加速することが予測される。また、クラウドとオンプレミスをうまく使い分けながら、最適なかたちで基幹系システムを構築・運用したいというニーズも増えている。OCIの検討から構築、移行、サポートまでをトータルで提供できるアシストは、クラウド移行に悩む企業にとって、頼れるパートナーになるはずだ。
アンケート実施概要
回答方法:インターネットによるアンケート
対象:マイナビニュース,TECH+会員読者<IT関連技術職(ソフトウェア・ネットワーク他)>
回答者数:139名
実施期間:2024年2月27日(火)~2024年3月4日(月)
[PR]提供:アシスト