数多くのメーカー・パートナーと協業し、エンドユーザー企業にIT製品・サービスを通じた価値を提供し続けている株式会社ネットワールド。高い技術力を持つITディストリビューターという強みを活かし、パートナーを通じた導入支援サービスを積極的に展開しています。
近年の傾向として、クラウド移行やクラウドインフラ構築のニーズが高まっていると判断した同社は、クラウドに関連する導入支援サービスをブランド化した「CloudPath Services(クラパス)」を2021年より提供開始。クラウド移行を進めたいユーザー企業と、人的リソース不足に悩むパートナーの課題解決をサポートしています。
本稿では、VMwareを中心としたビジネス推進を担うネットワールド SI技術本部 ソリューションアーキテクト課 部長代理の工藤 真臣 氏と、VMwareの仮想化製品群を上に、同社の導入支援サービスを担当するSI技術本部 統合基盤技術部 プラットフォームソリューション1課 課長 松本 光平 氏に話を伺い、昨今のクラウド移行に関する最新動向と、VMwareが提供するクラウドソリューションのトレンドを紐解いていきます。
仮想化環境のクラウド移行を支援するSaaSサービスへの注目が高まる
―ネットワールドが展開している導入支援サービス「クラパス」では、20社以上に及ぶメーカーの製品・サービスを用いて80以上のサービスメニューを展開しています。昨今、ニーズが高まっているサービスの傾向についてお聞かせください。
工藤氏:数年前から“クラウド”というキーワードでパートナーから相談を受けることが多くなり、実際にこの2年ほどの間でクラウド関連の導入支援案件は急増しています。そのため弊社では、2021年にクラウドへのリフト&シフトを支援するサービスをブランド化し、CloudPath Services(クラパス)として提供を開始しています。
ITインフラのクラウド移行は、業種や規模を問わず、あらゆる企業で喫緊の課題となっています。なかでもVMware製品を用いたオンプレミスの仮想化環境をクラウドに移行したいというニーズは高まっており、クラパスにおいてもVMware製品に関連するサービスメニューの拡充を図っています。IT人材不足が深刻化している昨今では、人的リソースが足りずに弊社の導入支援サービスを活用するパートナーは増加傾向にあります。VMwareと聞くとオンプレミスの製品というイメージがありますが、現在はマルチクラウド対応のSaaSサービスとして提供している製品も多く、最近では運用管理系の製品もクラウド化されています。
―パブリッククラウド(IaaS)上に仮想化環境を構築して、オンプレミスの環境を丸ごと移行するという案件は減ってきているのでしょうか。
工藤氏:近年ではマルチクラウド、ハイブリッドクラウドがトレンドとなっており、VMwareもマルチクラウドを推奨しています。そのため、IaaS上に環境を構築するという案件は少なくなり、SDDC(Software-Defined Data Center)製品を用いたVMware Cloud on AWSなど、マネージド型のサービスを用いてクラウド移行を図るケースが増えてきています。
松本氏:実際、クラパスにおいてもVMware Cloud on AWS導入サービスを中心にVMware製品の導入支援サービスを利用されるお客様(パートナー)は多く、運用管理サービスやクラウドセキュリティ製品と組み合わせてマルチクラウド環境を構築したいといったニーズも増加傾向にあります。
工藤氏:PoCを実施してみてからでないと案件化・予算化できないというお客様もいるため、弊社でPoC環境を貸出してパートナーにPoCを実施頂いたり、弊社のエンジニアもPoCに参画したりと、状況に合わせて柔軟に支援しています。
DR+ランサムウェア対策を実現するVMware Cloud Disaster Recoveryがコスト面の懸念を払拭
―引き合いが強いクラパスの導入支援サービスと、実際の導入事例についてお聞かせください。
松本氏:前述したようにVMware Cloud on AWSは引き合いが強く、他のVMware製品とセットで導入するケースも少なくありません。最近の導入支援事例としては、VMware Aria Operations(監視ツール)やVMware Aria Operations for Logs(ログ管理ツール)、VMware Aria Operations for Networks(ネットワーク監視ツール)といった運用管理製品と、クラウドセキュリティ製品であるVMware Carbon Black Workloadを組み合わせて、オンプレミス上のvSphereとVMware Cloud on AWS上のvSphereをシームレスに管理するマルチクラウド環境を実現した事例があげられます。弊社では設計支援から導入作業までを一貫で支援しています。
工藤氏:本事例は弊社としてもかなりの大規模案件で、VMwareのコンサルティングサービスとの連携により推進しました。VMware Cloud on AWSでは、1年単位でホストの数を増減したいというニーズが多く、導入時には ESX(ハイパーバイザー)のホスト10台、次年度には新たに3台を追加するなど、段階的な支援が求められています。エンドユーザーにとっては予算化しやすいというメリットがあり、弊社の導入支援サービスをサブスクリプションライクに利用していただいています。
松本氏:最近では、VMware Cloud Disaster Recovery導入サービスに関しての相談も増えています。VMwareが提供するクラウド型のDR(ディザスタリカバリ:災害復旧)サービス(DRaaS)で、オンプレミスのvSphere環境(仮想マシン)をクラウドストレージ上にバックアップします。有事の際にはVMware Cloud on AWS上にオンデマンド展開することで、事業継続を可能とします。常にVMware Cloud on AWSを起動しておくことで復旧時間を短縮する事前展開型も選択できますが、ほとんどのお客様はよりコストメリットを最大化できるオンデマンド型を選んでいます。
工藤氏:自然災害が多い日本では、多くの企業がDR環境を構築したいと考えていますが、これまでは2箇所のデータセンターに同一の環境を構築する必要があり、予算や人的リソースが確保できず導入に踏み切れないケースが少なくありませんでした。ストレージのみを複数のデータセンターに設置し、データ保護、すなわちバックアップだけを実施している企業もあります。VMware Cloud Disaster Recoveryは、コストを抑えながらDR環境を構築したいというニーズに応えるサービスとして期待が高まっており、実際、事前展開型で4割程度、オンデマンドであれば6割以上のコストを削減することができます。これはインフラコストだけで算出したのもので、見えない運用コストなども含めれば、より大きなコストメリットがあります。
工藤氏:さらに昨今ではランサムウェア対策のオプションも提供が開始されました。vSphere環境のデータを補完するクラウドストレージは、管理者権限でも消すことができず、ランサムウェアに感染した場合でもデータを担保できます。DR+ランサムウェア対策を低コストで実現できるのならば、導入をためらう必要はないと考えるお客様も少なくないと思います。
松本氏:VMware Cloud Disaster Recoveryでは展開も簡単に実行できますが、展開後、どのようにリストアしてオンプレミスとつなげるのかは設計時に考慮する必要があり、弊社ではこうした面でも豊富な実績と経験を活かした支援を行っています。また工藤が話したランサムウェアのオプションに関しても引き合いが強く、マルウェア感染時に事業継続を担保するソリューションとしても期待されていることを実感しています。
マルチクラウド環境の実現を後押し、最新VMware製品の導入支援を続けていく
―クラパスのサービス拡充も含み、今後の展望をお聞かせください。
工藤氏:vSphereもクラウドサービスへのシフトが進み始めており、クラウドライクに利用できるvSphere+ の導入支援サービスもメニューに追加しました。またクラウドセキュリティ製品のニーズもあり、Tanzu Guardrailsというマルチクラウド対応ソリューションの導入支援も用意しています。
松本氏:インフラとは異なるレイヤーですが、vSphere環境などでコンテナを動かす際のKubernetes環境を管理できるTanzu Mission Controlなどのソリューションにも注目しています。VMwareは多様な製品をリリースしていますが、弊社ではVMware Carbon Blackのようなセキュリティ製品はセキュリティチーム、NSXはネットワークチームと、それぞれプロフェッショナルのSEが支援を担当しています。お客様のニーズに合わせて各チームが連携し、総合的な支援を提供していきます。
―お二人の話を通して、クラパスの導入支援サービスが極めて有用なことが確認できました。VMware Cloud Disaster Recoveryをはじめ、最新のVMware製品でITインフラ周りの課題解決を図りたいのならば、ネットワールドに相談してみてはいかがでしょうか。
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