現在、世界規模で起きている変化として挙げられるのが「すべての業務・プロセスのデジタル化」だ。その大きなきっかけの1つとなったのがコロナ禍である。

移動を制限されたことで、人々はビジネスの主戦場をデジタルスペースへと移し、リモートワークが急速に普及した。

そしてコロナ後となった現在では、オフィスワークとリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークが浸透してきている。

そうした働き方の変化を後押しするのがテクノロジーの進歩だ。ビジネスに欠かせないWindows OS、およびPCは今後のビジネスをどう変えていくのか。

9月6日に開催された「TECH+EXPO 2023 Sep.for HYBRID WORK 場所と時間とつながりの最適解」に日本マイクロソフト株式会社 デバイスパートナーセールス事業本部 業務執行役員 事業本部長 佐藤 久 氏が登壇。マイクロソフトが実現するWindows 11 ProとAI活用による働き方の未来について語った。

業務のデジタル化が加速するなか、マイクロソフトが提供するもの

佐藤氏は講演冒頭、コロナ禍による影響として「かつてないほどの速度でデジタルスペースへの移行が進んでいる」ことを挙げた。さらに今後、我々が直面する課題として、中国やロシア、ヨーロッパなどあらゆる地域で少子高齢化による労働人口の減少が進んでいく点を指摘する。

そんな課題に対してマイクロソフトが提案するのが、もっとも信頼できる包括的なクラウドとしての「マイクロソフトクラウド」である。

マイクロソフトクラウドは、金融やヘルスケア、製造業、非営利団体、小売業など様々な産業で活用できるインダストリークラウドだ。マイクロソフトクラウドで実現したいパーパスとしては、モダンワーク、ビジネスアプリケーション、インフラストラクチャー、デジタルとアプリのイノベーション、データ&AI、セキュリティの6テーマが定義されている。

なぜマイクロソフトはクラウドに注力するのか。その根幹には、生産機械やセンサーなど多くのデバイスがクラウドにつながり、相互に情報をアップデートし続ける「デジタルフィードバックループ」という考え方がある。

「たとえばお客様とつながるCRM、業務を効率化するERP、サプライチェーンを管理するCMS。そういった様々な業務システムは多くの場合サイロ化されていて、生成されるデータを他のシステムで使えないことが多いのです。そこで、これらのシステムで生成されるデータをクラウドに集約し、そこにAIを適用することで得られるインサイトを元システムや他のシステムで利活用する。このデジタルフィードバックループにより、イノベーションを起こすことこそ、マイクロソフトが考えるDXなのです」

そこでキーになるのが「AI」である。

  • マイクロソフトが考えるDX実現へのアプローチ

AIの台頭・AIがデファクトになった世界がすぐ目の前に   

半導体、アルゴリズム、クラウド。この3つが整ったことで、大きなパラダイムシフトが起きたと佐藤氏は言う。

それこそが、昨今話題になっているLLM(Large Language Model/大規模言語モデル)である。

LLMの代表的なサービスといえば言うまでもなくOpenAI社によるChatGPTだろう。実はマイクロソフトはOpenAI社に早くから大きな投資を行っており、両者の結びつきは非常に強固なものがある。

こうした背景もあり、マイクロソフトはOpenAIの技術を活用して自社の製品・サービスにAIを続々実装していく構えだ。

具体的には、Windows Copilotが9/26のWindows 11無償アップデートの一部に搭載され、Microsoft 365 Copilotも企業向けに11/1に提供開始が予定されている。なお、Copilotとは「副操縦士」という意味。あくまでも主役はエンドユーザーであり、AIは副操縦士としてサポートしてくれるイメージだという。

講演では、2つのサービスのデモンストレーションも行われた。たとえばWindows Copilotでは、Webサイトの内容を翻訳した上で要約したり、さらにリンク先のドキュメントまで把握した上で要約したりもしてくれる。また、要約に対して日本語で質問すれば的確な回答も得られる。大量の情報を短時間で把握したい場合などに役立つだろう。

続いてMicrosoft 365 Copilotだが、これはWordやPowerPoint、ExcelといったMicrosoft 365の各サービスで活用できるAIで、Microsoft 365ユーザーが追加購入できる。たとえばWordであればドキュメントを指定した上で提案書を書かせることができたり、PowerPointなら指定のWord文書をもとにプレゼン用のスライドを作成させたりできる。Excelであれば、数百万行のデータをCopilotに分析させ、傾向や特徴点の抽出などが行える。

ユニークなのはTeamsでのAI活用だ。たとえばTeamsで行われているオンライン会議に遅れて参加したとしよう。これまでであれば、話の流れがわからずになかなか話に加われないこともあっただろう。

しかし、Copilotの提供後は違う。仮にオンライン会議に遅れて参加しても、「会議で聞き逃した点を要約してください」とCopilotに指示すればいいのだ。そうすればCopilotが会議でどんな議論がなされ、どんな提案や決定が行われたのかを文脈を踏まえた上で教えてくれる。さらにオンライン会議終了後には、議事録まで書いてくれるというから驚きだ。

「Copilotはいわば、ユーザーのそばにいてくれる秘書のようなイメージです。CopilotがあればTeamsでのオンライン会議のエクスペリエンスが大きく向上することでしょう」

佐藤氏によると、Copilotはいずれマイクロソフトのすべての製品に実装されるだけでなく、プラグインを通して各社が独自のCopilotを開発できるようにもなるという。

すでに多くのISVメーカーがプラグインの開発を行っており、今後はそれらの製品・サービスがWindowsやMicrosoft 365で活用できるはずだ。

十数年前から始まったパブリッククラウドという革新からデジタルトランスフォーメーションが始まり、そして今「AIトランスフォーメーション」が始まるのである。

「AIがデファクトになった世界はすぐそこまで来ています。Microsoft 365のような業務アプリを使うなかで、自然とAIが働き方を支えてくれるようになるでしょう」

新しいWindows 11 ProはAIを駆動させるためのクラウドエンドポイントデバイスの役割に今後発展していく

一方、こうした働き方の変化の中で、企業が意識しなくてはならないのがセキュリティだ。むろん、マイクロソフトはその点にもいち早く対応している。クラウドエンドポイントデバイスといえるMicrosoft 11 Proは、Windows史上もっとも優れたセキュリティ性を有したOSだ。

Windows 11 Proはさらに、Teamsなどのコラボレーションツールとの連携も強化し、リモートワークに最適化。前OSであるWindows 10のアプリケーションとも高い互換性を持ち、シンプルかつパワフルなUXで社員の生産性と集中力の向上に貢献する。Windows 11 Proを搭載したモダンPC導入によるROIは実に250%にも達するという。佐藤氏も「まさにハイブリッドワークのためにデザインされたOS」と高く評価している。

  • Windows 11 Pro 導入が企業にもたらす効果

そんなWindows 11 Proが搭載されたマシンから一台選ぶとしたら、佐藤氏は「HP Dragonfly G4」を選択すると言う。

「HP Dragonfly G4は軽くて薄く、そしてパフォーマンスに優れたPCです。しかもAIノイズキャンセリング機能や高画質なWebカメラを搭載するなどハイブリッドワークのために最適化されており、セキュリティ面でも安心安全です」

HP Dragonfly G4は13.5インチでアスペクト比3:2の大画面ディスプレイを搭載しながら重量はわずか約1.0kg。360度全方位マイクやカメラの明るさ自動補正機能、音量自動調整機能、ノイズを学習して低減する機能、2台のカメラを同時に使用できる機能など、生産性向上につながる機能を多数備えた、まさにハイブリッドワークに革新をもたらすHPのフラッグシップノートPCなのだ。

そんなHP Dragonfly G4と併用したいのがPoly製品である。まずおすすめなのがPoly Voyager 4310/4320 UC。片耳をあけられるタイプのヘッドセットで、周囲の音を確認できるPoly Voyager 4310 UCと、周囲の雑音を遮断したいときに最適なPoly Voyager4320 UCと選択肢がある。インテルEvoプラットフォーム準拠PCの場合、ドングルなしで応答/切断/ミュート/ペアリングが簡単に行えるのが特長だ。

さらにPoly Studio ルームキットも見逃せない。これは会議室・オープンスペース向けのカメラ&音声デバイスで、マイクとの距離にかかわらず音声を同じボリュームに調整してくれる。また、カメラ使用時にはメンバーそれぞれに画面をフォーカスする機能を備えているため、大人数が参加する遠隔会議に最適といえる。

このほか、日本HPでは、知見のあるエンジニアが様々な角度から導入・運用をサポートする「HPプロフェッショナルサービス」や、セキュリティ・バイ・デザインの思想でOSの下・中・上の各層を保護するサービス、VPNを使用せずにデジタルワークスペースへセキュアにアクセスし作業できるリモートデスクトップ「HP Anyware」などを提供。また、査定不要で定額5,000円買い取りをしてくれる「PCリユースプログラム」なども展開している。

AIがデファクトスタンダードになっていくこれからの世界において、Microsoft 11 Proは機能面、セキュリティ面で不可欠な存在といえる。そんなMicrosoft 11 Proを最大限に生かすためにも、ハイブリッドワークに最適化されたPCや周辺機器を選ぶことが重要だ。

ハイブリッドワークのために生み出されたといっても過言ではない、HP Dragonfly G4やPoly Voyager 4310/4320 UC、Poly Studio ルームキットなどのHP製品を検討してみてはいかがだろうか。

[PR]提供:日本HP