ビジネスや教育、医療など、幅広い分野でデジタルテクノロジーによる変革、すなわちデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が急務となっている。AIやIoT、クラウドといった最新技術を使いこなすためには、製品やサービスの導入と合わせたICTインフラの整備が不可欠だ。特にネットワークの強化は最優先のミッションとなる。実際、ネットワーク周りがボトルネックとなり、期待してきた効果が得られていないケースも少なくない。

本稿では、ネットワーク機器・技術を中心に多様なICT製品・サービス・ソリューションをグローバルで展開しているH3C Japan Technologiesのジャパンカントリーマネージャー 皮 暁明 氏と、製品技術本部 本部長 陳 亮 氏に、コロナ禍や半導体不足などの影響を踏まえた日本におけるDXの現状、およびICTインフラ整備の現在地について話を伺った。

教育DX・医療DXを妨げる老朽化したネットワークインフラを、H3Cのソリューションで最新化

中国に本社を構えるH3C Technologiesは、日本においても20年以上にわたってビジネスを推進してきたICTのリーディングカンパニーだ。2016年には日本法人となるH3C Japan Technologies 合同会社を立ち上げ、ICT製品・サービス・ソリューションの提供を本格化させた。「より良い生活のためにデジタルの未来を形作る」というビジョンを掲げ、グローバルで培った実績を活かして日本社会のデジタル化に貢献している。

同社は、中国でトップクラスのデジタルソリューションベンダーであり、さまざまな業界・業種向けのソリューションをグローバルに展開してきた。日本においても、ネットワーク製品を中心にICTインフラをワンストップソリューションとして提供。製造・金融・建築・サービス・官公庁、教育、医療と、幅広い領域のDX実現を支援している。

アプリケーションやサービスのクラウド化が進む現在、最新のテクノロジーを用いた製品・サービスを活用するためには、ネットワークインフラの見直しはあらゆる分野で喫緊の課題といえる。特に日本においては、20年前に構築した10GbEのバックボーンのままICT環境を運用していることが多く、デジタル化による恩恵を受けられていない企業・自治体・学校・病院もめずらしくない。さらに近年では、新型コロナウイルス感染症の拡大、いわゆる”コロナ禍”に伴う世界的な半導体不足の影響により、インフラ整備に遅れが生じるケースも増えつづけている。こうしたICTインフラの現状について、H3C Japan Technologiesの皮 暁明(ピ シャオミン) 氏は次のように語る。

H3C Japan Technologies バイスプレジデント ジャパンカントリーマネージャー  皮 暁明(ピ シャオミン) 氏

H3C Japan Technologies バイスプレジデント ジャパンカントリーマネージャー 皮 暁明(ピ シャオミン) 氏

「半導体不足による納期の遅れは、さまざまな業界のICTインフラ運用に問題を引き起こしました。機器が入ってこないので、リプレース時期なのにインフラの更新ができなかったり、新たなサービスを立ち上げるためのインフラ強化が遅れたりと、事業の推進に深刻な影響を与えています。さらに製品価格の高騰により、予算内に収まらずインフラ整備が進められてないといったケースも増えてきました」(皮 氏)

こうした状況のなか、製品供給力を維持し、ICTインフラの整備が必要な企業を全力でサポートしたのがH3C Japan Technologiesだ。多数の工場を持ち、半導体の調達手段も確保していた同社は、他のベンダーが製品調達に苦労するなか、リーズナブルな価格で日本の企業・団体のニーズに応えるためパートナー企業と協力して、あらゆる分野のICTインフラ強化に携わってきた。皮 氏は、特に注力している分野として、パブリック(官公庁)、スマートファクトリー、オフィスソリューション、教育、医療の5つを挙げる。

「近年では、特に教育、医療の分野への展開に注力しています。私たちは20年前から日本でビジネスを提案していますが、当時のネットワークでは10Gのバックボーンが主流でした。今では40G、100Gも当たり前のものとなり、400Gのバックボーンもめずらしくありません。2023年6月に開催されたInterop Tokyo 2023で当社が出展したのは800Gのスイッチ製品で、20年前と比べて80倍も高速になっています。ところが日本の大学や教育機関では、ネットワークの利用が拡大しているにもかかわらず、いまだに10Gのバックボーンでインフラを運用しているケースが多いのが現状です。データセンターのバックボーンが100Gなのに、校内・院内のネットワークが10Gではうまく接続ができません。H3Cでは、こうした課題を持つ学校や医療機関に積極的にアプローチし、教育DXや医療DXをインフラ面から支援したいと考えています」(皮 氏)

H3Cでは各業界向けのソリューションをグローバルで展開しており、日本市場でも単に機器を売るのではなく、企業のニーズに合わせたソリューションとしてワンストップで提供している。後述するが導入後のサポート体制も充実しており、チャットや電話のみでのサポートへ変換する企業が多い中、実際に現場へ向かいオンサイトでサポートする体制が整っているため導入した企業からの評価は高い。教育・医療分野においても同様で、昨今では循環器科の病院におけるデジタルヘルスケアプラットフォームの構築をはじめ、Wi-Fiネットワークを構築して、心身に障害を持つ子どもの遠隔授業への参加を実現した療養センターや最新のWi-Fi 7製品を導入して500台のデバイスが同時接続できる環境を構築した私立大学など、H3Cのソリューションを採用して成果を得ている学校・病院は増加傾向にある。

最先端のネットワーク製品だけでなく、DXを実現するための製品・サービスを幅広くラインナップ

H3C Japan Technologies 製品技術本部 本部長を務める陳 亮(チン リョウ) 氏

H3C Japan Technologies 製品技術本部 本部長を務める陳 亮(チン リョウ) 氏

前述のとおり、H3Cはインターネットテクノロジーの最新技術やソリューションが展示されるイベント「Interop Tokyo 2023」に参加し、最新の製品・サービスを展示した。H3C Japan Technologiesで製品技術本部 本部長を務める陳 亮(チン リョウ) 氏は、本イベントに出展した製品・サービスについて次のように説明する。

「Interop Tokyo 2023では、H3Cの持つ高度なデジタル技術を投入した最新の製品・ソリューションを多数展示しました。世界初となるデータセンター向けの800Gスイッチをはじめ、Wi-Fi 7アクセスポイント、安定性と高性能、セキュリティを担保した400Gのセキュリティスイッチ製品、さらには学校・病院など大規模構内向けのネットワークソリューションや製造業向けのスマートファクトリーソリューションなど、各種業界向けのソリューションも取り揃えています」(陳 氏)

さらに学校向けのプロダクトとしては、8K対応のインタラクティブディスプレイである「Magic Hub」もリリースしている。「現在のディスプレイは4K解像度が主流ですが、Magic Hubは8Kの高精細表示に対応しています。教育DXを推進するうえで活用できる製品だと考えており、実際に当社のネットワークソリューションを採用いただいた薬科大学にMagic Hubを寄贈したところ、医療用の高精細映像を遅延なく確認できるようになったと高く評価いただいています」と皮 氏。ネットワーク製品だけにとどまらず、整備したICTインフラを活かすための製品も提供していきたいと力を込める。

  • 8K対応のインタラクティブディスプレイ「H3C Magic Hub 8K」(プロモーション動画より)

    8K対応のインタラクティブディスプレイ「H3C Magic Hub 8K」(プロモーション動画より)

「たとえば100G・400GのバックボーンとWi-Fi 7、さらにMagic Hubのようなデバイスを組み合わせることで、今までにないユーザー体験を提供できます。さらに、クラウド管理のプラットフォームで遠隔でのネットワークも実現できるため、管理者の負荷も軽減されます。調達力にも自信があり、OTTの映像配信サービス事業者のサーバー・ストレージ・ネットワークを短期間で導入した実績もあります」(皮 氏)

さらにサポート体制が充実していることも、H3Cの大きな強みの1つとなる。日本国内にも高いスキルを持つエンジニアを多数擁しており、導入先でトラブルが発生した際にはオンサイトで対応。迅速に現場に赴き、原因の特定から問題の解消までを実行する。「1日でも1時間でも早くトラブルを解消し、お客様のビジネスを止めないというスタンスでサポート体制を構築しています」と皮 氏は語り、こうしたスタンスが顧客の満足度に繋がっていると手応えを口にする。

日本市場に最適化した製品・サービスの提供も視野に入れ、ICTのトップベンダーを目指す

最新の技術が惜しみなく投入されたデジタルソリューションをワンストップで提供するH3Cは、ICTインフラの整備を軸にDXを推進したい企業にとって見逃せない選択肢といえる。同社では、今後も日本市場でのビジネスを拡大していく予定で、グローバルで展開しているソリューションだけでなく、日本市場に最適化した製品・サービスの開発も進めていくという。

「ICT業界の新たな参入者として、これからも日本のお客様に新しいユーザー体験を提供し続け、数年後には日本においてもデジタルソリューションベンダーのリーダー企業になりたいと考えています。既存のICTインフラを見直し、AI、IoT、クラウドといった先進技術の活用を加速していきたいと考えている企業様や教育・医療分野の方は、ぜひ私たちに相談いただければと思います」(皮 氏)

ネットワークソリューションを軸に、日本社会のデジタル化を支援するH3Cの取り組みには、今後も注視していく必要がありそうだ。

関連リンク

■H3C Japan Technologiesホームページ
■H3C Magic Hub 8Kの詳細については こちら

[PR]提供:H3C Japan Technologies