日本全国の中小企業は、人手不足やコスト削減、業務効率化、売上拡大に企業価値向上などさまざまな課題を抱えている。こうした課題の多くは、ICTサービスを効果的に活用することで解決につながる可能性がある。しかし、伝統的な企業やスタートアップ企業など多種多様な企業があり、取り巻く環境もそれぞれ異なる。本記事では、中小企業を始めとしあらゆる企業の課題解決をサポートするNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の取り組みに着目した。
“中小企業の懐刀”を目指す「ドコモビジネス」
NTTドコモとNTT Com、NTTコムウェアの3社は、ドコモグループとして統合した法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開している。NTT Comは「中小企業の懐刀といえばドコモビジネス」というビジョンのもと、同ブランドを通じて顧客がワークスタイル変革を簡単かつ手軽に始められるようにすることをミッションに掲げる。
中小企業経営者からは「従業員のワークスタイルを最適化し、デジタル化を推進して業務効率化を図りたい」と考える一方、コストやセキュリティ、導入に至る手間などの課題に直面し、取り組みがなかなか進まない悩みが多く聞かれる。これを受け、ドコモグループが企業規模問わず、さまざまな企業にとって身近で頼りになる存在となり、課題解決に役立ちたいとの思いが、同ビジョンの背景にある。少人数からでも使える新サービスや、分からないことを気軽に相談できる体制を提供することで、常に適度な距離感を保ちつつ、いざというときは顧客に寄り添い、課題解決まで親身になってサポートすることを目指している。
ICT導入をゼロから相談できる「ドコモビジネスオンラインショップ」
NTT Comではこの法人事業ブランド「ドコモビジネス」のもと、NTTドコモが強みとする「モバイル事業」とNTT Comが強みとする「法人向けソリューション事業」を統合し、あらゆる企業規模のお客様が抱えるニーズに応え、ビジネスのDX推進に貢献していきたいと考えている。そこで2023年7月1日にオープンしたのが、「ドコモビジネスオンラインショップ」(以下、本ショップ)だ。
立ち上げの経緯について、デジタルマーケティング部 マーケティング部門 第三グループの担当部長、黒田圭氏は次のように語る。
「お客様からは、モバイルやICTを活用して人手不足・業務効率化・生産性向上・売上拡大といった課題を解決したいものの、サービス選定や購入検討は相談しながら進めたいとの声が多く寄せられます。特に中小企業の場合、事業規模やロケーションが多岐にわたり、その数も非常に多いため、すべての企業をカバーするのは難しいという事情がありました。つまりこれまでお客様にとっては、気軽に相談できる相手がいなかったということです」
企業によって業種業態や環境、課題のレベル感が多様であるだけでなく、従業員のICTに関する知識やスキルもさまざまだ。だからこそ、「このサービスを導入したい」と明確に決めている企業もある一方、具体的にどのようなサービスを導入すればいいのか分からないという企業も少なくない。また、サービスの比較検討にもノウハウは必要だ。そのため本ショップでは、従来のECサイトとしての機能だけでなく、電話やチャット、さらにはオンラインで相談できる機能も用意し、サービス申し込み手続きまで含めてサポートする体制を整える。
「営業担当者のように身近な存在として長く頼っていただき、気軽にご相談いただけるショップにしたいという思いがあります」(黒田氏)
ドコモビジネスオンラインショップのサイトイメージ(URL:https://onlineshop.docomobusiness.ntt.com/)
本ショップは、一言でいうなら法人専用のオンラインキャリアショップだ。あらゆる企業規模の法人顧客に対し、ビジネスのさまざまなシーンにおいて最適に活用できるスマートフォン端末やモバイル通信サービスを用意している。また、端末の初期設定に不安がある場合は事業所やオフィスにスタッフが直接訪問し、設定サポートや利用にあたっての説明を行うサービスも有償で申し込める。
ビジネスでのスマホ利用については、セキュリティや端末管理の不安の声をよく耳にする。本ショップは端末と通信回線にセキュリティサービスを加えた「ビジネスマホパック」を提供しており、課題解決に適したサービスを申し込むことも可能だ。
こうした機能に加えて、前述の通りオンライン相談が用意されたが、デジタルマーケティング部 マーケティング部門 第三グループ 担当課長の生山亜希子氏はこう話す。
「実は、ドコモショップでもオンライン相談を今年度から本格的に行っています。今回の取り組みはそれと呼応する動きで、今後はドコモショップから法人のお客様を送客する連携もより丁寧に図っていきます。またドコモショップ店頭においても、店頭設置の接客端末から本ショップのオンライン相談にご相談いただける連携をすでに開始しております。つまり、本ショップとしてはリアル店舗からのオンライン相談をすでに受け付けているところに、今回新たにWebサイトの相談入り口を新規に設けたという意味もあります」さらに生山氏は、UI設計に際し、「お客様にとってわかりやすい表現を用いて、直感的に操作しやすいUIを目指しています」とも語る。
グループには、法人向けICTサービスを提供する「ICT Business Mall」、法人向けSaaSを提供する「ビジネスdXストア」という2つのオンライン販売サイトがある。今回、本ショップをオープンしたことで相談窓口を広げたが、2023年中に両サイトを本ショップへ統合し、OCNなどのネットワークサービス、サポートサービス、アプリサービスなども集約することで、法人向け対応をワンストップで行えるショップに成長させていく予定だ。
「オンラインでの対面相談を含めて相談方法を豊富に揃えることで、日本全国のお客様にとって快適かつ気軽に相談できる環境をこれからも引き続き充実させ、お困りごとを解決できる身近なパートナーでありたいと思っています」と黒田氏。
オフィス固定電話の新たな可能性を提示するワイヤレス&モバイルサービス
近年、コロナ禍や働き方改革のニーズによってテレワークが常態化してきたほか、自然災害やシステム障害に対するBCP(事業継続計画)の必要性も高まってきた。こうした事情を背景に、モバイルと固定回線を融合したハイブリッドなコミュニケーション環境の実現が、企業DXや社員のワークスタイル変革においても重要になってきている。
この状況でネックとなるのが固定回線だ。コミュニケーション&アプリケーションサービス部 第一サービス部門の髙田菜美子氏がこう解説する。
「オフィスの電話を受信もしくはオフィス電話から発信するため、わざわざ会社に行かなければならないとすると、パンデミックのような事態や自然災害、交通トラブルが発生した場合や在宅勤務をしている場合、受発信の対応は困難になります」
さらに同部門の村上芙美香氏もこう指摘する。
「ビジネスでは東京03や大阪06といった市外局番の付いた0ABJ番号は現在も重要ですし、事業が根付く地域の番号を大切にされる会社も多くあります。また、個人の携帯番号が通知されることに抵抗を覚えるという声もよく聞きます」
多くの店舗や事業所を抱える企業にとって固定回線は、店舗の開廃業の度に回線工事や配線手配の費用がかかるだけでなく、事業のスピードアップや効率化のハードルにもなる。また、自由なレイアウト設定ができないという問題もあるだろう。
こうした課題に対し、NTT Comでは店舗や事業所の固定電話機/FAXを利用できる「Arcstar IP Voiceワイヤレス」(以下、IPVワイヤレス)と、携帯電話1台から固定電話番号を利用できる「モバイル オフィス番号セット」を提供している。
IPVワイヤレスは、固定電話回線を敷設することなく、固定電話機で0ABJ番号を利用できるサービスだ。髙田氏はその特徴及び顧客メリットとして以下の4点を挙げる。
「1点目は、従来は各拠点・各店舗に都度固定回線を設置する手間と費用が必要だったのですが、それを削減できます。固定回線を敷設するには工事調整から開通まで時間も必要なので、それをなくせるメリットもあります。2つ目は、NTT ComのIP電話サービスを契約する拠点間通話が無料になるのに加え、NTTドコモの法人携帯への定額通話などによりお得な料金体系を実現します。
3つ目はアナログ固定電話機やアナログ回線を利用したFAXも含め、現在ご利用中の端末をそのまま利用でき、番号ポータビリティ対応により既存の番号を継続利用できる点です。そして最後は、会社の代表番号や着信電話の転送、着信時に発信者の電話番号が着信側に表示される発信電話番号受信など、法人向けの固定電話に求められる役割も遜色なく担っていることです」
一方のモバイル オフィス番号セットは、従来なら固定電話番号を利用するにはオフィスに電話回線を用意する必要があったが、スマホ・携帯電話によってそれを不要にするサービスだ。村上氏はメリットを4つ挙げこう説明する。
「1点目は、オフィスの電話番号をお手持ちのスマホ・携帯電話で利用できる点です。こちらも番号ポータビリティに対応し、利用中の電話番号を継続利用できます。2点目は、IPVワイヤレスと同じく回線工事不要で簡単導入できる点です。
3つ目は、固定回線の新設費用が不要で、1回線当たり月額880円(税込)からの低価格で利用できるので、コスト面のメリットも大きいこと。そして4つ目は、国内のどの携帯電話キャリアでも利用できる点です。ドコモ携帯であれば着信時にかかる転送通話料が無料になるなど、ドコモならではのメリットも享受できます」
では具体的に、両サービスはどういったユースケースで強みを発揮するのか。
IPVワイヤレスについて、開廃の多い小規模拠点におけるケースがある。店舗開廃の都度、開通日程の調整や立ち会いが負担になるが、IPVワイヤレスならそれらを大きく軽減できる。また、テナント位置やレイアウト変更が多い事務所、工場、郊外型モールなども、固定電話回線を手配することなく、サイズが小さな本サービスを持ち運ぶだけで自由に固定電話を使えるようになる。そのほか、テレワーク導入後のオフィス縮小に際して代表番号は残しておきたいケース、FAXを残しておきたいケースでも便利に活用できる。
モバイル オフィス番号セットは、少人数で運営している店舗・事業所で外出中にオフィスにかかってきた電話に出られず、機会損失になるようなケースで、外出先でもスマホでオフィスの電話を受けたり、オフィスの番号から発信できたりするのはメリットだ。台風、大雪といった悪天候で出社が困難なときでもオフィス電話を利用したい場合、自宅でスマホからオフィスの電話を使えるのは大きい。
電話は今も広く利用されるインフラだが、時代が変わり、固定電話回線の存在がネックとなるケースも出てきた。「DXといってもどこから手を着けていいのか分からない場合は、まず電話から取り掛かるのが簡単です。効果も見込めるので、ぜひご検討ください」と髙田氏、村上氏は強調する。
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NTT Comは「ドコモビジネス」というブランドを通じて、業務効率改善やワークスタイル変革の推進など、あらゆる規模の企業のDXに一層貢献していく考えだ。同社の今後のサービス展開や取り組みに大いに期待したい。
関連リンク
●ドコモビジネスオンラインショップ
https://onlineshop.docomobusiness.ntt.com/
●Arcstar IP Voiceワイヤレス
https://www.ntt.com/business/services/voice-video/voip/ipvoice/wireless.html
●モバイル オフィス番号セット
https://www.ntt.com/business/services/mobile-office-number-set.html
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