Google Cloud・Google Workspace 専業インテグレータであるG-genでは、Google 製のノーコードツールである AppSheet の提供や、内製化のご支援を行っています。当記事では、AppSheet を中心として、ローコード・ノーコード開発ツールの観点でサイボウズ社の kintone や Microsoft 社の Power Apps と比較しました。

  • パソコンのイラスト

AppSheetのご紹介

AppSheet とは

AppSheet は Google が提供するノーコード開発ツールです。「ノーコード開発ツール」はローコード開発ツールとは異なりプログラミングの知識が不要なため、エンジニアのような専門知識を持つ人に利用が限定されず、誰でもアプリケーションを開発して業務効率化を図ることができます。

特長

  • 多様なデータソースとの連携
  • Google のサービスはもちろんのこと、Microsoft Excel や MySQL 、Salesforce などと連携できます。既に利用しているデータソースを活用できるので新たにデータソースを作成する必要がありません。
  • 豊富な業務アプリケーションテンプレート
  • 在庫管理、稟議申請、CRM など60種類以上のテンプレートがあり、このテンプレートを基にすることでアプリを素早く作成することができます。
  • Google Workspace に付帯
  • 2023年6月現在、グループウェア製品である Google Workspace の Enterprise Plus エディションには、AppSheetの Core プランが付帯されています。 ※今後付帯されるプランは変更される可能性があります。

価格

プラン Starter Core Enterprise Standard Enterprise Plus
価格(月額) $5 $10 要問い合わせ 要問い合わせ
概要 ・基本的なアプリケーションの作成

・SpreadSheetとの連携や様々なファイルストレージサービスとの連携
・バーコードスキャン、NFCをはじめとした様々な機能を利用可能なアプリケーションの作成
・ロールやグループ等を利用した管理
・SpreadSheetとの連携や様々なファイルストレージサービスとの連携
・バーコードスキャン、NFCをはじめとした様々な機能を利用可能なアプリケーションの作成
・ロールやグループ等を利用した管理
・SpreadSheetとの連携や様々なファイルストレージサービスとの連携
・OCRやMLを利用可能
・BigQueryとの連携
・バーコードスキャン、NFCをはじめとした様々な機能を利用可能なアプリケーションの作成
・ロールやグループ等を利用した管理
・SpreadSheetとの連携や様々なファイルストレージサービスとの連携
・OCRやMLを利用可能
・BigQueryとの連携
・ガバナンス設定
・Google AIやO Dataの利用

上記の表には記載していませんが、AppSheet には無料版ライセンスも存在します。無料版ではAutomation でのメール送信などの一部機能やユーザー数に制限がありますが、ほとんどの機能が使えますので、使用感を確かめるには最適です。

Appsheet の特徴、機能、価格などの詳細については以下の記事に詳細をまとめていますのでぜひご覧ください。

AppSheet の詳細はこちら

ノーコード開発プラットフォームの AppSheet に注目! | TECH+(テックプラス)

他の主なノーコード / ローコード開発ツール

Power Apps

Power Appsとは
Power Apps は Microsoft が提供するローコード開発ツールです。Power Platform と呼ばれる業務アプリケーション開発のプラットフォームに内包され、開発言語を用いることなくWebアプリケーションの作成が可能なサービスです。

特長
Microsoft が提供する各種サービスとの連携が容易
Power Apps は、ダッシュボード作成ツールの Power BI やパブリッククラウドサービスの Azure 等、Microsoft が提供する様々なサービスとの連携が可能です。 また Power Apps を利用するためのID管理は Microsoft アカウントを利用するため、すでに Office 365 を利用しているユーザーはそのアカウントで Power Apps を使い始めることができます。

PowerPointやExcelと同じ使い勝手で操作可能
Power Apps は、Power Point やExcel を操作するようにWebアプリケーションを作成することが可能です。慣れ親しんだ使い勝手で利用を開始することが可能です。

2種類のアプリ作成方法

Power Apps には2種類のアプリ作成方法があります。

  1. キャンバスアプリ
  2. ・コードをほとんど書くことなく、GUIベースでWebアプリケーションを作成することが可能
  3. モデル駆動型アプリ
  4. ・データ管理 / 集計に特化したアプリ作成モード
    ・大量のデータに対して入力、編集、検索等を行いたいアプリを作成する場合に適する
    ・データソースとして利用できるのは Microsoft が提供する Dataverse のみ。Excel や他のRDBをデータソースとして指定できない

価格

サブスクリプション プラン 従量課金プラン
アプリごとのプラン
Microsoft 365
Office 365
アプリごとのプラン ユーザーごとのプラン
価格(月額) \630/1ユーザー1アプリ \2,500/1ユーザー 1,250/1ユーザー1アプリ Microsoft 365 / Office 365 の料金のみ
アプリ数 1 無制限 1 無制限
各種外部データとの接続
Dataverse の利用
モデル駆動型アプリの作成
×
Dataverse
DB容量
50MB 250MB 1GB ×
(Dataverse 利用不可)
Dataverse
ファイル容量
400MB 2GB 1GB ×
(Dataverse 利用不可)

コースを選定する基準は、アプリの作成数とユーザー数です。作成したいアプリが少ない場合はアプリごとのプラン、多い場合はユーザーごとのプランになります。また、すでに Microsoft 365 を利用している場合は Microsoft の料金で利用開始が出来ますが、利用できる機能に制限があります。

kintone

kintoneとは
kintone (キントーン)は、サイボウズが提供する、ノーコード・ローコード開発ツールです。一部JavaScriptカスタマイズによるプログラミングが必要になりますが、基本的にはノーコードで様々なアプリケーションの開発が可能です。テンプレートが豊富で100種類以上が用意されており、業務別、業種別、利用シーン別で検索して、テンプレートに沿ってアプリを作成することができます。アプリをテンプレートから作成する方法以外にも、Excelや csv ファイルを読み込んで作成するなどの方法があります。

特長
直感的な操作でアプリを作成
国産ツールであり、UIが親しみやすいことが特徴です。導入チームは20,000以上あり実績が豊富なため、ナレッジが多く情報収集が容易になっていることから、学習コストや開発スキルが少なくてもアプリケーションの実装が可能です。操作感もドラッグ&ドロップでパーツを組み合わせていくだけでアプリケーションの作成が可能であることから、導入担当者の93%が非IT部門とされています。

データの一元管理が可能
kintone で作成したアプリケーションはインターネット上で共有することができるため、複数人で作業を行うことが可能です。データベースも kintone に持たせることができ、複数に分散しているデータを一元管理することができます。アクセス権は、部署ごとやプロジェクトごとなど、スペースで公開範囲や参加メンバーを選ぶことができます。またスペース上で掲示板を作成できるので、Wiki のように情報の蓄積が可能です。

蓄積したデータを活用できる
アプリで入力した情報をグラフ化が可能なレポート機能や、データベースを条件ごとに絞り込みができる機能があり、蓄積したデータを kintone 上で分析、活用することができま

価格

バージョン スタンダードコース ライトコース
価格(月額) ×
アプリ数 1,000個まで 200個まで
スペース数 500個まで 100個まで
ディスク数 5GB×ユーザー数
サポート メール、電話によるサポート
月~金 9:00~12:00、13:00~17:30(祝日、年末年始は除く)
言語設定 4言語対応(日・英・蘭・繁)

外部サービスとの連携や拡張機能を利用したいのであればスタンダードコース、必要なければ、ライトコースといった棲み分けが考えられます。

選び方のポイント

対応データソース

例えば「現在利用している RDB (リレーショナルデータベース) を参照してWebアプリケーションを作りたい」場合、利用し始めるノーコードツールがその RDB に対応していなければ実現することができません。選定しようとしているノーコードツールが,、利用したいデータソースに対応しているかどうかを確認する必要があります。

これまで紹介した3つのサービスのデータソースは以下の通りです。

Power Apps
キャンバスアプリの場合
・Excel、SharePoint 等各種 Microsoft 製品
・Oracle、SQL Server 等各種 RDB
・別途 Power Automate の設定でカスタムコネクタが利用可能
モデル駆動型の場合
・Dataverse のみ

kintones
組み込みデータベースのみ

AppSheet
・組み込みデータベース
・Google スプレッドシート (Google Sheets)
・Microsoft Excel
・BigQuery
・SQL Server、PostgreSQL、Oracle Database など各種 RDB

アプリ作成者の特性

ノーコードアプリツールと一言に言っても、アプリ作成画面 (UI/UX、開発者体験) や利用できる機能はそれぞれのツールで異なります。そのため、アプリを作成するユーザーのITスキルやこれまで触ってきたITツールによっても向き・不向きがあります。

これまで紹介した3つのサービスの、開発者向けの使い勝手は以下の通りです。

Power Apps
・Excel ライクに利用可能
・他の Microsoft Office 製品との連携が豊富

kintone
・ドラッグアンドドロップでアプリ作成が可能
・複雑な機能はコーディングによるAPI連携が必要

AppSheet
・「データ管理」「アプリ画面管理」のように機能ごとに論理的に設定を行うと、アプリ画面が自動生成される

AppSheet をおすすめする理由

G-gen ではノーコード開発ツールとして AppSheet を推奨しています。理由は、以下の通りです。

ビジネスユーザー向け
ITを用いた業務改善をするためには特定のスキルを持ったエンジニアだけでなく、ビジネスユーザーが自ら課題解決に向けて活動をすることが重要です。従来、アプリケーション開発はプログラミングスキルが必要で非常に時間がかかるものでした。AppSheet では完全ノーコードで様々なデータと連携をさせてアプリを作成することができるため、幅広いユーザーが自由にアプリケーションを開発しデプロイすることができます。

多様なデータソース
AppSheet では今あるデータからアプリケーションを開発できます。Google 製品であるスプレッドシートや BigQuery との連携はもちろん、Google 製品以外の様々なデータベースとの連携が可能ですので、幅広い既存環境に応じたアプリケーション開発が可能です。

Google 製品との連携性
企業においてデータは重要な資産です。そのデータがバラバラになっていては最大限にデータを活かすことができません。AppSheet を使用することで、データ分析に必要なデータの蓄積、処理、可視化の一連の流れを Google 製品だけで実現することができ、データを最大限に活用することができます。

事例

弊社がご支援した風月フーズ株式会社様の事例をご紹介します。 風月フーズ株式会社様では棚卸業務や廃棄集計アプリ、経費登録・集計アプリなどを AppSheet で開発しました。ビジネスユーザーが自ら手を動かして業務改善を行った事例となっております。

風月フーズ株式会社様の事例詳細はこちら

風月フーズ株式会社 様 組織改革を可能にしたGoogle Workspace活用事例

さいごに

ノーコード開発ツールはプログラミングの知識がなくてもアプリケーション開発ができる非常に便利なツールです。IT人材が不足する中でノーコード開発ツールを利用し、現場主導での業務改善を行う企業は増えてきています。

本記事でも取り上げましたが、選定のポイントとしては「開発するユーザーのスキル」「連携するデータソース」「コスト」などの観点があります。近年、ノーコード開発ツールは注目度が高まってきております。自社のニーズにあったノーコード開発ツールを選定し、効果的に活用していきましょう。

現場主導でDXに取り組みたい、人手不足を補うためIT化で作業の効率化を図りたい、意思決定のスピード化を図りたいといった経営課題はどの業種・業態の企業においても共通です。そのための課題の解決ツールとしてG-genはAppSheetを推奨しており、AppSheetを活用するお客様への伴走支援を「AppSheet スターターパック」として提供しています。当記事をご覧になり、AppSheetにご興味をお持ちになった方は、お気軽にお問い合わせください。

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