AppSheetとは

AppSheet はプログラミングの知識なしでアプリを作成できる、Google のノーコードアプリ開発プラットフォームになります。ノーコードアプリ開発プラットフォームの為、誰でも簡単に業務アプリを作ることができます。AppSheet にある特徴を2つピックアップしました。

多種多様なデータソースとの連携

AppSheet は、取り込めるデータソースとしてGoogle が提供するサービス以外にも Microsoft Excel 、MySQL、Salesforce など多種多様なデータソースとの連携が可能です。既に利用しているデータソースを活用できる事で新たにデータソースを作成する手間を省くことができ、開発の時間を大幅に短縮することが可能です。

豊富なテンプレート機能

他のノーコードアプリと比べ、業務用アプリのテンプレートが非常に豊富です。それらを利用して業務に必要なアプリを圧倒的スピードで作成することが可能です。在庫管理、稟議申請、CRMなど60種類以上のテンプレートが用意されております。

  • AppSheetテンプレート

    AppSheetテンプレート

AppSheetのサービス

Googleの他のサービスとの連携

ノーコードは『データが肝』です。AppSheet では Google が提供する Google Workspace などと連携ができます。また、Microsoft の Excel やCSVファイル、クラウド上にあるクラウドストレージなどとも連携ができます。下記は主な連携可能一覧です。

  • Google Workspace
  • Google スプレッドシート
  • Google フォーム
  • Google ドライブ
  • Google ドキュメント
  • Google カレンダー
  • Google Meet
  • Gmail(Outlook/その他のメールサービスは不可)
  • Google Cloud
  • BigQuery
  • Apigee
  • Google Cloud Storage

Microsoftのサービス

  • Excel

他のサービス

  • CSVファイル
  • クラウド上のSQLサーバー
  • Dropbox

AppSheetの価格

  • AppSheetの価格

    AppSheetの価格

AppSheet フリープランは無料でアプリを開発することができる一方で、次のようなデメリットがあります。

  • Automationでのメール送信など一部機能が制限される
  • アプリをビジネス用で使用できない

業務アプリの開発を進めるのであれば、有料プランでの利用が必要になります。

有料プランにはStarter、Core、Enterprise Standard、Enterprise Plusの4種類があります。各プランの特徴は次の通りです。

・Starter
価格は1ユーザーあたり月額$5です。基本的なアプリケーションの作成、スプレッドシートとの連携や様々なファイルストレージサービスとの連携が可能です。パートナー経由での販売は不可のため、ご注意ください。

・Core
価格は1ユーザーあたり月額$10です。バーコードスキャン、NFCをはじめとした様々な機能を利用可能なアプリの作成ができます。また、ロールやグループ等を利用した管理、高度なセキュリティを設定することが可能です。

・Enterprise Standard
価格は要問い合わせです。前述のCoreでできることの他に、OCRやMLを利用可能、BLツールのBigQueryとの連携が可能になります。

・Enterprise Plus
こちらの価格も要問い合わせです。Enterprise Standardに比べ、ガバナンス設定/Google AIやO Dataの利用が可能です。

AppSheetの長所、短所

長所

1. 段違いな速さで開発
スプレッドシート上にあるデータをアプリ上で表示、編集、更新などを行うだけのアプリであれば数クリックで開発することが可能です。

2. サービス連携
前述で触れた多くのサービスと連携できます。有料版であれば、さらに多くのサービスに連携できます。

3. 単純作業の自動化
「AppSheet Autometion」を利用すれば、単純作業の自動化ができます。稟議承認や報告書のメール送信を自動化すれば、作成時間削減が可能です。

短所

1. ゲームのようなアプリは作れない
フレキシブルな処理が必要となるもの、例えばゲームのような入り組んだものは作れません。また、データベースを使う場合、連携対象外であったら連携可能なサービスに置換して連携する必要があります。

2. 別ノーコードアプリへ移行は不可
別会社のノーコードアプリにAppSheetで作成したアプリを移行することはできません。これは AppSheet に限った話ではありません。

3. 日本語非対応
AppSheet は日本語非対応です。英語での提供のため言語の壁が立ちふさがります。

4. ノーコードでもノー勉では難しい
ノーコードアプリ開発でも学習は必要です。データベースについての基礎知識や扱うスキル、AppSheet 関数の把握が主な範囲です。これを疎かにすると、挫折する可能性があります。

類似サービスとの比較

OutSystems

Gartner社の調査でもローコード開発分野でリーダーの一社に位置づけされています。動作環境はクラウド、オンプレミスでも動作可能。AIを活用した自動化機能を持つが、AppSheet と比べると年間ライセンス料が高い傾向にあります。

Microsoft Power Apps

Microsoft が提供しているローコード開発ツールです。やはり Microsoft だけに Teams などの他 Microsoft ツールとの連携が強力です。

Kintone

サイボウズが提供しているノーコード開発ツールです。日本語対応という点が一番の違いです。基にするデータベースはCSVダウンロードのため、AppSheet と比べるとシームレスな連携が不得意です。例えば複数のアプリで値の連動をする際、手動もしくは作り込みが必要です。

SOVA

インド発日本育ちのノーコード開発ツールです。AppSheet とは異なる料金体系で、従量課金制でユーザーが増えてもコスパが高い点が期待されています。AWS などの連携インフラ構築やスケーリング管理も可能です。デバック・テスト機能があるので、高効率な開発が可能です。コミュニティは少ないですが、今後日本マーケットに力を入れていく企業ですので注目株として触れております。

業種別想定ケース、事例

製造

在庫管理
AppSheetにはQRコードやバーコードを読み取るスキャン機能があります。入庫、出庫、棚卸記録でQRコードやバーコードで品目をスキャンし、在庫量を研鑽することが可能です。在庫量は品目別にCSV形式でエクスポートできます。紙とエクセルで二度手間だった工数(残業)削減が望めるので、働き方改革にうってつけです。

全業種

稟議申請
Gmail/Slackなどと連携し、アプリより申請→Automation(自動化)で承認者は連携先より稟議を承認/否決することが可能です。人海戦術での紙媒体回覧がなくなり、スムーズな稟議処理が可能です。

勤怠
AppSheetアプリ上にあるアクションボタンを活用する形でシンプルな勤怠管理であれば比較的簡単に作成できますが、残業の自動計算や、在宅/出社の出勤ステータス、上司への終業自動報告、Slack連携など拘って機能拡張すると難易度は高くなります。

まとめ

もともとエンジニアではない営業マンでもアプリを作成できる AppSheet は、人材/リソースが限られた現代の日本で内製化/DX推進を推し進めるツールになりえます。サブスクリプションで他社SaaSを使っている企業も、AppSheet での代替えアプリを使用することでランニングコストの削減が期待できます。

本記事の執筆にあたり、自身でも簡易的な稟議申請アプリを開発しましたが、1時間もかからず開発できました。正常に機能するかテストすることが可能なので、エラーが出ても直ぐに修正できる点も助かります。

今のところ、コミュニティは少ないですがAppSheet の今後には大いに期待します。

G-genのサポート

現場主導にてDX推進に取り組みたい、人手不足を補うためIT化で作業の効率化を図りたい、意思決定のスピード化を図りたいといった経営課題はどの業種・業態の企業においても取り組まなければいけない事かと思われます。そのような課題の解決ツールとしてG-genはAppSheetでのIT化の伴走支援を行いお客様に寄り添ったビジネスパートナーを目指しております。

AppSheetスターターパック
全てのお客様が簡単に AppSheet を利用してアプリケーションの開発が可能になるようG-genがサポートさせていただくサービスになります。

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※本記事はG-genから提供を受けております。著作権は同社に帰属します。

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