美容脱毛サロンとして、業界を牽引する会員数・売上・店舗数を誇る株式会社ミュゼプラチナム。同社は、カルテの電子化やiPadの活用を通じて「現場の負担を減らし、接客に専念する」体制を築き、顧客満足度を高めている。
顧客サービス向上のため、紙カルテを電子化
美容脱毛を中心に、美容関連の商品開発・販売を提供するミュゼプラチナム。2003年の創業から成長を続けた同社は、2023年1月には全国で170店舗を展開するまでに至った。会員数・売上・店舗数ともに美容脱毛サロンとして不動の地位を築いている。
美容脱毛サロンミュゼプラチナムは、ネットや電話から予約を受け付けており、カウンセリングと契約を経てお手入れが段階的におこなわれる。ムダ毛の悩み・肌や毛の状態・自己処理方法・体調などの顧客情報は、2010年まで紙カルテに記載し、各店舗で管理していた。
電子カルテへ移行するきっかけは「顧客サービスの向上」にあったと、スマートデバイスの管理を担当する、IT統制部の竹本早希氏は言う。
「『契約した店舗以外でも、お手入れをして欲しい』という要望を多くいただいており、最初はカルテをFAXで他店舗に送ることで対応していました。しかし、FAXには誤送信のリスクもありますし、スムーズにカルテの共有ができないことにより、サービスの質の低下につながる可能性もありました。そこで、より良いサービス提供を目指して電子カルテに移行することになりました。同じ年には予約システムも稼働し、専用のコールセンターで一元管理するようになっています。そうすることで、お客様は店舗ごとに予約をする必要がなくなり、店舗スタッフは予約業務から解放されて自分の仕事に専念できるようになりました」(竹本氏)
電子カルテ導入に伴い、既存の紙カルテはスキャナで取り込みPDF化、タブレット端末から閲覧できるようになった。取り込むべきカルテの数は数百万にのぼり、すべて取り込むまでに3ヶ月かかったという。電子カルテとタブレット端末の導入は、この苦労に見合う効果をもたらしたのだろうか? 店舗スタッフとしての勤務経験もある竹本氏は、実感を込めてこう語る。
「作業効率は格段に上がりました。会員番号をもとに情報を呼び出せるようになったので、紙カルテを探す手間も、FAX誤送信による情報漏洩のリスクもなくなりました」(竹本氏)
iPadの活用により、さらに業務を進化させる
2011年当時、ミュゼプラチナムはペン操作がしやすい端末としてiPad以外のタブレットを導入している。しかし、数年間業務で利用していく中で、課題が見えてきたという。特に大きな悩みは、利用機種が生産終了してしまい、部品が手に入らなくなってしまうことだ。バッテリーの寿命が尽き、交換もできなければ、その端末はもう利用することができない。
部品供給の安定性に加えて、廉価に調達できることや端末の扱いやすさを考慮し、2017年からは、業務端末として新たにiPadの利用を開始した。現在では、2,000台のiPadが全国の店舗で活用されている。
電子カルテへの入力や契約手続き用端末としての活用はもちろん、ナレッジ共有アプリによって、研修動画やマニュアルの閲覧による社員教育が可能となった。また、データはiPad内には保存されず、登録された拠点のネットワーク以外からはアクセスできないようにしているため、セキュリティもより強固となった。
コロナ禍以降はWeb会議にも使っているが、ミュゼプラチナムのiPad利用はさらに先進的だ。エリアマネージャーが複数店舗のiPadと常にZoomで繋がっており、「こういうお客様にはどういった対応が適切か?」などの相談にもすぐに乗ることができる。こうした取り組みは、各店舗のサービス品質を底上げし、「ミュゼなら全国どこでも同じ接客を受けられる」という安心感の提供に繋がった。
さらにiPadは、「オンラインカウンセリング」サービスの提供も可能としている。来店した顧客が、iPad越しに他店のカウンセラーに直接相談できるサービスだ。ミュゼプラチナムにおいてタブレット端末は、単なる「電子カルテ入力装置」を超えて、顧客体験の向上に寄与しているのだ。
iPad管理の解決策「CLOMO MDM」
しかし、2,000台ものタブレット端末を管理することは容易ではなかった。アプリ利用や設定変更の制限、OSやアプリの自動更新、リモートでのデータ消去などをおこなうMDM(モバイルデバイス管理)には、Apple社純正の管理ツールであるProfile Managerを使っていたが、100台以上は動作保証外であり、不具合も増えてきた。そこでミュゼプラチナムが新たに導入したソリューションが「CLOMO MDM」である。
「当時の協力会社がiPhoneの管理にCLOMOを使っており、実際の操作感を見聞きすることができたんです。他社製品と比べて非常に分かりやすいことに加え、使い心地が良く、安心して使えると感じた事が、CLOMOを選んだ一番の決め手です。初期の環境構築も手厚くサポートしていただけて、とても助かりました」(竹本氏)
Apple製品は、ADE(Automated Device Enrollment;自動デバイス登録)サービスが提供されており、購入時にMDMを適用しておくことができる。新たにiPadを調達した場合、電源を入れてネットワークに接続さえすれば、CLOMO MDMによって自動的にセキュリティポリシーが設定され、必要なアプリがインストールされ、すぐに業務端末として使うことができるようになる。
iPadとCLOMOの導入によって、保守・管理作業が驚くほど効率化されたと、竹本氏は話す。
「実は最近、新規店舗のためにiPad50台を調達したばかりなんです。CLOMO導入以前であれば、通常業務の合間の作業になるのでこの台数の初期設定に3日はかかっていたでしょう。しかし、今では『店舗用』『オンラインカウンセリング用』『メンズ脱毛サロン用』と用途ごとの設定に紐付けて設定しているので、あらかじめWEB上で端末の指定予約ができます。また、不具合が起きたときも、以前は遠隔操作で原因を特定して修復して……という作業をしなければいけませんでしたが、iPadなら再起動か端末初期化でほとんどが直るので、手間が大幅に減りました。私ひとりで2,000台以上の端末管理ができているのは、iPadとCLOMOのおかげです」(竹本氏)
スマートデバイスの力で現場負担を軽減し、接客に集中していく
紙カルテから電子カルテへ、iPad以外のタブレットからiPadへ、Profile ManagerからCLOMO MDMへと、つねに業務改善を続けてきたミュゼプラチナム。これらの取り組みは、来客数の飛躍をもたらしている。
「予約の一元化やカルテ閲覧・入力時間の削減などによって、よりお客さま対応に時間を割けるようになりました。以前は、なかなか予約が取れないと言われていたのですが、結果として、来客数は格段に上がっています」(竹本氏)
システム化とスマートデバイスの活用によって現場が負担する雑務を減らし、接客に集中する。ミュゼプラチナムのこうした姿勢は、今後も変わらない。
「CLOMOのアップデートによって、iPad上のアプリ配置も決められるようになるのを楽しみにしています。1ページ目はよく使うアプリだけ、2ページ目は詳しく確認したい時に、と用途を分けたいからです。仕事に専念できるようにすることで、お客様満足度をさらに向上させていきたいと思います」(竹本氏)
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