小規模事業者が多いなどの理由から、なかなかデジタル化が進まないホテル業界。そんな同業界において積極的にDXを推進し、事業を急成長させているのがアパグループ株式会社(以下、アパグループ)だ。同社はDXの一環としてペーパーレス会議システムを導入しているが、従来のシステムには課題も多かったため2022年より日本インフォメーションのスマートセッションにリプレースした。
なぜスマートセッションを選んだのか、どのように活用し、どのような効果が生まれているのか。アパホテル常務取締役兼アパグループIT事業本部長の小塚智成氏と、IT事業本部の石野美沙氏に話を伺った。
日本のホテル業界で最先端のDXを実現するアパグループ
アパホテルネットワークとして全国最大の716ホテル (建築・設計中、海外、FC、アパ直参画ホテルを含む)を展開するアパグループ。近年では米国やカナダにもホテルをオープンするなどグローバル進出も果たしており、「日本No.1から圧倒的No.1へ」をキャッチフレーズに急拡大を続けている。また、ホテル事業以外にもマンション、マンションビル管理といった事業を多方面に展開するなど、その勢いはとどまるところを知らない。
そんなアパグループ躍進の原動力となっているのが、全社をあげて取り組むDX推進だ。ホテル業界としては珍しく、約10年も前からIT専門部署を設立。積極的なICT活用を進めてきた。
「DXを進めることで、オンライン予約やオンライン支払い、1秒チェックインなどのデジタルサービスを提供し、お客様に最高のホテル体験をお届けできます。また、社内においても事務的な業務をなるべく削減することで、スタッフがホテル本来の仕事である接客に集中できるようになり、サービスの質向上につながります。当社のように店舗数が多いホテルチェーンは特にスケールメリットが生きるため、デジタルによる効率化の恩恵が大きいのです」(小塚氏)
既存のペーパーレス会議システムに感じていた課題
アパグループがペーパーレス会議システムを導入したのは2016年のこと。客室のテレビに館内案内などを表示するアパデジタルインフォメーションシステムを開発し、紙の削減を進めていたタイミングということもあり、社内の会議等においてもペーパーレス化の機運が高まっていた。しかし導入以降、年々利用者が増えるにつれ課題が浮き彫りになっていったという。
「以前から別のペーパーレス会議システムを利用しておりましたが、年々利用者が増えるにつれ、費用がかさんでくることへの課題を感じておりました。また、システムへの画像アップロード時における画質の劣化や動画のアップロードができない点、発表者の切り替えや資料の同期に時間がかかる点など、インターフェイス面でも様々な課題を感じていました」(小塚氏)
こうした課題を解消するため、同社はペーパーレス会議システムの刷新を検討。選定のポイントとなったのはまず費用だ。毎年数多くのホテルが開業し、社員も増え続けている同社にとって、ユーザー数に応じた契約はコスト面での負担が大きい。そこで目に止まったのが、ユーザー数ではなく“同時に接続する端末数”で費用が決まるスマートセッションだった。「同時接続数に応じて契約が可能なサービス自体が、かなり珍しかったですね」と小塚氏は当時を振り返る。
もちろん、コスト面だけで導入するわけにはいかない。使い慣れた既存システムからのリプレースともなると、社員が抵抗感を持つ恐れもあるからだ。そこでIT事業本部では、利用者がスムーズに切り替えられるよう、操作性や画面の見やすさといった使い勝手の部分について慎重に検討を重ねた。
また、システムとしての安定性も重要事項だった。アパグループでは大規模な会議が定期的に開催されており、その際の同時接続数は300にも達する。それだけのアクセスにシステムが耐えられず、遅延などが起きてしまう事態は避けなければならない。
「その点、スマートセッションは確かな導入実績があり、1,000人規模の会議にも対応していることがわかったので安心できました」(小塚氏)
選定を終えてからの導入はスムーズに進行。システムの検討を始めてから導入が完了するまでの期間は約3ヶ月。しっかりと納期が守られたため、アパグループとしても計画通りに導入を進められたという。また、本格稼働の前に社内勉強会を開催したり、マニュアルを作成したりするなど、リプレースに対する社員の抵抗感を払拭するため手厚くサポートを行った。結果として、幹部層から現場メンバーまで全レイヤーにおいて問題なく運用できているという。
高い安定性と機能性で、会議や研修の質が大きく向上
リプレースに対する反発が起きなかったのは、「スマートセッションならではのメリットが感じられたことも大きい」と石野氏は語る。スマートセッションは画質が良好で、動画のアップロード機能も搭載。さらに複数の資料をストレスなく切り替えられるなど、既存システムが抱えていた課題を解決できたという。また、通常はiPadから利用するが、一部のユーザーはPCから利用しており、その際も端末間で使い勝手や機能に大きな差がない点も好印象だったとのことだ。
現在、スマートセッションは同社で行われる様々な会議や打ち合わせで使用されている。たとえば、前述した数百人規模の会議だ。全国のアパホテルから全支配人が参加する一大イベントであり、毎月1回のペースで開催されている。
「長時間の会議で発表者が多いため、配布資料も膨大な量になります。紙を使っていたときは、その印刷の手間だけでもかなりのものでしたが、ペーパーレス化を推し進めることで、事務コストの削減ができたと感じています」(石野氏)
発表の質もスマートセッションで向上した。たとえば、資料内での動画活用だ。アパホテルではフロントでQRコードをかざすとチェックインできる「1秒チェックイン」を提供しているが、その際に鳴る音を会員ステータスに応じて出し分けている。この機能について社内プレゼンを行った際、スマートセッションの動画機能のおかげで実際の「音」を会議参加者に聞かせることができたのだという。
加えて、資料の同期スピードの速さも高く評価している。発表者が多い会議でシステムの遅延が頻発すると、一つひとつは大したことがなくても積み重なってかなりのストレスにつながってしまう。スマートセッションはシステムが安定しており、そういった遅延が発生しないため、会議のスムーズな運用が実現できているという。さらに、管理面でも自動削除機能のおかげでサーバの容量管理が容易になるなどのメリットが得られたとのことだ。
スマートセッションは社員研修でも役立っている。小塚氏によると「アパグループは研修がとても多い会社」なのだとか。新入社員はもちろん、キャリアを積むためのステップアップ研修などが用意されており、社員の挑戦を会社が後押しする仕組みが整っている。そのような場でもスマートセッションを活用することで、研修の効率化やペーパーレス化を実現できているという。今後は300~400名規模の大型研修での活用も視野に入れるとのことだ。
さらなるDXの推進を目指して、今後もスマートセッションを活用
顧客だけでなく社内にも様々なシステムを導入し、ホテル業界では頭一つ抜けたDX推進企業であるアパグループ。同社は今後も積極的にDXを推進し、「絶えず未来を先取りした運営スタイルを確立していく」と小塚氏は語る。また、そのためにも「今後もたくさんの要望を日本インフォメーションさんにお伝えしていきたい」と、スマートセッションのさらなる機能強化とサポートを熱望した。
スマートセッションは、これからもアパグループのDXを支えるシステムの1つであり続けるだろう。
[PR]提供:日本インフォメーション