新型コロナウイルス感染症の影響で、従来の対面型営業で新規案件を創出する時代から、対面と非対面を組み合わせたハイブリッド型営業スタイルで新規案件を創出する時代へとシフトしてきている。コンタクトセンター事業を展開するNTTネクシアでも非対面営業の導入を進め、ゼロから立ち上げて1年で全社の営業案件数の約30%を非対面営業で創出するチャネルにまで育てたという。
1月20日に開催されたWebセミナー「TECH+セミナー 金融DX Day 2023 Jan. DX推進から金融業界を変革するⅢ」で、NTTネクシア 営業企画部 全社営業戦略 、デジタルマーケティング 、インサイドセールスチームの市川隼人氏は、金融業界における非対面営業の現状について説明。また同社 金融事業推進本部 課題解決ソリューション支援チームの須賀美幸氏は、デジタルと人を融合させた非対面営業のソリューションについて紹介した。
デジタル化は必ずしもCXの成功には結びつかない
非対面営業を実施する企業は年々増加している。とりわけ金融業界においては、営業活動やそれに伴う申込受付などがオンライン化し、地域に縛られないサービス展開が可能となってきている。保険業界においても、営業活動のほか手続きのオンライン化が進んでいる。
これに伴い、各銀行は営業店を縮小しつつある。営業エリアや顧客数は変わらないため、コールセンター業務としては、従来営業店で受けていた電話を1つのセンターに集約して効率化やコスト削減を狙うというトレンドになってきている。また、生保や損保の業界においては、24時間自動音声応答や申し込み手続きの自動化など、顧客とのタッチポイントをデジタル化することによる業務効率化やCX向上に向けた施策が行われている。
ここで市川氏は「デジタル化を進めたとしても、顧客満足度やCXの向上につながらなければ意味がありません」と忠告したうえで、米CustomerThinkによる2019年のレポート「What Drives CX Success?」を紹介した。同レポートでは、調査対象企業の44%がタッチポイントの改善を進めているが、CXの成功率は18%であると報告されている。一方で、人と人とのコミュニケーションで得られる体験を導入している企業は14%だが、そのCXの成功率は56%となっている。デジタル化は必ずしもCXの成功に結びつかないという結果が示されているのだ。
コンタクトセンターの集約によって非対面で広範囲のエリアをカバーしなければならない状況において、どのようにDXを推進していくべきかが大きな課題となる。市川氏は「業務効率化(経費率の改善)、CX向上、非対面営業による営業エリアカバーを同時に実現するためには、デジタルだけでなく、人とデジタルを融合させたソリューションを検討する必要があります」と説明する。
非対面営業の課題は人とデジタルをうまく使い分けて解決する
NTTネクシアでは、コンタクトセンターにおける数多くの実績がある。銀行に向けては、電話受付業務からテレホンバンキング関連の問い合わせ対応、行員ヘルプデスク、インターネットバンキングに関するヘルプデスクなどを提供するほか、コールセンター構築・運営に関する運営マニュアルやスクリプト作成のコンサルティングなども行っている。また、生保や損保向けには、契約者からの保険全般に関する問い合わせ受付、事故発生時の一次受付および二次対応、カード入会変更の問い合わせ受付などを行っている。
こうしたサービスを展開するなかでは、非対面営業を実施したいと考えていても、何から始めればよいかわからないという声もあるという。NTTネクシアでは、ニーズや課題の確認から行い、最適なソリューションを提案するというアセスメントサービスも提供している。
「まずはアセスメントで、現状調査を行い、課題抽出・確認したうえであるべき姿を設定し、実施内容を策定していきます。当社としてはここが一番重要視している点です。実際にやりたいことに対する課題、その最適な解決策を明確にしたうえで業務設計していくことが大切です」(須賀氏)
須賀氏は、非対面営業を行いたい企業の課題に対し、人だけで解決した方法、人とデジタルで解決した方法の事例を紹介した。
まずは、口座保有者に対して行った電話による無担保ローン借換提案、新規ローン獲得業務の事例。これは人だけで解決した方法となる。NTTネクシアは、金融機関から顧客リストを受け取り、アウトバウンドコールを実施。ここから得られた見込顧客のリストのみを金融機関へ提出するという役割を担った。須賀氏は「金融機関は見込顧客のみにアプローチできるため、効率的な収益向上が期待できます。イメージとしてはインサイドセールスに近いもので、当社のノウハウと実績により最短1か月で架電開始が可能です」と説明する。
人とデジタルで解決する事例としては、「Web申込離脱フォローサービス」の導入がある。Web受付システムを導入した企業では、申込率が向上しない、どこに課題があるかわからない、課題はわかっていてもサイト改善まで手が回らない、Web受付への集客が足りないといった課題を抱えている。
同サービスでは、申込時に途中離脱した顧客をフォローする仕組みが構築されている。途中離脱した顧客データをリスト化しフォローコールすることで申込件数向上が期待できるほか、離脱箇所をデータで見える化してサイト改善に活用できるというメリットがある。カスタマイズ可能かつ汎用的なシステムであるため、企業のニーズに合わせて構築できる点もメリットの1つだ。
9割の顧客がWebでの申し込みの途中で諦めてしまうというデータもあるが、離脱データをリスト化してフォローコールすることで申込率向上につながる。こうしてシステムの導入と人によるフォローで機会損失を解消することにより、9割の離脱者のうち4割を成約に結びつけている実績もあるという。
なお同サービスでは、Web広告レポート・フォーム改善提案、サイト改善、Web広告の作成・配信・運用にも対応可能となっている。
須賀氏は人とデジタルの使い分け方について、「簡単な問い合わせや自己完結できる内容についてはデジタルチャネルを活用して効率化を図り、オペレーターで対応する案件はより高度な内容、そしてさらなるアプローチにシフトしていくことが今後必要になるでしょう」と説明した。
インバウンドコールに関するソリューションも展開
非対面営業というとアウトバウンドコールというイメージが強いが、NTTネクシアではインバウンドコールのソリューションも展開している。
コンタクトセンターを持つ金融機関では、営業店の人員削減やコンタクトセンターへの問い合わせ増加により、入電数を抑制したいというニーズがある。また、顧客接点を増やしたい、申込書内容をデータ化したい、顧客が電話に出てくれないといった悩みも抱えている。
NTTネクシアのソリューションを活用すると、入電の際に「Visual IVR」というシステムを利用してSMSでFAQサイトや有人チャット、AIチャットボットといった適切なチャネルへ顧客を誘導し、オペレーターと話さなくても解決できる方法を案内できる。また、電話につなげる場合は、ボイスボットによる対応が可能であり、高度な対応に特化してオペレーターに入電することで、コールセンター業務の効率化を図ることができる。さらに、音声認識で応対履歴を自動で残し、蓄積された内容をナレッジ化して改善の提案につなげるといったことも可能だ。これはフルスペックで導入したケースとなるが、NTTネクシアとしては、企業のニーズや課題にあわせて最適な組み合わせを提案していくという。
今回ご紹介したとおり、NTTネクシアでは企業のニーズ・課題解決に向け、数多くの実績をもとに人とデジタルを融合したソリューションを提供している。非対面営業に課題を抱えているのであれば、一度問い合わせてみてはいかがだろうか。
[PR]提供:NTTネクシア