音に反応して色とりどりのインクが混ざり合い、ふたつとない美しい模様を織りなしていく……。そんな独創性あふれるデジタルアートの体験型展示イベント『光と映像 – 混ざり合う音/共鳴し融合する木箱』が、去る11月17日~29日の間、東京・渋谷ヒカリエ8のギャラリースペース「CUBE 1,2,3」にて開催された。

会場では、訪れた人たちがマイクに向かって声を出したり手を打ち合わせたりしながらリアルタイムで変化する映像を楽しんでいたが、その先進的な作品を影で支えていたのがマウスコンピューターのクリエイター向けデスクトップPC「DAIV Z9(プレミアムモデル)」とウルトラワイドディスプレイ「ProLite XUB3493WQSU」だ。イベントを主催するデジタルアート制作会社「C&(シーエンド)」は、なぜそれらの機材を導入したのだろうか。ここでは、その理由や背景をイベントの模様とともに紹介していこう。

  • 『光と映像 – 混ざり合う音/共鳴し融合する木箱』の会場風景

3部構成のデジタルアート展『光と映像 – 混ざり合う音/共鳴し融合する木箱』

シーエンドは、2022年4月の設立以降、独創的なアイデアと先進的な技術を取り入れた作品で注目を集めている新進気鋭のデジタルアート制作会社だ。音声や動作に反応して変化するインタラクティブコンテンツの制作をメインとして意欲的な創作活動を行なっている。今回の『光と映像 – 混ざり合う音/共鳴し融合する木箱』では、同社が手がけた新作が3部構成で展示された。

そのひとつがプロジェクターによって壁面いっぱいに映し出される『混ざり合う音 - The sound of mingling』。映像作家のHironori Sugino氏、ミュージシャンのShing02氏との共同制作による作品で、音に反応して映像がリアルタイムに変化するのが大きな特徴になっている。鑑賞者が会場に設置されたマイクに向かって音を出すと、その音程や音量、音の長さなどに応じてインクの色合いや量、描かれる線の長さが変わり、複雑な模様を形作っていく。たとえば高域の音を出せば明るいインクが、大きな音なら大量に、長い時間なら描かれる線が長くなる。インクは発色の美しさで人気のあるアルコール染料インク「コピックインク」の色合いやにじみ具合などを再現しているという。

  • 音に反応してインクの色合いや量が変化し、複雑な模様を形作る『混ざり合う音 - The sound of mingling』。DAIV Z9(プレミアムモデル)でリアルタイムに映像を生成し、プロジェクターによって壁面いっぱいに映し出されている

  • 音量や音程、音の長さなどに合わせてインクの形状や色合いなども変化する

  • 『混ざり合う音 - The sound of mingling』の展示に使用されていたプロジェクター。下のボックス部分にDAIV Z9(プレミアムモデル)などの機材が収められている

  • 『混ざり合う音 - The sound of mingling』の展示に使用されていたクリエイター向けデスクトップPCのDAIV Z9(プレミアムモデル)

もうひとつの作品が、森林整備から木材販売までを手掛ける東京チェンソーズとのコラボレーション『共鳴し融合する木箱 - Wooden box that resonates and fuses』だ。東京・檜原村産の木材を使って製作された木枠に液晶ディスプレイ「ProLite XUB3493WQSU」が収められており、そこにデジタルアートが映し出される仕掛け。木枠の下部にはマイクが搭載されており、会場内の音に合わせて表示される映像が移り変わっていく。

  • 『共鳴し融合する木箱 – Wooden box that resonates and fuses』。東京チェンソーズ製作の木枠にiiyamaブランドの液晶ディスプレイ「ProLite XUB3493WQSU」が収められている

  • 東京・檜原村産の木材を使用し本展のために製作された木枠

  • 『共鳴し融合する木箱 - Wooden box that resonates and fuses』の展示に使用されていたDAIV Z9

3つ目の『サウンドピクチャー - Sound Picture』は、音に反応するプロジェクションマッピングを使用したコンテンツ。プロジェクター一体型ステージの前に立ち、声や拍手、楽器などで音を出すと投影される映像が変化する仕組みになっている。

  • 音に反応するプロジェクションマッピングが楽しめる『サウンドピクチャー – Sound Picture』

  • 『サウンドピクチャー – Sound Picture』のプロジェクター一体型ステージには、ノートPCのDAIVがセットされていた

これらのうち、『混ざり合う音』と『共鳴し融合する木箱』のふたつの作品は制作・展示にDAIV Z9(プレミアムモデル)が使用されており、『サウンドピクチャー』はノートPCシリーズのDAIVが使用されているという。

  • 『光と映像 – 混ざり合う音 / 共鳴し融合する木箱』会場の様子

  • 『光と映像 – 混ざり合う音 / 共鳴し融合する木箱』には特別協賛企業としてマウスコンピューターが参画していた

過酷な使用にも耐える“絶対的安心感”の「DAIV Z9」

シーエンドが今回のデジタルアート展の作品制作・展示にあたり、マウスコンピューターのDAIV Z9(プレミアムモデル)を導入したのはなぜだろうか。同社の代表取締役社長を務める田中葵氏に、その意図や背景を伺った。

  • デジタルアート制作会社「C&(シーエンド)」の代表取締役社長を務める田中葵氏

「作品の構想自体は1年ほど前からあり、半年前から企画や展示方法などを固めて準備を始めていました。ただ、なかなか希望に沿う会場が見つからず、最終的にCUBE 1, 2, 3に決まったのが開催2カ月前のこと。そこから協賛を募り、猛スピードで制作を進めていったんです」(田中氏)

作品を展示するうえで重要になるのがPCの性能だった。音声を識別してリアルタイムで映像を生成するため、一定以上の処理スピードが必要となる。しかしシーエンドにとって自社作品を発表するのは今回が初めて。しかも制作期間が短く負荷テストを行う余裕もなかったため、具体的にどのくらいの性能があれば作品をスムーズに動かせるのか見当がつけにくかったという。

「壁面いっぱいに高解像度の映像を映し出す作品もありますし、機材は黒い幕で覆われたボックスに格納して1日中稼働し続けます。そのためCPUやグラフィックスの性能はもちろんですが、冷却性能も考慮する必要がありました。熱でシステムがダウンしてしまったり、パフォーマンスが落ちて映像がカクカクしてしまっては台無しですから」(田中氏)

実際にスペックが足りていても、数時間ほど稼働していると熱で処理性能が落ちてしまうのはよくあること。そこでエンジニアに理想的なPCを質問したところ、即答で「DAIV Z9(プレミアムモデル)」と返ってきたという。冷却効率を重視したミドルタワー型のPCケースにインテル第12世代プロセッサーやGeForce RTX 30シリーズを搭載しており、長時間にわたって優れたパフォーマンスを維持できるのがその理由だ。

「DAIV Z9(プレミアムモデル)であればどれだけ負荷がかかっても作品をスムーズに動かせるし、エアフローがしっかりしているから1日中ぶっ通しで稼働しても大丈夫だろうと。幸い、マウスコンピューターさんに協賛いただけることになり、DAIV Z9(プレミアムモデル)を貸し出していただくこともできました。そのためPC環境に関しては絶対的な安心感がありましたね。それから、余計なソフトがプリインストールされていなかったので、すぐにセットアップできました。細かい点ですが、そうした嬉しいポイントもありました」(田中氏)

PCの性能不足による制限を考慮する必要がなくなったことで、難しい表現に注力して作品の完成度を高めることができたのは大きなメリットだったという。

「とくに難しかったのがインクが混ざり合うところ。単純に混ぜるだけでもいろんな処理が必要なのですが、そこに音程や音量などの要素を計算してリアルタイムで反映していかなければならないので……。最初は色が重なり合う部分がベタッとして濃淡やにじみ具合がうまく出ていなかったのですが、エンジニアとともにさまざまなアプローチを行い、調整を重ねてよりリアルに表現することができました」(田中氏)

実際に会場の設営を行う段階でありがたみを感じたのが、DAIV Z9(プレミアムモデル)の機能性に優れた筐体デザインだったそうだ。

「本体にはハンドルやキャスターが標準装備されており、会場内では機材を移動することが多かったのですが、とても持ち運びやすくて助かりました」(田中氏)

3部作のうち『共鳴し融合する木箱』には、DAIV Z9(プレミアムモデル)に加えてマウスコンピューターのウルトラワイドディスプレイ「ProLite XUB3493WQSU」も使用されている。同製品は、34型UWQHD(3,440×1,440)解像度の視野角・色再現性に優れたIPS方式パネルを採用しており、21.5型フルHDディスプレイ2枚分に匹敵する広大な表示領域を持っているのが特徴だ。

「作品を展示することを考えると、色再現性などの画質はもちろんですが、画面サイズの大きさや解像度の高さも重要。また今回は会場の空間になじむよう木枠で形取りたかったので、パネル部分の厚みや形状なども考慮する必要がありました。ProLite XUB3493WQSUの場合は、画面が湾曲しておらず完全にフラットなのも理想的でしたね」(田中氏)

これからも同作のような空間になじむディスプレイ作品に力を入れていきたいという田中氏。

「今回のイベントで展示したデジタルアートは、シンプルなぶんアレンジがしやすいので、いろいろな切り口で発展させられると思います。その際にDAIV Z9(プレミアムモデル)やProLite XUB3493WQSUは頼もしい存在になってくれそう。これからも意欲的に創作活動に取り組んでいきますので、ぜひ注目していただけたら嬉しいですね」(田中氏)

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