コロナ禍によってさまざまな"当たり前"が変化していくなかで、ビジネスにおけるイベントの在り方も大きく変化した。その最たる例が、企業イベントのオンライン化である。入社式や表彰式といった社内イベントから、セミナーや展示会などの社外向けイベントがオンライン化された。それによって、遠隔地からの参加が可能になるなどメリットも多くある一方、双方向のコミュニケーションが希薄になってしまうといった課題も浮き彫りになりつつあり、オンラインイベントにおける顧客との関係構築のあり方をあらためて見直す必要が出てきているともいえる。
日立ソリューションズは、仮想空間上にイベント会場を構築でき、ニューノーマルに対応したイベント開催を実現できるクラウドサービス「6Connex Virtual Event Platform」(以下、6Connex)を2021年7月より提供している。今、ビジネスにおけるイベントやセミナー開催に対し、企業はどのような課題や変化を感じているのか。今後のイベントはどんな形へと変化していくのか。そして6Connexは、どう貢献していくのか。日立ソリューションズ ワークスタイルイノベーション本部 鈴木 麻友氏に話を伺った。
コロナ禍3年目を迎え、オンラインイベントはどう変化したのか?
——まずは、日立ソリューションズの事業概要と鈴木さんが所属されている部門についてご紹介ください。
当社は日立グループのデジタル事業の中核を担う企業として、スマートマニュファクチャリング、デジタルマーケティング、ワークスタイル変革、スマートモビリティ、ビジネスコラボレーション、セキュリティ、空間情報、デジタルアクセラレーショという領域に重点を置き事業を展開しています。私が所属しているワークスタイルイノベーション本部では、この重点事業のうちワークスタイル変革に関わる製品を取り扱っています。私は特に、オフィスでもテレワークでも場所を選ばずスムーズに業務が行えるような、自由な働き方を実現するための製品を担当しています。
——コロナ禍によって、従来行われてきた企業イベントのあり方は大きく変化しました。企業が主催するセミナーやイベントでは、どのような変化があったと感じられていますか。
コロナ禍の初期には、外出や移動が制限されることにより、オフラインで集まるセミナーやイベントの開催自体が難しくなりました。顧客との接点がなくなったり、懇親会やユーザー会といった親睦を深めるための機会がなくなったりと、特にプロモーション戦略を担うマーケティング部門にとって、そのビジネスインパクトは大きかったように思います。
コロナ禍を受けて各業界・領域にデジタル化の波が押し寄せ、これまでオフラインで実施されていたプロモーション施策についてもデジタル化が検討されはじめました。当時マーケターのみなさんは、デジタルで実現できる施策を模索されていたのではないでしょうか。そうした流れのなかで、特に企業イベントやセミナーはウェビナーツールを活用してデジタル化が進みました。
そのなかで、ウェビナーは一方通行のコミュニケーションになってしまいがちですし、徐々に参加率も下がってきています。そのため、参加者との双方向コミュニケーションや、一般的なウェビナーとの差別化による顧客体験の価値向上を検討しはじめている企業も増えており、オンラインでの開催自体を目的にしていた当初に比べて、顧客とのタッチポイントを意識した施策やKPI/KGIへの貢献といった次のステージへ意識が移ってきているように感じています。
次のステージを考えるうえで、先進的な企業は徐々にイベントプラットフォームの重要性を認識し始めており、一方通行のウェビナーだけではなく、より顧客との接点を深め、体験価値の向上ができるオンラインイベントを開催したいというご相談も増えてきているところです。
従来のウェビナーの課題を解決し、コスト面とコミュニケーションにおける
顧客満足度の向上をサポートする6Connex
——6Connexでは、一般的なウェビナーとの差別化、顧客体験の価値向上といった課題を解決できるのでしょうか。まずは、製品の概要や特長について教えてください。
6Connexは、展示会やビジネスカンファレンス、工場見学など、従来はオフラインで行われていたイベントを仮想空間上で実施するためのプラットフォームです。オンライン上に会場を設けることによって、時間や場所などの制約から解放されたイベントを開催できるだけでなく、さまざまな情報を6Connex上に集約させて提供することが可能です。コロナ禍以前にオフラインで設置していたようなリアリティのある会場を仮想空間上に表現でき、顧客との距離感がより近く感じられるようになる点が強みです。たとえば、オンラインでありながらも、イベント会場のロビーで顧客と待ち合わせて打ち合わせをするという使い方もできます。6Connex上でのおもてなしによって、顧客満足度の向上にもつなげられます。
——仮想空間上で待ち合わせができるというのは面白いですね。ウェビナーツールを提供しているところは多数ありますが、従来のウェビナーツールが抱えていた課題を6Connexはどのように解決するのでしょうか。
通常のウェビナーツールでは、参加の有無や視聴率といったデータは取得できますが、6Connexではさらに、ユーザーの操作を1つひとつ追うことができるので、 誰がどのブースに訪問し、何の資料をダウンロードしたのかといった行動を詳細に解析できます。ログも残るため、マーケティング部門にとっては、KGI/KPI達成に向けて次のフォローアクションへつなげていくことが可能なツールといえます。
また、展示ブースが常設され、担当者を配置することができるので、ウェビナーのように主催者側から参加者へ一方向的に情報発信するだけではなく、参加者から主催者側へのコミュニケーションも気軽に行えます。さらに参加者は時間的制約から解放されるので、自分の都合の良いタイミングで参加しやすくなり、集客率の向上も期待できます。
——主催者側が一方的に話すのではなく、顧客とコミュニケーションが取れるというのは魅力的ですね。オフラインのイベントと比較して、先述以外に6Connexを利用するメリットにはどんなものがあるでしょうか。
ユーザーの行動を可視化して詳細に把握できる点はもちろん、オンラインでユーザーの情報を収集できるので、紙媒体のアンケートを持ち帰って手入力する手間が省けます。オフラインイベントの場合は、会場代はもちろん、準備や運営にも大きなコストが掛かります。その点6Connexであれば、80種類以上もの会場のデザインテンプレートが用意されており、専門のデザイナーに依頼しなくとも、ドラッグアンドドロップなどの簡単な操作だけで、イベントのコンセプトに合った空間を構築できるため、会場設営面においてコストメリットを感じていただけます。
また、基本的に6Connexは年間ライセンスでの提供となるので、期間内であれば何度もイベントを開催できます。たとえば、大きなイベントのために構築した会場を別のイベントに活用するといったことも可能です。年間に何度もイベントを開催する企業にとって、大きな魅力ではないでしょうか。単発で開催する企業向けにはワンタイムライセンスもご用意しております。
6Connexを通して参加者はより主体的にイベントに関われるように
——そもそも、日立ソリューションズが6Connexを取り扱うことになった背景について伺えますか。
当社はリエゾン活動という、米国シリコンバレーをはじめ各国・地域の最新技術や商材、アライアンス先を発掘し、市場にいち早く投入するための取り組みを進めています。6Connexは、そうした活動のなかで見つけた製品です。6Connexのリッチなデザインテンプレートと操作性の高さは、日本市場にも馴染みやすいと考えました。
——リエゾン活動を行うなかで発見されたのですね。実際に6Connexを導入した企業ではどのような課題が解決されていますか。活用事例があれば教えてください。
日立グループ向けに毎年実施している事業化発表会は、従来、オフラインで開催されていました。新常態となり、6Connexを利用し、講演のオンデマンド配信を行っています。当日の講演を収録し、後日オンデマンドでの配信を行うという形をとりました。この配信会場の構築に、6Connexを利用しました。
オンデマンド配信会場では、オフラインのときには設置していなかったブースを出展し、メインの情報以外にもさまざまな情報を加えたうえで提供しました。参加者は従来、講堂に集まって受け身で発表を聞いている状態でしたが、6Connexを導入したことで、自ら展示ブースに行って情報を得たり、また担当者として展示ブースに立ったりなど、イベントに主体的に参加できるようになりました。
実際にブース出展していた製品への問い合わせは通常時に比べて2倍になっています。また、イベントに参加した当社グループ社員にアンケートを実施したところ、92%が「来年も参加したい」と回答しています。これはイベントを体験したことで、参加者の満足度向上が実現できたことの現れだと考えています。今後は6Connexを利用してライブ配信を行い、オンライン・オフラインのハイブリッド形式のイベントにするなど、さらに進化させていきたいですね。
これからのオンラインイベントは、「配信型」から「体験型」へ
——6Connexはマーケティング担当者にとってどのような価値をもたらすとお考えですか。
「デジタル上でのおもてなし」が実現できることではないでしょうか。特にマーケティングやカスタマーサクセスの担当者は、オフラインと同じような形で顧客との接点をもち、アフターフォローをしたいというニーズを持っていらっしゃる方も多いと思います。6Connexによって顧客の行動解析ができるようになれば、誰がどういうことに興味を持っているのか、データとして可視化することができ、優先的にアプローチすべき顧客の把握や施策の考案などにつなげられます。また、オンラインになるとどうしても顧客とのコミュニケーションが希薄になってしまいますが、6Connexを通じで細かなコミュニケーションをとることで、距離感を縮められます。
——これまでのウェビナーツールとは異なる、まさに次世代の新しいイベントの形といえますね。6Connexを利用することで、これからの企業イベントはどのように変化していくのでしょうか。
これからの企業によるオンラインイベントは「配信型」から顧客体験価値を意識した「体験型」へと変化していくと考えています。ビジネス目標の達成、顧客とのタッチポイント形成や顧客満足度改善といった課題は、コロナ禍初期からは形を変えたとはいえ、まだ残っています。オンラインでのセミナーやイベントで顧客体験価値を向上させるということは、いかに多くの情報に触れてもらい、参加者と適切な距離感でコミュニケーションを取れるかといった点がポイントです。
また何よりも、ただ参加しただけではなく、参加者が「体験できた」と感じられるようなイベントづくりが重要です。従来のウェビナーの場合はどうしても「視聴した」という感覚になってしまいますが、6Connexを利用すれば、「体験した」という1ランク上の感覚が得られるようになると思います。さらに、ログデータを活用してアフターフォローや次の施策にご活用いただければ、ビジネス目標の達成にも貢献できるはずです。
次第にオフラインのイベント開催も復活してきていますが、コロナ禍によって働き方や働く場所に縛られない状況が広がるなか、6Connexのようなオンラインイベントプラットフォームを用意していることは、これからも幅広い顧客との接点を持つという意味でも重要になると考えています。
——最後に、6Connexの利用を検討されている方へ向けてメッセージをお願いします。
プロモーション戦略において、セミナーやイベント開催前後のアクション、ひいては顧客接点や、ビジネス目標の達成という6Connexの特長は「イベントのオンライン化に伴い顧客とのコミュニケーションが取りづらくなった」「競合他社と差別化したセミナーやイベントを開催したい」などといったお悩みを抱えた方々にとってはもちろん、マーケティングに関わる多くの皆さまのお役に立てると考えています。
当社が提供する6Connexのサービスは、導入時のトレーニングや導入後のサポート体制も充実しているので、ITの知識がない方でも安心してお使いいただけます。オンラインイベントに関してお困りの方や6Connexについて何か気になることがある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
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