いま、企業は事業規模の大小を問わずDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が求められており、中堅・中小企業も例外ではない。そしてDXを進める中で重要なキーワードとなるのが「クラウド」だ。クラウドを導入することの意義や効果はすでに至るところで語られており、現在はシステムをいかにクラウドへ移行するかのフェーズに入っているともいえる。こうした状況において、とりわけ中堅・中小企業がDXを推進するうえで どういった点を意識すればいいのだろうか。
クラウドサービス導入に向けてチェックしたいポイントとは
最初に、クラウド導入で得られるメリットを振り返っておこう。まずはインフラのサイジングを迅速、かつ柔軟に行えること。事業拡大や一時的な需要増に応じて、オンプレミスのように厳密なサイジング計画を検討することなく、短期間でインフラ拡張や撤退が可能になる。コストや手間、リスクを抑え、ビジネス状況に応じてオンデマンドでスピーディーに拡張・縮小できる点は大きな利点だ。
インフラの維持管理やトラブル対応の負担から解放される点も大きい。万が一、自社が災害等の影響を受けてもビジネスの継続が可能だ。また、オンプレミスのハードウェアは老朽化等により更新の必要があるが、クラウドなら不要だ。ハードウェアに必要なパッチ適用や機能アップデートもクラウドサービス提供者側で対応してくれるので、気にする必要がない。加えて、クラウドネイティブの開発環境を導入すれば、システム開発・運用の効率化も期待できる。
「クラウドで享受できるメリットに関しては、世の中にだいぶ浸透してきています。しかし、経済産業省発表の数字を見ると日本企業の約80%※ はいまだにレガシーシステムを抱え、いわゆる“2025年の崖”の危機が近づきつつあります」と、富士通のDC・クラウドサービス事業本部クラウドビジネス部でマネージャーを務める佐藤哲也氏は警鐘を鳴らす。
クラウドのメリットは、裏を返せば企業の課題そのものだ。とりわけIT人材不足に悩む中小企業にとっては、クラウドを活用することでインフラの運用管理をサービスベンダーに任せられるため、限られた人的リソースを事業本来のコア領域に集中することが可能になる。それが“崖”への落下を回避し、企業自体とビジネスの価値向上につながっていく。
佐藤氏によれば、中小企業が技術者不足を補うためにクラウドサービスを活用していくうえで、チェックしたいポイントは「習熟コスト」「スモールスタート&クラウドネイティブ」「サポート」の3点だという。
「便利なサービスでも、使いこなすには学びが必要です。そのための習熟コストが高いとせっかくのサービスも魅力が半減します。スモールスタート&クラウドネイティブについては、導入時の初期コストを抑えられることに加え、事業拡張時のスケールや、反対に失敗したときの撤退も簡単に行えるかどうかが重要です。さらには、将来的にクラウドならではの活用を実現できる機能やサービスをベンダーが提供しているかもポイントですね。サポートについては、サポート内容自体が充実していることはもちろん、サポートコストも重要です」(佐藤氏)
中小企業の悩みを解決しニーズを満たすFJcloud-Vの魅力
以上3つのチェックポイントを満たし、中小企業のクラウド化とその先のDXを支えるソリューションとして、富士通の「FJcloud-V」が挙げられる。FJcloud-VはVMware vSphere ®を基盤としたクラウドで、使い慣れたオンプレミスの環境を活かしながらの移行に適したサービスだ。各ポイントと絡めて佐藤氏が解説する。
まず習熟コストについては、ブラウザからのアクセスで直感的に操作できるコントロールパネルを用意し、サーバー一覧から稼働ステータスをビジュアル的に確認して停止・再起動をスムーズに行える。サーバーのパフォーマンスやリソース監視、利用状況の確認も可能で、管理面の習熟コストを下げている。またネットワーク構成図が自動生成されるため、紙やアプリを使わずとも構成を確認でき、構成変更時の負荷やミスの軽減を期待できる。
ほかにもIaaS、PaaSなど多彩な機能をオンデマンドで提供しており、公開APIのIaaSについては特別なセットアップを行うことなく、コントロールパネルから利用できる。深刻な人材不足の解決に寄与する部分では、サーバーやディスクの作成・起動・停止をプログラムで実行できるニフクラAPIや、データベースなどのエンジニアリングパーツも用意されているため、限られた人員でもレバレッジを利かし、大きなビジネスを実現することができる。
スモールスタート&クラウドネイティブについては「サーバー1台からSLAを適用でき、品質保証されるところが、他ではなかなか見られない特長です」と佐藤氏は続ける。サーバーの追加・削除やスペック変更を自由に行える柔軟性、オールフラッシュを採用しハイメモリを搭載することによる高性能 、そして“止まらない”環境を実現する高信頼を享受でき、料金プランも従量・月額からニーズに応じて選べるので、初めてクラウドを導入する企業も安心して利用できる。ちなみに高い信頼性は、自動フェイルオーバー、基盤の完全な冗長化、徹底した自動化とAIも活用したプロアクティブ運用により実現している。
サポートに関しては、24時間・365日の無料ヘルプデスクを基本サービスとして受けることができ、より迅速な回答や状況報告など高度なサポートを受けたい場合は有料プランを選択することも可能だ。
「Fujitsu Cloud Directに相談する」という選択肢
佐藤氏は、FJcloud-V導入でIT人材の不足、工数負荷の課題を解決した中堅・中小企業のユースケースも紹介してくれた。1つ目は、DR(ディザスタリカバリ)環境のコストと運用工数軽減を課題としていた企業が、L2延伸とVMware環境のインポートにより、既存のシステムやネットワークへの影響を最小限に抑えつつDR環境をクラウドに移行した事例。2つ目が、SSL-VPNを活用し、FJcloud-V上で稼働している既存の業務システムと従業員の自宅をセキュアに接続することで、50人規模のテレワーク環境を約3週間という短期間かつ低コストで構築した事例。いずれも、災害対策やリモート環境整備というタイムリーな課題を、FJcloud-Vを使って解決した例だ。
こうした取り組みを中小企業が進めるにあたり、従来とは異なる導入方法に注目してみたい。法人向けにクラウドサービスの直販を行う「Fujitsu Cloud Direct」を利用する方法だ。同社のオファリング第3ビジネス部で部長を務める櫻井俊輔氏が、FJcloud-V導入に際しFujitsu Cloud Directを利用するメリットを次のように説明する。
「Fujitsu Cloud Directを活用すれば、契約から利用開始までスピーディーに進められます。短期間でデジタルシフトしなければならない現在、このスピードはお客様にとって大きなメリットになると考えます」(櫻井氏)
Fujitsu Cloud Directでは、FJcloud-Vを最大2カ月間無料でトライアル利用できる。 櫻井氏は「機能や使い勝手を実際に試し、クラウド導入の価値を肌で感じたうえで契約できるのもメリット」と語る。これまで利用した企業からは、迅速に利用開始できた点に加え、無料トライアルも高い評価を得ているとのことだ。
さらに櫻井氏は、利用にあたってちょっとしたヒントも教えてくれた。
「いざクラウドを始めようと考えても、何をすればいいのかわからないというお客様は多いと思います。Fujitsu Cloud Directに問い合わせいただければ、お客様が抱える課題をFJcloud-Vでどう解決できるのか、DX実現に向けて何ができるのか、無料の個別相談で丁寧にお答えいたします。加えて実際に導入する際、導入自体を業者に任せたいなら、FJcloudコミュニティのSIerを紹介し、最適な構築や運用を提案できる点も強みです。個別相談は電話やメールはもちろん、お互いの顔が見えるビデオ会議でも実施しています」(櫻井氏)
最後に櫻井氏は「まずは無料トライアルで良さを体感し、活用を進める中で適用できる範囲を徐々に広げ、最終的にはクラウドネイティブの世界を目指す。クラウド導入はそういったステップで臨むのをオススメします。お客様の悩みごと・困りごとを一緒になって解決していきますので、どうぞお気軽にご相談ください」と語った。
※参考元:経済産業省
DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(参考日:2022年11月1日)
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