ここ最近ニーズが急増しているウェビナー(Webセミナー)やオンライン動画の配信。PCのスペックが上がり、手軽に使えるアプリが充実してきたこともあって、「自分でもやってみたい」と考える企業も少なくないだろう。その際に頭を悩ませるのが「どんなPCを選べばいいのか」だ。
そこで今回は、ライブ配信や動画編集などの負荷の高い作業に適したマウスコンピューターの高性能グラフィックス搭載ノートPC「DAIV 6P-RT」と「mouse K5」をピックアップ。その特徴や使い勝手とともに、PC本体と一緒に使うと便利な液晶ディスプレイなどの機材を併せて紹介していこう。
動画の配信や編集に必要なPCのスペックとは?
動画配信の際は、負荷の高いアプリを使ったり、複数のアプリを同時に起動して作業することが多い。そこで重要になるのがCPUやメモリだ。CPUの性能が高い方が動作もスムーズで、メモリ容量が多いと動作の安定性が高くなる。CPUは最低でもCore i5やRyzen 5以上、できればCore i7やRyzen 7以上がおすすめ。メモリは16GB以上はほしいところだ。
もうひとつ重要なのが描画処理を専門に行うグラフィックス。OBS Studioのようなライブ配信ソフトや、Adobe Premiere Proなどの動画編集ソフトには、グラフィックスのパワーを利用して動画を変換するハードウェアエンコードの機能が実装されており、グラフィックス性能が高いほど処理速度も高速。ハードウェアエンコードを使うことでCPUへの負荷も減らせるため、結果的に快適さもアップする。
グラフィックスはCPUに組み込まれた内蔵タイプと、グラフィックスカードのように独立したパーツの2種類があるが、一般的に後者の方が性能は高い。そのため、動画配信・編集用のPCを選ぶ際は独立型グラフィックス(dGPU)を搭載したPCを検討したいところだ。
こうした条件を満たすPCは、一昔前であればデスクトップPCや大型のノートPCが多く、エントリーユーザーが導入するにはハードルが高めだった。しかし、ここ最近は高性能化が進み、気軽に持ち運べる薄型ノートPCでも十分な性能を持った製品が増えつつある。マウスコンピューターの「DAIV 6P-RT」と「mouse K5」も、そうした製品のひとつだ。
生放送も録画配信も快適に行える「DAIV 6P-RT」
「DAIV 6P-RT」は、CPUにインテル第12世代Core i7-12700Hプロセッサー、グラフィックスにdGPUのGeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUを採用した高性能なノートPC。メモリは標準で16GBを搭載しており、最大64GBまで増設することができる。
16型液晶ディスプレイを搭載しながら、ナローベゼルの採用でフットプリントが幅353.7×奥行き245.3mmに抑えられており、机の上に置いたときにあまり場所をとらないのも特徴のひとつ。厚みが18.5mmと薄く質量も1.55kgと軽いため、バッグなどに入れて持ち運ぶことも十分可能。ボディ素材に軽量で強度の高いマグネシウム合金を使用しており、本体の剛性や質感が高いのも魅力的な部分だ。
液晶ディスプレイは解像度がWQXGA(2,560×1,600)で、フルHDの動画を等倍で表示しても操作パネルなどを重ねず配置できる余裕があるため、映像を確認しながらの作業がしやすい。色域がコンピューター向け標準規格のsRGB比で100%と広く、色を高精度に再現できるため映像の補正などがしやすいのも評価できるポイントだ。
インターフェースはかなり充実しており、本体左側面にセキュリティースロット、USB 3.1 Type-C、USB 3.0 Type-A、SDメモリーカードリーダー(UHS-I対応)、ヘッドフォン出力/マイク入力端子を、本体右側面にThunderbolt 4、USB 3.0 Type-A、HDMI、電源端子を搭載している。通信機能はWi-Fi 6とBluetooth 5に対応する。このほかディスプレイ上部に、Windows Hello対応200万画素のWebカメラと内蔵マイクを搭載している。
キーボードはキーピッチが19mmあり、キーとキーの隙間が適度にあってタイプミスが起きにくいつくり。キーストロークは浅めだが、しっかりとしたクリック感があってタイピングしやすく感じた。タッチパッドは約154×100mmとかなり大型で、スクロールやスライダーの細かい調節などがやりやすかった。
実際に動画の配信や編集に使う際に気になるのがPCのパフォーマンスだろう。そこで、ベンチマークソフトで性能をチェックしてみることにした。
まず、CPUの性能を測る「CINEBENCH R23」は、次の結果になった。
CINEBENCH R23 ベンチマーク結果 | |
---|---|
CPU(マルチコア) | 16042pts |
CPU(シングルコア) | 1807pts |
本機が搭載するCore i7-12700Hは、Pコアと呼ばれる性能を重視したコアを6つ、省電力で高効率なEコアを8つ搭載したプロセッサー。合計で14コア20スレッドもあるためマルチコアスコアは非常に高く、複数のタスクの同時処理(マルチタスク)や動画のエンコードなどが快適に行える。アプリの動作に影響するシングルコアのスコアも高いため、ライブ配信ソフトや動画編集ソフトなどもサクサク動作することが期待できる。
続いて、「PCMark 10」を実行してPCの総合的なパフォーマンスをチェックしてみたところ、次の結果になった。
PCMARK 10 ベンチマーク結果 | |
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総合スコア | 6955 |
Essentials | 10212 |
Productivity | 9420 |
Digital Content Creation | 9493 |
快適さの目安となるスコアは、基本性能を示すEssentialsが4100以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500以上、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上。本機はいずれのスコアも大きく上回っており、このことからも動画配信・編集などの負荷の高い処理が快適に行えることがわかる。
次に、グラフィック性能を測るため「3DMark」も試してみた。
3DMARK Time Spy ベンチマーク結果 | |
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Time Spy score | 5623 |
Graphic score | 5240 |
CPU score | 9605 |
3DMARK Fire Strike ベンチマーク結果 | |
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Fire Strike score | 12091 |
Graphic score | 13268 |
Physics score | 22368 |
Combined score | 5136 |
dGPUのGeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUを搭載していることもあってスコアは高く、CPU内蔵のインテルIris Xeグラフィックスに比べると3倍ほどのパフォーマンス。この性能の高さは動画配信・編集でも力強い味方になってくれそうだ。
動画配信を始めたい人におすすめの「mouse K5」
「DAIV 6P-RT」もよさそうだけれど、もう少し手頃なPCで気軽に動画配信を始めたいという人におすすめなのが「mouse K5」だ。15.6型フルHD液晶ディスプレイを搭載しながら重量は約1.95kgと2kgを切っており、気分転換に場所を変えて作業したいときでも気軽に持ち運ぶことができる。
CPUは最大5.0GHzで動作する6コア12スレッドのインテルCore i7-10750Hを搭載しており、複数のアプリを同時に実行するようなマルチタスクでも動作がスムーズ。グラフィックスはdGPUのNVIDIA GeForce MX350で、フルHDの動画編集には十分な性能を持っている。ストレージは512GBのNVMe対応M.2 SSDで、データアクセスが高速。メモリは標準で16GB搭載している。
インターフェースが充実しているのも特徴で、本体左側面にUSB 2.0、USB 3.0 Type-A、マイク入力、ヘッドホン出力/ヘッドセットを、右側面にカードリーダー(UHS-I対応)、USB 3.1 Type-C、USB 3.0 Type-A、LAN端子を、本体背面には電源端子のほか、HDMI端子(4K/30Hz出力対応)とMini DisplayPort端子(4K/60Hz出力対応)を搭載。また通信機能としてIntel Wi-Fi 6と Bluetooth 5も装備している。ディスプレイ上部には100万画素のWebカメラも内蔵する。
このほかサウンドエフェクトツール「Sound Blaster Cinema 6」がプリインストールされており、マイク入力時の声質を変換できるのがユニーク。プリセットを選ぶだけで異性の声にしたり、子供や年配者、ロボット、エルフ、ドワーフ、オーク、悪魔などの声にリアルタイムで変えられるので、配信の際に地声をさらしたくない場合などに役立ちそうだ。
気になるパフォーマンスは次の通り。
PCMARK 10 ベンチマーク結果 | |
---|---|
総合スコア | 4832 |
Essentials | 9251 |
Productivity | 7519 |
Digital Content Creation | 4402 |
PCの総合的な性能をチェックできる「PCMARK 10」では、いずれも快適さの目安となるスコアを上回っていた。Webブラウジングやオンライン会議などの日常的な用途から動画配信・編集などのクリエイティブな用途まで、幅広く対応できることが分かる。
Webカメラを直付けできる液晶ディスプレイ「ProLite XUB2490HSUC」
今回紹介した「DAIV 6P-RT」や「mouse K5」は、いずれもクリエイティブ用途に耐えうる高品質な液晶ディスプレイを搭載している。しかし動画配信・編集の際は画面がごちゃつきやすく、1画面だけだと作業効率も落ちがち。できるだけ作業領域を広くして効率を上げるには、外付けディスプレイを繋いでマルチモニター環境にするのがおすすめだ。
幸い「DAIV 6P-RT」はUSB Type-C、HDMI、Thunderbolt 4の3系統のディスプレイ出力端子を搭載しており、ノートPC内蔵ディスプレイを含めて最大4画面まで表示することができる。また「mouse K5」はHDMIとMini DisplayPortの2系統搭載しており、最大3画面の同時表示が可能。手軽にマルチモニター環境を構築することができる。
外付けディスプレイは各社からさまざまな製品が販売されているが、動画配信に使うならiiyamaの「ProLite XUB2490HSUC」がイチオシだ。23.8型フルHDのIPS液晶パネルを採用しており、視野角が広く色再現性が高いのが特徴。また製品にWebカメラが標準で付属しており、本体天面に直付けすることができる。ディスプレイ本体には2W×2のステレオスピーカーも内蔵されている。
そのうち付属のWebカメラは、解像度が1,080p、フレームレートが30fpsで、ウェビナーやオンライン動画などに使うのにちょうどいいスペック。ノートPCの内蔵カメラだと視線がどうしても上から目線になりがちだが、本製品の場合はカメラ位置が目線の少し上にあるため、ウェビナーの参加者や動画の視聴者に威圧感を与えにくい。
このほか台座が幅240×奥行210mmとコンパクトで設置面積が小さめなうえ、最大130mmの高さ調節、最大24°のチルト調節、画面を縦向きにできるピボット、画面の向きを左右各45°動かせるスウィーベルなどの機能を搭載しており、設置場所に合わせて画面位置を見やすく調節しやすいのも魅力的な部分だ。
ちなみに本格的に動画配信を始めようと考えているなら、外付けディスプレイと一緒に揃えておきたい機材がいくつかある。そのひとつが照明ライトだ。屋内だと明るさが不足しがちなので、表情が暗く見えたりノイズが目立ったりしやすい。ライトを使用して顔の正面から光を当てるようにするだけで、動画が見やすくなり顔の印象も明るく好ましいものになる。
もうひとつあると便利なのが外付けのマイク。知人とのビデオ通話ならPCやWebカメラの内蔵マイクでも十分役に立つが、内蔵マイクはすべての方向から音を拾う全指向性のものが多く、環境音などの不要な音を拾ってしまいがち。ノイズの少ないクリアな音声を伝えたいなら、単一指向性の外付けマイクを別途用意しておいた方がいいだろう。
このほか、利用場所にもよるがノートPCスタンドもあると役立つアイテム。PCの画面を目線の高さに近づけることができて見やすくなるうえ、PCの下にスペースができるため放熱性もアップする。長時間ライブ配信する際は、熱による性能低下を抑えて安定したパフォーマンスでPCを使うことができる。
「DAIV 4P」と「ProLite XUB3493WQSU」のセット購入が便利
いずれの機材もリーズナブルな製品からプロが使う本格的なものまでさまざまな種類が販売されている。今回紹介したPCやディスプレイなどと併せて導入を検討し、動画配信に役立ててみてはいかがだろうか。
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