これまでワークステーションは、設計・解析などを中心としたエンジニア向けの業務で利用されてきたが、昨今は一般的な業務のなかでも活用されるケースが増加傾向にある。業務の多様化により、リアルタイムで画像や動画を扱うシーンも増えておりGPU処理の重要性が高まってきたためだ。しかしワークステーションは、高額かつ製品ライフサイクルが早いため、「陳腐化」というリスクが伴う。そのため、導入ハードルの高さに頭を悩ます企業も少なくない。
そこで注目されているのがワークステーションのレンタルだ。ICT機器を幅広く取り扱うオリックス・レンテックでは、ワークステーションの最新モデルを常時取りそろえ、これまで多くの顧客に提供してきた。今回は、同社の担当者にワークステーションレンタルの最新動向と活用ポイントを聞いてみた。
利用シーンが急拡大するワークステーション
ビジネス環境や働き方が大きく変わる中、エンジニアだけでなく、営業や分析担当者、高度な計算を行うオフィスワーカー、在宅勤務のリモートワーカーなど、さまざまなユーザーがワークステーションを利用しはじめている。
その背景には、ビジネスシーンでより高い性能を持ったPCが求められていることにある。たとえば、オンライン会議で「PCの動作がフリーズする」「音や映像が遅延する」といった現象に直面することが増えた。ネットワークの遅延によるトラブルと考えられがちなこの現象だが、実はPCのグラフィック性能不足によって引き起こされるケースも多い。そこで、これらの課題に対応するためにワークステーションの採用を検討する企業や団体が増えている。
また、業務自体が多様化し、ワークステーションの利用に適した業務が増えていることも大きい。実際に、建設業の営業担当者は、営業ツールとしてCADデータを顧客に提示したり、動画を使ったプレゼンテーションをする際にワークステーションの利用を始めている。また、金融アナリストや保険解析業務に携わるデータサイエンティストは、複雑な計算や処理をリアルタイムで行うための端末としてワークステーションを活用している。
オリックス・レンテックの中須仁平氏は、ワークステーションに対するこうしたニーズの高まりについて、次のように説明する。
「リモートワークやオンライン会議、ウェビナーなど一般業務が多様化したことに加え、エンジニアでなくても解析や設計、3Dデザインといった画像や動画データを扱うシーンが増えてきたことで、より生産性を高めるためにハイスペックPCとしてワークステーションを検討するユーザーが増えています。」(中須氏)