パート・アルバイトへの店舗運営に関する連絡は、多くの店舗で日常的に交わされている。それ自体は当たり前の光景だが、問題はこれらの連絡がどのような手段で行われているかである。実はそこには店舗側の業務負荷の問題や、プライバシー、情報セキュリティなどコンプライアンス上のリスクも存在している。このような課題を解決するため、凸版印刷から新たなサービスがリリースされた。

店舗社員からパート・アルバイトへの連絡における課題

凸版印刷株式会社 DXデザイン事業部 ビジネスアーキテクトセンター 新事業推進室 川野瑠里子氏

凸版印刷株式会社
DXデザイン事業部
ビジネスアーキテクトセンター 新事業推進室
川野瑠里子氏

凸版印刷は、印刷テクノロジーをベースに、情報コミュニケーション事業分野、生活・産業事業分野、エレクトロニクス事業分野で幅広い活動を展開している。BtoB企業というイメージが強いが、電子チラシサービス「Shufoo!」やキャッシュレスサービス等、生活者接点のあるDXサービスにも力を入れている。さらに、2020年4月にはDXデザイン事業部を立ち上げ、デジタルを活用したソリューションを積極的に提案している。

同事業部内の新事業推進室が中心となってリリースしたのが、店舗社員とパート・アルバイト間の連絡にまつわる課題を解決に導くWeb連絡網アプリ「OurCone」である。組織発足時からこのサービスの企画立案を牽引してきた川野瑠里子氏に開発の契機となった課題について聞いた。

「現状、小売流通や飲食店等の店舗では、店舗社員とパート・アルバイト間の連絡がノートや掲示板等の紙媒体や電話で行われるケースが多く、デジタルの利活用が進んでいません。また社外秘の連絡がやり取りされるにもかかわらず、日常使いの無料チャットツールの利用も見られます」

連絡業務の負荷軽減とシャドーITのリスク解消を実現

この現状から出てくる課題は大きく2つ。店舗社員の「業務負荷」と企業の「シャドーIT」である。店舗社員の連絡業務負荷は主にアナログ手段での連絡のやり取りによって生じており、それにより本来のミッションに時間を割けないことが問題になっている。さらに連絡手段を複数持つことにより、業務が複雑化しているケースも少なくない。

シャドーITとは、社内で利用が認められていないツールを無許可で導入することだが、情報漏洩と従業員間トラブルという2つのリスクを孕んでおり、社会問題にもなっている。

情報漏洩は、当然企業にとってコンプライアンスの観点から深刻なリスクとなりうる。従業員間トラブルについては、プライベートな連絡先を公開させることについてその従業員から合意を得ているのか懸念が残る場合もあるかもしれない。さらに、無料チャットツール内でパワハラ・セクハラ等のトラブルが起きた際、企業側はその状況を確認できず、また証拠となるログも残っていないため、対応が難しくなるだけでなく、社会的信頼の失墜にも繋がりかねない。

「これは現場である店舗側というより、そうした状況を容認している本社側に問題があると思います。昨今、事業者には、個人情報を大切に扱い、十分に保護する体制をしっかりと整えることがますます求められています。シャドーITへのリスクマネジメントを怠ることは、企業にとって命取りになります」

日々の業務連絡を「簡単」「確実」「安全」に伝えるサービス

以上の課題を解決するのが、「OurCone」だ。店舗での業務連絡を確実・簡単に送ることができ、全員が安心・安全に利用できる連絡サービスである。

  • Web連絡網アプリ「OurCone™(アワコネ)」

    Web連絡網アプリ「OurCone™(アワコネ)」

「グループウェアのような社員間のコミュニケーションツールは既にかなり普及しています。しかし、社員とパート・アルバイト間の安心できる連絡ツールはなかなか見つからないことが、開発のきっかけになりました」と川野氏は説明する。

機能面でのポイントは大きく4つだ。まず、情報伝達が簡単である。ユーザーをグルーピングし情報の出し分けを簡単にするチーム作成機能、発信者が連絡の届き先をひと目で把握できる既読者・回答者一覧表示機能、リマインド機能などを備える。

2つ目のポイントは、情報が確実に届くことだ。チャット形式のツールでは、送付した連絡に対する返信やスタンプによって、本来伝えたかった情報が埋もれてしまうこともある。しかし「OurCone」では、メーリングリスト形式を採用し、また未読の連絡は受信ボックスの上位に表示されるため、連絡を見逃さないのが特徴である。

3つ目のポイントは、あえて“繋がらない”ことで安心を担保できることだ。「これはかなり大きなポイントです」と川野氏も強調する。メンバー間で個人的な連絡先を開示する必要はなく、またパート・アルバイト同士での1対1の連絡をできないようにすることで従業員間トラブルを未然に防いでいる。

そして最後は、高度なセキュリティを備えている点だ。なりすましや部外者への情報流出を防ぐため、ログインは招待制で管理。運営元は大手金融機関をはじめ、高度なセキュリティが必須となる情報管理に実績のある凸版印刷であるため、安心感と信頼感がある。

店舗以外にも工場やマンション管理等、広がるユースケース

「OurCone」は、小売流通や飲食店だけでなく、学習塾や人の出入りの激しいイベント会社、繁忙期に従業員を臨時で雇う工場などでも使用することができる。また、プライバシーを守りながら連絡を取る必要がある住民コミュニティにも適している。例えばマンション管理組合や町内会などでのゴミ出しや点検、行事のお知らせなどの連絡に便利だ。

  • 想定ターゲット

    想定ターゲット

「OurCone」は2022年3月24日にサービス開始。今後は、お客さまの声も取り入れて機能拡充や利便性向上を追求しつつ、2025年度中に150社への導入を目指している。 「小売流通や飲食店等のパート・アルバイトを抱える企業をはじめ、さまざまな組織・団体における連絡DXを促進し、業務負荷とシャドーIT問題の解消、さらには従業員満足度向上に貢献します」と、川野氏は最後に力強く語ってくれた。

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