東日本大震災以降、自然災害が頻発していることを背景に、多くの企業でBCP対策が取り組まれるようになった。ただ、事業継続を脅かしうるリスク要因は自然災害に限らない。右の図(クリックで拡大)は企業のリスクマップのイメージ図であるが、ざっと書き出しただけでも、現代の企業は事業継続に損害及ぼす多様なリスク要因を抱えていることがわかる。

非常時を想定した対策とマニュアルを整備することで万一の場合にあっても事業の継続・早期復旧を図る――こうした体制作りが急務だが、リスク要因の多様さから対応が追い付いていないという企業は少なくない。KDDIまとめてオフィスが公表する「危機管理ガイドブック」は、今述べた体制作りの足掛かりを得るのに適したドキュメントだ。以下のリンクでは同ガイドブックがダウンロードいただけるが、本稿では簡単にその概要を紹介したい。

KDDIまとめてオフィス提供資料
万が一が許されない企業のための「危機管理ガイドブック」
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BCPの対応フローと持つべき視点

BCPの対応フローは、「平常時」「初動対応」「復旧対応」の3段階に分かれる。

  • 平常時
    基本となる方針を策定しておくほか、責任者の任命やチーム創設、そして避難訓練などの事前準備を行う段階
  • 初動対応
    従業員の安否や自社及び取引先の被害などの状況把握を中心に実行する段階
  • 復旧対応
    作成したBCPに基づいて、早期復旧に向けた「人」「モノ」「情報」の整備を進める段階

当然ながら、ここで取り組むべき内容は個社ごとに異なる。ただ、対策及び対応マニュアルの策定にあたっては、必ず持っておくべきいくつかの視点があるという。ガイドブックでは「BCP検討に必要な6つの視点」と題し、下記の事項について詳しく解説がされている。

  1. 人的リソース
  2. 施設・設備
  3. 資金
  4. 体制
  5. 情報
  6. 地域

今からできる危機管理対策

いざBCP対策を推進するとして、最初からすべてのリスク要因を視野に対応を検討するというのは、どうしても難易度が高い。そこで、ガイドブックでは企業が最初に着手すべきこととして、社員を守るための「安否確認」と、事業継続の要になる情報を守る「情報セキュリティ」の2つを紹介。事前準備のプロセスとそこで必要になるツールについて、詳しく解説している

本ガイドブックをご覧いただくだけで、BCP対策をどう進めていくべきか大まかに理解することができるだろう。「BCP取組状況チェック」も付録しているため、自社の取り組み状況を可視化するために活用いただいてもよい。多様なリスク要因から会社を守るために、ぜひご覧いただくことをお勧めする。

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