業種・規模を問わず、あらゆる領域でデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが加速しているが、想定どおりの成果が得られていないと感じている企業は少なくない。本稿では、旅館・ホテル業界におけるモバイルアプリ活用による業務効率化の事例から、DX推進を“現場”から始める重要性と、その実現を支援するノーコードアプリ開発ツール「Platio(プラティオ)」について紹介しよう。
DX推進を妨げる「人材不足」の課題…その課題を解決する「ノーコード開発」とは?
近年、あらゆる領域で耳にすることが多くなったDXだが、政府主導で推進されているにも関わらず、まだ着手できていない企業は多い。総務省が公開した最新の情報通信白書によれば、日本企業におけるDXの目的の1位は「業務効率化」と「コスト削減」であり、DXを進める上での課題の1位は「人材不足」となっている。「DXで業務効率化やコスト削減を図りたいが、人材が不足しており進まない」といった課題を抱えた企業が多いことがわかる。またDXが進まないもう1つの要因は、企業全体を変革するという意識が強すぎて、基幹システムの課題を解決することに捉われてしまうことがあげられる。
しかし、日本国内ではIT部門の人材不足が深刻化しており、業務のデジタル化や効率化まで手が回らないケースが多い。そこで昨今注目を集めているのが、専門スキルなしで業務アプリケーションを作成できる「ノーコード開発」だ。
コード(プログラム)を書くことなく、直感的な操作でアプリケーションやシステムを構築できるノーコード開発は、IT人材のリソースが不足している企業にとって極めて有用な技術だ。特に、店舗や工場をはじめとした“現場のDX”において大きな効果を発揮する。
アステリアが提供する「Platio(プラティオ)」は、“現場のDX”を推進する業務用アプリケーションを、ノーコードで簡単に作成できるモバイルアプリ作成ツールだ。100種類以上のテンプレートがあり、プログラミングの知識がなくても自社の現場にあった業務アプリを数時間〜数日で作成できる。初期費用は不要で月額2万円から使え、導入のハードルも低い。スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器向けということもあり、現場のデジタル化に適したツールといえる。IT部門が手間をかけず“現場のDX”を推進するためだけでなく、現場スタッフでも自らアプリを作成し、現場で浮かんだアイデアをすぐにアプリにできることがポイントだ。
このように、”現場のDX”を強力に支援するPlatio。今回は、Platioを導入した旅館・ホテル業界の2つの事例を紹介しよう。
たった3日間で6つの業務アプリを作成! ~旅館・ホテル業界がアナログ業務から脱却した”現場のDX”成功事例~
旅館やホテルにおける現場業務は多岐にわたり、客室、フロント、調理場などさまざまな設備・施設がある中、そのすべてを管理して顧客が満足するサービスを提供する必要がある。目に見える部分だけでなく、施設管理や客室清掃などさまざまな業務が行われており、その1つ1つをシステム化するのは非常に困難なミッションといえる。
北海道内で14のホテル・レストランを運営し、100年の歴史を誇るトップブランドホテルグループとして知られる鶴雅リゾートでは、Platioを導入して現場のDX実現に向けた取り組みに着手。温泉の湯温管理アプリや修繕依頼アプリ、布団敷きのタイミング通知アプリなど複数の業務アプリを作成し、現場業務の効率化を推進している。
アプリ開発はIT部門が担当し、3日間で6つの業務アプリを作成した。これまで口頭や紙ベースで共有していた業務報告を、モバイルアプリを介してリアルタイムで行えるようになったほか、データとして蓄積・活用できる環境を構築した。たとえば、温泉の温度が基準値を超えた場合担当者へプッシュ通知したり、施設状況を正確に把握し顧客からクレームがくる前に対策したりと、顧客満足度の向上につながる導入効果が得られた。さらに、蓄積したデータを分析して中長期的な施設修繕計画の予算を判断が可能になるなど経営面のメリットも享受している。また、Platioはアプリのカスタマイズが容易なため、IT部門は現場からの要望に対し柔軟な対応が可能になったという。目まぐるしく移り変わるホテルの現場業務には欠かせないメリットだ。
もう1つは、株式会社加賀屋が運営している旅館「あえの風」での導入事例だ。あえの風では、Platioで「清掃点検アプリ」と「忘れ物記録アプリ」を作成。リアルタイムの情報共有を実現し、事務作業の効率化によりスタッフの接遇(顧客へのおもてなし)時間を増やすことに成功している。
アプリ作成は現場スタッフ自ら行い、鶴雅リゾートと同じく約3日という短期間での開発を実現。清掃点検アプリでは、マニュアルを参照しながら用紙にチェックし、フロントまで移動するといった従来の業務が、アプリ上で基準を参照しながら記録し、点検内容をリアルタイムでフロントや関係者と共有できるようになった。忘れ物記録アプリでも、これまで清掃業務で見つけた忘れ物の情報をフロントと共有するまで最大5時間のタイムラグが発生していたが、デバイスのカメラで撮影しリアルタイムに共有できるようになったという。
これにより、清掃スタッフの「フロントに移動する時間」をゼロにし、「報告にかかる時間」を大幅に削減。フロント業務でもお客様をスピーディに案内できるようになったほか、忘れ物の問い合わせに対して待たせることなく回答できるようになるなど、顧客満足度の向上にも大きな効果があらわれている。スタッフにとってもモバイルデバイスは日常的に使っているため、アナログ主体の業務からデジタル化への移行はスムーズに対応できた。
現場の1業務からDXをスタートし、全社的なDXへと展開
今回紹介した2つの事例では、「短期間かつ専門スキルなしでアプリ開発が可能」、「現場のDXに効果的な業務アプリ運用」、「変化を続ける現場業務に対応できる柔軟なカスタマイズ性」といったPlatioの特徴が活かされていることがわかる。1つ1つは小さな改善でも、その積み重ねが業務効率化やコスト削減を実現し、結果的に“顧客サービスの充実”につながっている。
アステリアでは、質と量の両面でテンプレート拡充を図るほか、導入企業からのフィードバックを反映し、機能の改善も続けていく予定だという。さらに同社の提供するデータ連携ツールと組み合わせ、Platioで集めたデータをBIツールで可視化したり、CRMやSFAなどの業務システムに取り込んだりなど「企業のデータ活用」までもサポートする。
冒頭で述べたDXを進める上での課題は、現場業務のデジタル化による”現場のDX”を推進することで解決できる。ノーコードでモバイルアプリを開発・運用でき、さらに蓄積したデータを分析し経営判断にまでつなげられるPlatio。現場からのスモールスタートでDXを推進したい企業にとって目が離せない選択肢となるはずだ。
アステリアでは、宿泊・飲食業の事例をまとめた事例集を公開している。導入背景や課題、どんなアプリを活用して効果を上げたのか、導入担当者の声も交えて一読してみてはいかがだろうか。
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