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2021年9月28日、オンラインイベント「DIGITAL RELATIONS 2021 Autumn」(株式会社コネクティ、株式会社WOW WORLD主催)が開催された。デジタルによる顧客エンゲージメント強化、企業のリブランディングを伴うWebサイトリニューアルとCMSを活用したコミュニケーション活性化などについて事例やヒントが提示され、企業のWeb、マーケティング、広報担当者などにとって有益な情報が満載のイベントとなった。本記事では、セゾン投信代表取締役社長COO・園部鷹博氏、及びコネクティ代表取締役社長・服部恭之氏によるセッションの内容をダイジェストでお送りする。
顧客接点のデータを統合管理・分析するCDPサービスをリリース
まず、コネクティの服部氏より「顧客と企業の共創を生み出す、パーパスを中心としたサイトリニューアルの勧め」のタイトルでセッションが行われた。服部氏はコネクティの会社紹介の中で、大手企業を中心にWebソリューションを提供しており、2020年に東証一部上場のWOW WORLD(旧エイジア)の資本参加を受け、経営基盤がさらに安定したことで、より信頼性の高いサービスを提供できるようになったと強調した。
同社は「コーポレートサイトの構築」「クラウドCMS基盤の提供」「Webデータ分析及びコンサルティング」の3つの業務を手掛ける。服部氏は「サイト構築だけでなく、クラウドCMSを活かしたWeb構築・運用、さらには単にサイトを作って終わりではなく、そこを起点にサイトを成長させるため、分析・コンサルティングを提供しているところも特徴。Web戦略・マーケティングから制作・デザイン・運用、必要なITインフラとCMSなどのソフトウェアまで、ワンストップで提供できるのが強みです」と説明した。
続いて、これまでのさまざまな実績と、コミュニケーション戦略の練り直しから始めるサイトリニューアルのトレンド、そのために重要なパーパス(企業の社会的な存在意義)について解説。そのうえで、コネクティがパーパスを軸としたサイトリニューアルの戦略策定から実施していることや、PR・コンテンツ提供の具体的アクションの基盤となるCMSに話を進めた。
服部氏は「CMSによりコンテンツを簡単に更新し、顧客に情報提供した結果『それが顧客にどう伝わり、どのような行動が生まれているか』といった顧客接点のさまざまなタイミングにおけるデータを統合管理し、分析するためのデータプラットフォームであるCDPサービス『Connecty CDP』を10月にリリースしました」と、コネクティの新サービスを紹介。今後、CMSとCDPの両方を兼ね備えたデジタルコミュニケーションの為の統合プラットフォーム「Connecty Communication Strategy Cloud」として展開を行っていくことを発表した。
事業環境変化の中、課題解決に向けWebサイトリニューアルに着手
次に続くセゾン投信の園部氏によるセッションは「共感を生むWebサイト構築とCMSを活用したコミュニケーション深化」のタイトルで展開された。同社は2021年9月にWebサイトをリニューアル。この取り組みをコネクティのサポートで実施した。今回は単なるリニューアルではなく、その前段でリブランディング、すなわちブランディングの再構築を行ったところがポイントだという。園部氏は背景として、金融機関に顧客本位の運用を促すフィデューシャリー・デューティー(受託者責任)が求められ始めたことや、年金2000万円問題による資産運用意識の浸透、フィンテックの登場などを契機に業界の環境が激変し、他の金融機関の事業領域が同社のビジネスのポジションに近づいてきたことを挙げた。その状況で、同社がコミュニケーションの軸とする対面セミナーなどアナログの取り組みだけでは自社商品を「本当に届けたい」デジタル世代へのリーチが難しいと感じ、リブランディングを含めたWebサイトのリニューアルを手掛けたとのことだ。
園部氏は続いて「コネクティを含め3社でコンペを実施したところ、他のWebサイト制作会社からはセゾン投信の課題について残念ながら目新しい提案が出ませんでした。その点、コネクティは当社のことを最大限理解しようとしてくれました」と、コネクティを選定した理由を話した。同社の課題とは次の3つだ。まず、会社自体が小所帯であるためWebデザイナーやスキルを持つ人材がおらず、外部リソースが必要であったこと。2つ目は、リニューアルしリリースして終わりではなく、リリース後も改善しながらより良いものを一緒に作っていくパートナーがほしかったこと。そして、USP(自社の独自の強み)の打ち出し方が創業時から大きく変わっていないことである。
最初の課題に対して園部氏は、コネクティのクラウドCMSを利用すればHTMLを書く技術がない人材であってもサイトを更新でき、顧客への情報発信を迅速かつ自由に行えることを指摘。その他の課題についても、コネクティはブランド戦略から一気通貫でサイトリニューアル、CMS提供、マーケティングまで寄り添った支援を行い、USPを的確に表現する抜本的なリデザインを提案したことから「長期的にお付き合いできるパートナー」と判断し、選定に至ったと語った。
共感を生むサイトづくりを目指し、クラウドCMSを活用
リブランディングの方向性として顧客に共感してもらえることを最も重視し、コンテンツについては実際に取引している顧客の紹介と、業界ではかなり珍しいという社員インタビューを掲載。コンテンツの出し方も初めはシンプルに完璧を目指さず、コンテンツを常に拡充して話題性を継続させることを心がけたとのことで「社員には、“ちょっと物足りない”くらいでちょうど良いと指示を出しました」と園部氏は明かした。
Webサイトのデザインは「あえて金融機関らしくないイメージを作っています」と園部氏。旧サイトの画面を示し、情報が多すぎてどこを見ていいのかわからないこと、共感を促すコンテンツがないこと、情報発信が一方的であることが課題だったと説明。「情報を絞り込み、私たちがいまお客様にお伝えしたいことは何なのかを明確にしていくため、コネクティと一緒に作り上げていきました」と話した。そのうえで、リブランディングに際し「どんなブランドか」というブランドアイデンティティを伝える核となるキーワードの選定について解説。そこから生まれた“「普通」が続く。それが、豊かさ。”というブランドメッセージと、「普通」という言葉に込めた思いを披露した。
続いて新Webサイトのトップ画面を表示し、
・メインターゲットの30〜40代の資産形成層が直感的に理解できるシンプルな構成 ・セゾン投信が大切にしていることを顧客に伝え、最初の一歩を踏み出せるようなサイト
というコンセプトを紹介。「投資信託の運用会社でありながら、商品のことは一切出てきません。金融機関らしい重厚な感じも排し、フレンドリーなイメージを前面に打ち出しています。これまでの金融機関は偉そうなイメージがありましたが、主体はあくまでお客様であり、投資も特別ではなく身近なものだということを表現したかったからです」と語った。
さらに園部氏は「相互理解を育むサイトへ」というスライドを提示し、「これまでは私たちから一方通行の情報発信を行っていました。今回のリニューアルでは一方通行ではなく、“セゾン投信はどういう会社ですか”“資産形成をしていくにはどういう考え方が必要ですか”といった質問がお客様から返ってくる、つまりキャッチボールのやり取りを生むことできちんと理解していただけるような仕掛けをサイト内にちりばめています」と解説した。
園部氏は、こうした新しいサイトづくりにおいてコネクティのCMSが重要な役割を果たしたとし、今後の顧客とのコミュニケーションにおけるデジタルツールとオフラインの相乗効果について「デジタルだけでなく共感型のオフラインイベントも用意し、アナログの視点にも重きを置いていきます。ただ、コアとなる場所はやはりWebサイトですので、絶えず手を入れ、新鮮さを失わないようにします」と話した。加えて経営戦略から見ても、永続的な価値創造・価値向上のために共感型Webサイトは欠かせない存在だと指摘した。
最後に園部氏は、今後の戦略について次のように語った。
「まずは共感をベースとした『ファンベースマーケティングの実践』。口コミをリアルタイムに広げて共感を醸成する場を提供します。2つ目は『パーソナライズ』。細かい分析によりどういった人にアプローチしていくのかを深掘りしていきます。そして『コミュニケーションのさらなる活性化』。チャット等を使って手続きのオンライン化を進め、人材をWebマーケティングにより厚く再配置することで、お客様の共感を生み出す世界を実現していきたいと考えています。今後もコネクティのCMSを活用し、必要な情報をタイムリーかつ迅速に出していくことで、お客様とのリレーションを深めていきます」(園部氏)
■セゾン投信×損害保険ジャパン×コネクティ×WOW WORLD パネルディスカッション
最終セッションでは、パネラーとして損害保険ジャパン株式会社 ビジネスデザイン戦略部 課長 清水廣臣氏、セゾン投信株式会社 代表取締役社長COO 園部鷹博氏、株式会社コネクティ 代表取締役社長 服部恭之氏、司会進行として株式会社WOW WORLDマーケティング部長 中村竜次郎氏が登壇。「これから世の中に求められる企業と顧客の関係づくり」についてそれぞれが意見を語るところからスタートし、その後は、視聴者の質問に回答といった構成で進められた。「コネクティのCMSと他社との違いは?」という視聴者からの質問に対し、服部氏はセキュリティ面でのメリットを解説。園部氏も、自社でのCMS選定時に広く知られたシステムであるWordPressを導入する案があった一方で、オープンソースであるが故のセキュリティの脆弱性を考慮したという。こちらのパネルディスカッションも非常に凝縮された内容となっているため、ぜひご視聴いただきたい。
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[PR]提供:コネクティ