■広報×DX World 2021 〜Web戦略の成功メソッド〜>>見逃し配信視聴はこちらから
2021年9月16日から11月4日にかけ8回にわたり、広報・Web担当者を対象とするオンラインセミナー「広報×DX World 2021 〜Web戦略の成功メソッド〜」(株式会社コネクティ主催)が配信中だ。デジタル戦略が重視される現在、Webを中心としたデジタル施策の成功に向けて企業の担当者はどう取り組んでいけばいいのか、そのヒントが示されている。本記事では4つのセッションから、大企業のDXを推進してきたコネクティの代表取締役社長・服部恭之氏による「広報担当者様が今知っておくべき、デジタルコミュニケーション戦略 ~WebリニューアルとCMS活用トレンドのご説明~」の模様をレポートする。
“デジタル”ではなく“コミュニケーション”から入る
2005年12月設立のコネクティは東証一部上場のWOW WORLD(旧エイジア)の資本参加を受けており、安定した経営基盤を持つ企業だ。業務内容としては「コーポレートサイトの構築」「クラウドCMS基盤の提供」「Webデータ分析及びコンサルティング」の3つを主に手掛ける。
従来のWeb制作はフェーズごとに別々のプレイヤーに発注するケースが多く、ハンドリングが煩雑になり、時間もコストも要したが、コネクティならWeb戦略・マーケティングから制作・デザイン・運用・保守、さらにはCMS等のシステム基盤までワンストップで提供し、サイトリニューアルだけでなくサイトの成長までも支援できる点が強みだ。実際にこれまで、BtoC/BtoBの名だたるリーディングカンパニーが同社のサービスを利用している。 まず服部氏は、広報担当者が会社からデジタルコミュニケーション戦略を進めてほしいといわれたとき「どこから始めればいいのか」「何を課題として検討していけばいいのか」について困っているだろうと前置きし、次のように語った。
「デジタルコミュニケーション戦略は“デジタル”から入るとその後のプランニングが難しくなりますが、逆に“コミュニケーション”からきっちり考え直すとうまくいきます。まずはコミュニケーションそのものを再構築し、そこにデジタルで関連性が高いものをはめ込んでいくという順番にすることが重要です。これをせず、デジタルの各チャネルを別々に検討すると、例えばWebサイトとSNSで顧客が受ける印象が変わったり、異なる情報を受け取ったりというケースが生まれてしまいます」(服部氏)
これを踏まえて服部氏は、デジタルコミュニケーション戦略のコツとして、企業内にあるWebサイト、SNSといった複数のデジタルアセット(チャネル)で一貫性のある統一的なメッセージ発信と体験をプランニングし、その上で各チャネルの特性に合わせてコンテンツを適用していくことを挙げた。これにより顧客は常に同じメッセージを受け取り、同じ体験をできるので、企業としてもスムーズなコミュニケーションがとれるようになるという。
戦略の前提として自社のパーパスまで問い直すことも必要
ではそもそも、コミュニケーション戦略の再構築についてはどう考えればいいのだろうか。服部氏はコネクティが最近推奨しているモデルを示し、その方法を解説した。
「まずは、企業もしくは事業のコアバリューを改めて検討するところからスタートします。とくにWebサイトのリニューアルの場合は、現行サイトがすでに古くなっており、事業のコアな部分が制作当時とは変わってきていることも多いので、コアバリューから整理することが必要になってきます。これはいわばWhatの部分で、何を伝えるかがバリューになります」(服部氏)
ただ、もしもその手前の段階で企業の存在意義自体が不明瞭になっているなら、自社のコアアイデンティティから問い直すことが必要になると服部氏は指摘し、こう続けた。
「とくに最近よくいわれるのは、パーパス、つまり自分たちはなぜ存在しているのかというWhyの部分です。社会における自社の目的を再定義し、その目的を達成することが自社のバリューであるというストーリーでリニューアルコンテンツを考えていく方法もあります」(服部氏)
Why、そしてWhatが共にしっかりしていれば、次はWho、つまりメッセージを誰に伝えるのかという顧客像=ペルソナの設定に入る。服部氏は次のように続ける。
「ペルソナは数多く作る必要はなく、一番中心となるコアな顧客をしっかり定義し、その上で最後にHow、つまり特定の顧客に対して企業なり商品・サービスなりを知ってもらうためにどう伝えるかを考え、ストーリーを設計します。これはいわゆるカスタマージャーニーといわれる世界観ですが、必ずしもオンラインに特化させず、オフラインも含めた全体で顧客とのタッチポイントを整理し、その中からデジタルの部分だけを切り出せば、デジタルコミュニケーション戦略の前段の準備が完了したことになります」(服部氏)
続いて服部氏は、一人の顧客が商品やサービスを認知し、興味・関心を持ち、検討・問い合わせを行い、購入し、さらには最近では購入後のアップセル・クロスセルもあるというマーケティングの全体像をスライドで提示。Webサイト、SNS、Web検索、メルマガなど多彩なチャネルを通じて顧客との接点を捉えていく上で「単純にモノやサービスを伝えるだけでなく、その裏にある企業のWhyつまりパーパスも含めてメッセージを再設計し、全てのチャネルで統一されたコンセプトに基づいて、各チャネルの特性に合わせたコンテンツを発信していくことが成功の近道になります」と語った。
コンテンツとデータアセットの統合管理・運用プラットフォームに注目
このあと服部氏は、コネクティにおけるサイトのリニューアルの進め方を概説した。同社ではサイトのデザイン設計や要件定義のフェーズに入る前にコミュニケーション戦略を改めて考える「戦略フェーズ」を設け、コアバリューのヒアリングやパーパスの再構築、リブランディングなどに向けた確認作業を行っていると説明。このフェーズは通常は1カ月、長い企業の場合は3カ月以上かかることもあるとし、その後に最適なコンテンツの検討と実際の制作を経てリリース・検証に至るまで、概ね半年から8カ月程度のプロジェクトが多いと話した。
続いて、「Webサイトにはコーポレートサイトもあればブランドサイト、企業によってはグローバルサイトやローカルサイトもあり、SNSも含めて多様なデータチャネルが存在します。その中で統一的なメッセージングを行い、かつコンテンツアセットを継続して統合的に管理・運用していくことを考えれば、CMSが必要になります。一方で、顧客のデータアセットを統合的に捉え、分析するためのCDPというプラットフォームも注目されています。この2つをどのように導入していくかも重要なテーマになっています」と語り、コネクティが提供している大企業向けクラウドCMS「Connecty CMS on Demand」と、2021年10月にリリースを開始するCDP「Connecty CDP」について説明した。
まず「Connecty CMS on Demand」については、従来の大規模CMSは海外製品が多かったところ、同社は国産製品を提供していることを特徴の一つに挙げ、多数のWebアセットを持つ大企業のコミュニケーション統合化に力を発揮することを強調した。
一方の「Connecty CDP」は、「Communication Strategy Cloud」というサービス群の中で新サービスとして提供されるもの。さまざまなデジタルチャネルにおけるユーザーデータを統合的に管理・分析できるプラットフォームであり、統合したデータの見える化とターゲットとする顧客セグメント抽出に役立つと解説した。
最後に服部氏は、「データコミュニケーションの企画・プランニングのコツは、一貫性のあるメッセージを作っていくことと、それらを各チャネルで統合管理していくのに適したプラットフォームを選ぶこと。当社は戦略設計のところからご支援できるので、Webサイトのリニューアルを考えている、コミュニケーション戦略に悩んでいるというお客様は、ぜひお気軽にご連絡ください」と結んだ。
▼セッション4:Meltwater × マジカルポケット × コネクティパネルディスカッション
セッション4では、Meltwater Japan株式会社 Enterprise Director, Japan & South Korea 馬見塚氏、株式会社マジカルポケット IRサポート事業部 渡部氏、株式会社コネクティ 代表取締役社長 服部氏にて、「広報、DXのプラットフォームに関する最近のトレンド」についてディスカッションおよび質疑応答を行った。視聴者からの質問に対し、具体的な例を交えながら分かりやすく解説。より理解を深めるためにも、ぜひご視聴いただきたい。
■広報×DX World 2021 〜Web戦略の成功メソッド〜>>見逃し配信視聴はこちらから
[PR]提供:コネクティ