コロナ禍によって対面での商談が難しくなり、今やオンラインでの営業活動はすっかり常態化しつつある。こうした状況のなかで、単に商談の場をオンラインに移すだけではなく、営業のやり方自体に効果的にデジタルを活用する方法を模索する企業が増えているという。つまり、営業活動の基本とも言える「人と人が会う」ことができなくなった結果、営業のデジタル化、いわゆる“セールスDX”が進み始めたわけだ。
9月7日に開催されたTECH+フォーラム「製造業DX Day 2021 Sept.事例で学ぶDX推進~課題と成功の勘所~」では、ハンモック GLUE事業部 GLUE営業本部 西日本営業部 部長 藤田英雄氏が登壇。同社の営業支援SaaS「ホットプロファイル」を活用したセールスDXのもたらすインパクトについて、製造業の最新事例を交えた解説が行われた。
セールスDXを推進する上で押さえるべき「3つのポイント」
「従来、営業というのはアナログ世界の最後の聖域だと思っていたが、コロナ禍によって一気にオンライン上でのコミュニケーションが普及した。皆さんも『このままコロナ後もオンラインが主流となっていくのではないか』と感じているのではないだろうか」――冒頭、藤田氏はそう聴衆に投げかけた。
既存顧客への定期的な訪問が難しくなり、新規案件の獲得が困難となった今、デジタルの世界で顧客を見つける“仕組み”が必要となる。つまり、デジタル技術を駆使して顧客ニーズを把握し、情報を利活用することで新規案件の創出へつなげていくわけだ。
藤田氏は、このセールスDXを推進する上で押さえるべきポイントとして「顧客情報のデジタル化/集約」「顧客の興味の察知」「顧客ニーズに基づいた顧客情報の活用」の3つを提示。顧客接点情報の統合管理を軸に、営業/マーケティング活動を支援するホットプロファイルを例に挙げ、実現イメージを解説していった。
では、いかに実践すればよいのか?
「セールスDXは、絶対に顧客情報のデジタル化/集約から始めないといけない。業務のフローや仕組みは、それがあってこその話」と藤田氏は強調する。
顧客情報のデジタル化に関しては、まず過去に接点のあった顧客の情報のデータベース化が考えられる。次に新規顧客だが、オンライン商談が主流の今、手渡しによる名刺交換は難しい。ホットプロファイルでは、オンライン名刺交換機能を搭載しており、スキャンしてデジタル化した紙の名刺情報はもちろん、Webフォームから入力されたデータや個別に保管している営業先リストなども含め、全ての顧客情報を集約/一元管理することが可能となっている。
また、集約したデータには、少なからず重複データが存在するはずだ。ホットプロファイルでは、データを自動で名寄せした上で業種や従業員数、役職といった企業属性情報を自動付与し、最新の情報に更新し続けることができるという。
「DXでは、まず最初にこうした『最新の情報が網羅されており、完全性が担保されたデータベース』が必要になります。しかし、実現できている企業はほとんどないという印象です」(藤田氏)
顧客情報をデジタル化し、集約して営業活動に活用する準備ができたら、次は顧客の興味を察知するフェーズへと進む。
インターネットが普及した現在、B2B業界における顧客の購買行動は大きく変化しており、コロナ禍以前に米国で行われた調査では、導入検討時に行う情報収集のうち、6割がWebで完了していることが明らかになったという。コロナ禍によって、こうした動きがさらに加速していることは間違いないだろう。こうしたことから、顧客の興味/関心を察知することと、その後の継続的なフォローがより一層重要になっているのだ。
そこでホットプロファイルが提供するのが、顧客がWebサイトを閲覧すると営業担当者に通知が届く「HOT通知」機能だ。顧客がいつ、どのページを見たのかを把握できるため、営業担当者は機動的に動くことが可能となる。
こうしてデータベースを整え、顧客の興味を察知した上で初めて、ニーズに基づいて顧客情報を活用するフェーズに進めるわけだ。ホットプロファイルでは、顧客情報に自動付与した属性と、検知した顧客行動を基にスコアリングし、ステータスに応じた適切な情報提供や次の行動を促すシナリオ設定が可能になっている。
「これらは別々のツールを用いても実現可能だが、ホットプロファイルならば1つのツールで完結できる」と藤田氏は強調する。
また、セールスDXを実践していくには、営業担当者の労力を増やさないことや、本心から“武器になる”と思ってもらうこと、複数のツールを使わせないこと、この3つの要件を満たしていることが非常に重要となる。
「営業視点で考えることこそが、セールスにおけるデジタル革新の最重要事項であり、ホットプロファイルのようなシステムの活用が極めて有効な理由でもあります」(藤田氏)
事例に見るホットプロファイルの導入効果
セッション終盤では、ホットプロファイルの導入効果を示す2社の事例が紹介された。
働き方改革を視野に入れた営業活動の活性化や効率化と、情報共有化による組織の営業力強化を目指してホットプロファイルを導入した日本バイリーンでは、報告書機能により社内の情報交換が活発化したほか、名刺管理機能による利便性向上/セキュリティ面の強化など、すでにさまざまな成果を得しているという。今後は、Webアクセス解析機能を営業活動に活用し、さらに発展的な取り組みを展開していく構えだ。
また、SCREENホールディングスでは、オンライン/オフラインの名刺交換による人脈の可視化や、顧客データと連動したイベントの展開などを実現。営業体制の強化にホットプロファイルを活用しているという。
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最後に藤田氏は、受注確度の高い企業をターゲティングできる新機能「ホットアプローチ」を紹介。同機能は、接点の有無に関わらず、優良見込み顧客を発掘し、効果的に新規商談を増やすことが可能になるというものだ。
さまざまな情報がデジタル化され、営業活動のオンライン化も進む昨今、蓄積された顧客データをいかに集約/一元管理し、活用していくかが今後のビジネスの成否を決めることはもはや言うまでもない。顧客軸でデータを可視化するホットプロファイルは、コロナ後を見据えた新たな営業プロセスの一翼を担ってくれるはずだ。
[PR]提供:ハンモック