そのため、従来と同じ感覚でPCを選ぶと性能や使い勝手の面で不満を覚え「イラッ」としてしまうことも。そこで本コラムでは、利用シーンごとに求められるPCの条件を浮き彫りにし、それぞれに合ったスペックや選び方を分かりやすく紹介していく。

今回のテーマは「CPU」。マルチタスクやWeb会議が前提の現代のビジネスシーンでは、いったいどのくらいのCPU性能が必要とされるのだろうか?

働き方の変化でCPUに求められる性能も高くなる傾向に

従来のようにオフィス勤務が中心の働き方だと、PCでの業務も比較的軽い作業が多く、CPUもほどほどの性能があれば問題なかった。業務内容によってはローエンド向けとなるIntelのCeleronやAMDのAthlonなどでも大きな支障はなく、CPUのグレードを上げるくらいならメモリの容量やストレージの性能を重視した方が快適になるケースもあったくらいだ。

IntelのCPUラインナップ(右側ほどハイグレード)
Intel Pentium/Celeron Intel Core i3 Intel Core i5 Intel Core i7 Intel Core i9
AMDのCPUラインナップ(右側ほどハイグレード)
Athlon Ryzen 3 Ryzen 5 Ryzen 7 Ryzen 9

とくに最近の世代はコア数やクロック数が増え、一昔前に比べるとCPU性能が大きく底上げされているためグレードの違いによる性能差が出にくいことも多い。Officeアプリを使った文書作成程度ならある程度余裕を見てもIntel Core i3やRyzen 3くらいで十分だったりする。

しかし、働き方改革でテレワークのような新しい働き方が浸透したことによって、その状況が変化しつつある。とくに大きく影響しているのがWebカメラを使ったオンライン会議だ。

たとえば、代表的なオンライン会議システムである「Zoom」や「Microsoft Teams」、「Skype」の場合、動作要件はそれぞれ次の通りになっている。

Zoomの動作要件
プロセッサー シングルコア1GHz以上
※デュアルコア2GHz以上(Intel Core i3/i5/i7またはAMDと同等)推奨
RAM 4GB以上推奨
Microsoft Teamsの動作要件
プロセッサー デュアルコア1.1GHz以上
RAM 4GB以上
Skypeの動作要件
プロセッサー シングルコア1GHz以上
RAM 512MB以上

これを見る限り、現在発売されているほとんどのPCは要件を満たしているため問題ないように思える。しかし、実際にはデュアルコアのCPUでは画面共有時のフレームレートが低下してカクつくため、ストレスなく利用するにはクアッドコア以上のCPUが必要となる。CPU使用率もグレードの低いプロセッサーほど高くなり、複数のタスクを行う(たとえばオンライン会議をしながらWordで資料を開いて参考にしたり、OneNoteでメモを取ったりするなど)とたちまち動作がもっさりしてくる。

また、Zoomには被写体の背景を好みの画像に差し替えられる「バーチャル背景」が搭載されているが、その機能を利用するとリアルタイムで被写体と背景画像を合成するためCPUにかかる負荷はグッと大きくなる。とくにフルHDでグリーンスクリーン(合成撮影用の緑色の背景布)なしの場合は第6世代以降のクアッドコアIntel Core i5またはRyzen 5以上のプロセッサーが必要となるなど、要件がシビア。テレワークでオンライン会議に参加する際にわざわざグリーンスクリーンを用意できる人は少ないと思われるので、実質的には第6世代以降のクアッドコアIntel Core i5またはRyzen 5が最低ラインとなるわけだ。

TeamsやSkypeも背景変更機能が搭載されているが、使用するにはAVX2対応プロセッサ(第4世代以降のIntel Coreプロセッサー、Ryzenなど)が必要になる。またTeamsの場合、「Teamsライブイベント」機能を使ってライブ配信するには第7世代Intel Core i5以降が必要になる。

このクラスのCPUであれば、ビデオ会議以外でもほとんどの用途で快適に利用することができる。ただし、業務で画像処理や動画編集などを行う場合はCPU性能だけでなくグラフィックス性能が影響することも少なくないため、Intelなら一般的なIntel UHDグラフィックスの倍近いパフォーマンスが得られるIris Plus グラフィックスやIris Xe グラフィックスを内蔵したCPUを選ぶとより快適だろう。AMDの場合は2世代前のRyzen 3000シリーズでもIris Plus グラフィックスに迫るグラフィック性能を持っているので、現行モデルなら同等以上の快適さが得られるはずだ。本格的な動画編集や3次元CADなどの専門的な業務なら、Intel Core i7やRyzen 7と外部GPU(QuadroやGeForceなど)の組み合わせが目安になるだろう。まとめると次の通りになる。

快適に業務を行うためのCPUの目安
業務内容 コア数 CPU
データ入力や文章編集など
軽い作業が中心
2コア~ Intel Pentium/Celeron、Athlon
Officeソフトを使った
軽めの文書作成など
2コア~ Intel Core i3、Ryzen 3
複数のアプリを併用した
文書作成やビデオ会議
4コア~ Intel Core i5、Ryzen 5
画像処理や軽めの動画編集 4コア~ Intel Core i5(Iris Plus/Xe内蔵)、Ryzen 5
本格的な動画編集や3DCAD
など専門的な業務
8コア~ Intel Core i7、Ryzen 7(Iris Plus/Xe内蔵)、Ryzen 7+外部GPU

新しい働き方に対応したビジネス向けPC

それでは、このようなCPU性能を持つビジネス向けPCは具体的にどのような製品があるのだろうか。ここでは、品質・サポートの高さで評価されるマウスコンピューターのビジネス向けPCブランド「MousePro」から、いくつかおすすめの製品を紹介していこう。

データ入力などの軽い作業が中心ならコスパに優れる「MousePro-NB510C2」

「MousePro NB5」シリーズは、15.6型の大型液晶ディスプレイと光学ドライブを搭載しながら、約2.1kgという軽量ボディを実現したスタンダードなノートPC。CPU別にラインナップが分かれており、Intel Core i7やIntel Core i5を搭載したモデルもあるが、本製品はIntel Celeronプロセッサー4205Uを採用することで最小構成時に82,280円(税込)というリーズナブルな価格を実現しており、事務作業などで使うPCを大量調達したい法人ユーザーに向く。タイピングしやすさを重視したテンキー付きキーボードを搭載しており、データ入力や文章入力が快適。オプションが豊富なため利用シーンに合わせてカスタマイズしやすいのもおすすめできるポイントだ。

MousePro-NB510C2(82,280円~/税込)

  • MousePro-NB510C2

【基本スペック】CPU:Intel Celeronプロセッサー4205U、グラフィックス:Intel UHDグラフィックス610、メモリ:8GB、SSD:256GB、サイズ:W361×D256×24.1mm(折り畳み時/ 突起部含まず)

⇒MousePro-NB510C2の詳細はコチラ

テレワークでのオンライン会議も快適な「MousePro-NB420H」

「MousePro NB4」シリーズは、14.0型液晶ディスプレイを採用しながら、約1.12kgという軽さを実現した薄型軽量ノートPC。第11世代Intel Core i7とIntel Core i5を搭載したモデルに大別できるが、本製品はIntel Core i5-1135G7プロセッサーを採用。コスパと性能のバランスがよく搭載しており、Office文書の作成や写真編集もストレスなく行うことができる。高速で遅延の少ない無線LAN規格のWi-Fi 6に対応しているため、大容量データのダウンロードやオンライン会議も快適。バッテリー駆動時間が約20時間と長いため、テレハーフで午前中のみ出社するような場合にACアダプターを一緒に持ち歩かなくても電池切れを心配せずにすむのも魅力的。

MousePro-NB420H(131,780円~/税込)

  • MousePro-NB420H

【基本スペック】CPU:Intel Core i5-1135G7プロセッサー、グラフィックス:インテルUHDグラフィックス、メモリ:8GB、SSD:256GB(NVMe対応)、サイズ:W322×D216.8×16.9mm(折り畳み時/ 突起部含まず)

⇒MousePro-NB420Hの詳細はコチラ


いずれも直販サイトではメモリやストレージなどをきめ細かくカスタマイズすることができる。また、1年間無償ピックアップ保証や24時間×365日電話対応など、手厚いサポートが受けられるのも魅力的。ビジネスPCの購入を検討しているユーザーは、一度チェックしてみてはいかがだろうか。

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