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デジタル化の波がすべての業種、業務に押し寄せています。ビデオ会議の頻度も高く、一般的なオフィス ユーザーでもグラフィックス需要が増大しています。テレワークの重要性が高まる今、これまで以上に仮想デスクトップの動作が遅いと感じ、パフォーマンスに悩まされているオフィス ユーザーが増えています。テレワークがニューノーマルとなった今、企業の課題は、生産性を犠牲にすることなく、オフィス ユーザーのすべての業務を快適に実現することですが、その現実は理想と異なっています。企業が直面しているテレワークの課題とは、どのようなものでしょうか。セキュリティ強化や管理性のメリットがあるVDIに、生産性を向上させるNVIDIA vGPUソリューション(NVIDIA 仮想GPUソリューション)を組み合わせることで快適なVDI環境を実現した、仮想デスクトップのプロフェッショナルであるITトップ企業2社の成功事例から、テレワーク時代に対応するための解決方法を探っていきます。

テレワークの課題を解決するNVIDIA vGPUソリューション

テレワークの急増は企業の情報システムに新たな課題をもたらしています。それは、仮想デスクトップの利用におけるCPU負荷の大幅な上昇と、低いパフォーマンスによる生産性の著しい低下です。Windows 10 の環境では、以前より大量のグラフィックス リソースが消費されます。例えば、Windows 10 が登場した 2017 年のバージョンでは、 Windows 7 と比較してグラフィックスへの要求が 32 %高まりました。翌2018 年のバージョンと比べると、実に50% も増加しています。Windows 10 上で動くアプリケーションでもグラフィックスへの要求は増加傾向で、テレワークで頻繁に利用されるZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議アプリケーションもCPUに大きな負荷をかけ、仮想デスクトップのパフォーマンスに大きな影響を及ぼしています。

PCやスマートフォンなどの端末では少なからず GPUが搭載され、CPU からグラフィックス処理をオフロードしています。仮想デスクトップでサーバーにGPUが搭載されていない場合、CPUがグラフィックス処理を肩代わりするため、CPUの負荷が増大し、仮想デスクトップの全体的なパフォーマンス低下を引き起こします。文字入力が遅れる、Webブラウザの表示が遅れる、ビデオ会議の映像や音声が途切れる、動画の再生がコマ落ちしカクカクする、といった現象が起きてしまいます。

こうした問題は、NVIDIA vGPUソリューションで解決できます。NVIDIA vGPUはサーバーに搭載された物理GPUのメモリを分割して仮想GPUを作成し、複数の仮想デスクトップから GPU の高いグラフィックス性能を効率的に共用することができます。仮想デスクトップのグラフィックスは GPUによって処理されるので、サーバーのCPU負荷が軽減され、パフォーマンスが大幅に改善されます。CPU負荷を20%~60%削減※1、ユーザー体感は約34%向上したデータ※2などもあります。OS やアプリケーションなど、さまざまな処理で利用されるCPUの負担が減ることで、快適なユーザー環境の提供を実現します。

全社員のスマートワークを支えるために、NVIDIA vGPUソリューションを導入したニッセイ情報テクノロジー

ニッセイ情報テクノロジー株式会社は、2014年から全社規模での「働き方改革」を推進してきました。同社のスマートワーク推進部では、働きやすく働きがいのある会社を実現するWork from Anywhere(どこで働いても成果をあげられる姿)に取り組む計画を立てていました。

スマートワークは、仮想デスクトップによるテレワークを基本とした働き方改革です。そのシステム構築に携わってきたクラウドサービス事業部 担当部長の伊丹康雄氏は「当社では2012年からVDI環境を整備してきました。しかし、サーバーOSで稼働していた旧システムは、パフォーマンスに課題がありました。そこで、2019年の春に社内業務システムをモバイル環境で利用できるよう、新たなVDIへの刷新に取り組むことになりました」と説明します。

  • ニッセイ情報テクノロジー クラウドサービス事業部 担当部長の伊丹康雄氏

    (クラウドサービス事業部 担当部長の伊丹康雄氏)

ニッセイ情報テクノロジーの旧VDIでは、CPUの負荷が高い状態が続いていました。動画の再生がコマ落ちしてしまい、日常的に使うOffice系アプリの処理速度にも問題があり、端末によってはVDIが使えるまでに数分かかることもありました。そこで伊丹氏は「Office系アプリ利用やWebブラウザ、動画再生やビデオ会議において、NVIDIA vGPUが有効であるとわかっていました。プロジェクトの当初はテレワークの同時利用を500名で想定して構築を開始、社内外のVDI基盤の統一を進めていました。その結果、急遽発令された緊急事態宣言でのリモート利用の急増にもスムーズに対応することができました」と話します。

NVIDIA M10を3基搭載したサーバーを76台、そして仮想GPU を実現するNVIDIA vPC ソフトウェアを導入し、約7,600名の社員やパートナーが利用できるVDIが構築されました。
伊丹氏は「仮想GPUによるCPU負荷の軽減は目覚しいものです。急激なテレワークの普及により、Microsoft Teamsなどのビデオ会議の開催が急増しましたが、ストレスのないVDI環境を実現しています」と評価しています。

ニッセイ情報テクノロジーでは、個人のスキルアップにもNVIDIA vGPUによるVDI 環境を活用し、さらなる働きやすさと働きがいの実現に取り組んでいます。伊丹氏は「劣化しないVDI環境を整備できたことで組織の機動力を向上することができました。今回の大規模VDI構築とスマートワーク推進のノウハウをセットにしたコンサルティング サービスの提供も計画しています。今後はJava のコーディングなど開発環境の仮想化も推進していきます」と展望を語ります。

>>ニッセイ情報テクノロジーの取り組みに関する詳細はこちらをご覧ください。

NVIDIA vGPU で「BizXaaS Office」の仮想デスクトップ サービスをパワーアップしたNTTデータ

株式会社NTTデータのビジネスソリューション事業本部では、安全かつ自由に社内システムやクラウド サービスを利用できるエンタープライズ向けデジタルワークスペースのBizXaaS Office(以下:BXO)を2010年から提供してきました。同事業本部のデジタルビジネスソリューション事業部 デジタルワークスペース統括部 部長の遠藤由則氏は「2015年からは、3年かけて国内のNTTデータの社員および協働者へ仮想デスクトップの段階導入をおこない、環境を整備してきました。さらに、現在では、NTTデータグループ向けにも利用は拡大しています」と説明します。

NTTデータ グループ内でも、1年くらい前からリモートで働く人たちが増えてきました。テレワークではビデオ会議が主流になってきており、ビデオ会議ではCPUリソースが大量に使用されるので、全体的にスローダウンしたりコマ落ちしたり、といった現象が見られるようになっていました。そこで、2019年度からNVIDIA vGPU の本格的な導入の準備を進めてきました。そんな中にコロナ禍となり、サーバー1台辺りNVIDIA T4を5基搭載して80名のユーザーに対応、NVIDIA vPC ソフトウェアを導入して、約2000名分の仮想GPUを使える仮想デスクトップ環境を2021年の1月に整備しました。

約2,000ユーザーを対象とした仮想GPUによる仮想デスクトップの提供開始について遠藤氏は「Windows 10によるオフィス系アプリケーション領域においても、仮想GPUの需要が高まると予測していました。2,000というユーザー数が、どのくらいの期間で払い出し完了となるのか、我々も結果に期待しています。社内の需要が高いようであれば、次は5,000ユーザーに対応したポッド(サーバー構成)の構築を検討できます。1ポッドの構成数が大きくなれば、それだけコストパフォーマンスに優れた仮想GPUによる仮想デスクトップを提供できます」と話します。

  • NTTデータ デジタルビジネスソリューション事業部 デジタルワークスペース統括部 部長の遠藤由則氏

    (デジタルビジネスソリューション事業部 デジタルワークスペース統括部 部長の遠藤由則氏)

遠藤氏は、仮想GPUによる仮想デスクトップがオフィス系アプリケーション領域でも標準的な構成となるように期待していると同時に「コロナ禍により、場当たり的に持ち帰ったPCから情報が漏洩するセキュリティ被害も発生しています。今後も、どんどん潜在的なセキュリティ リスクは広がると見ています。また、多くの企業の働き方改革につながるデジタル トランスフォーメーションが求められています。その解決策として、仮想GPUによる新たなBVDIを検討していただけたらと思います」と抱負を述べています。

>>NTTデータの取り組みに関する詳細はこちらをご覧ください。

テレワーク推進時代に対応した新しい働き方を支えるNVIDIA vGPU の可能性

仮想デスクトップのプロフェッショナルであるITトップ企業 2 社のNVIDIA vGPU ソリューションの成功事例は、テレワーク推進時代に対応した日本のテレワーク環境を劇的に改善したモデルケースといえるでしょう。テレワークの拡大に立ちはだかるCPU負荷増大によるパフォーマンス問題、生産性の低下という壁を乗り越える上で、グラフィックス リソースを大量に消費する Windows 10 環境の仮想デスクトップへのNVIDIA vGPUソリューションの導入は、大きな成果につながります。NVIDIA vGPU ソリューションは企業の情報システムの在り方に変革をもたらし、日本国内の働き方改革の前進を後押しすることでしょう。

2021年4月、NVIDIAは vGPUソリューションに対応するNVIDIA Ampere世代のGPUを発表しました。NVIDIA A10は新たに第2世代RTコアと第3世代Tensorコアを搭載し、仮想ワークステーションのパフォーマンスを前世代と比較して2.5倍のグラフィクス パフォーマンスを実現します。NVIDIA A16はナレッジワーカー向けにユーザー密度の向上を目指し、ボード1枚あたり最大64人の同時ユーザーを実現し、TCOを最大20%削減します。

>>NVIDIA A10 と A16 の詳細はこちらをご覧ください。

※1GPU無し構成(windows 10、vCPU-4コア、vMemory – 8GB、vDisk – 50GB、vGPU-無し)とGPU有り構成(Windows 10、vCPU – 2コア、vMemory – 8GB、vDisk – 50GB、vGPU – 1GB M10-1B/T4 -1B)の比較検証の結果で、実操作や状況により効果が変動します。

※2GPU無し構成とGPU有り構成の比較で、ホスト物理CPUが60-80%使用率の状態で、メール検索、Power Point編集、テキストスクロール、ウィンドウリサイズ、メール添付、Power Point 起動、YouTube、Google Map、Web GLのワークロードを実行した結果で、実操作や状況により効果が変動します。

※本記事はNVIDIAのBLOGから提供を受けております。著作権は同社に帰属します。

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