グローバル社会を生き抜くには、高度な専門性を備えた人材の育成が欠かせない。だがCOVID-19の感染拡大防止の観点から、教育の場でも密集・密接・密閉、いわゆる3密の回避が課題となっている。
日本インフォメーション株式会社のペーパーレス会議システム「スマートセッション」などのICT(情報通信技術)を活用し、この課題に取り組んでいるのが株式会社日立アカデミーだ。 今回は、研修サービス本部の高嶋宏明氏に「スマートセッション」導入の経緯と効果について伺った。
スマートセッション導入による研修のペーパーレス化
2019年4月に設立された株式会社日立アカデミーは、株式会社日立総合経営研修所、株式会社日立インフォメーションアカデミー、株式会社日立製作所 日立総合技術研修所が統合された研修機関だ。
IT 、OT、プロダクト、マネジメントに携わる人材に必要な知識やスキルを「研修」として提供し、ソーシャルイノベーションを実現するグローバルリーダーの育成を目指している。
研修サービス本部に所属し、研修に関わるテクノロジーの調査・企画・適用に携わる高嶋氏は、以前から距離が離れていても学習できるディスタンスラーニング(遠隔学習)の環境整備を進めていた。
その流れがCOVID-19の感染拡大によって加速。2021年3月には、集合研修の約半数をオンライン研修に切り替える予定だという。
一翼を担っているのが、日本インフォメーション株式会社のペーパーレス会議システム「スマートセッション」だ。
2015年、株式会社日立総合経営研修所が50周年を迎える節目に、グローバルリーダーが集い研鑽するにふさわしい研修環境の整備を目指し、「スマートセッション」を導入。
課題であった「資料の印刷にかかる時間とコスト」「紙資料の持ち運びにくさ、それに起因する復習機会の喪失」「紙のアンケートを集計する手間」を解決し、研修のペーパーレス化を推し進めた背景がある。
スマートセッションを導入した4つの大きな理由
2015年当時も、ペーパーレス化のサービスはいくつかあり、同社でも比較検討を行っていた。
「スマートセッション」には「アプリベースでの安定した動作」「手書きメモの使いやすさ」「シンプルな操作方法」「IDではなく端末(タブレットやPC)ごとの課金方式」の4つにおいて優位性があったと、高嶋氏は導入理由を語る。
1つ目の「アプリベースでの安定した動作」は、Webベースの他サービスと比べ、安定性とレスポンスに優れることが評価された。アプリベースであるがゆえに全画面表示が可能で、URLやメニューボタンが表示されないシンプルな見た目も長所に挙げている。
2つ目の「手書きメモの使いやすさ」は、実際に利用したうえで、もっともシンプルで書きやすく、なめらかにページを遷移できたのが「スマートセッション」だった。
3つ目の「シンプルな操作方法」が求められたのは、受講者が研修前の限られた時間で操作を覚える必要があるためだ。「スマートセッション」にはシンプルモードという機能があり、はじめて触れる人でも簡単にテキストを閲覧できるため、操作説明に余計な時間を取られない。
4つ目の「IDではなく端末(タブレットやPC)ごとの課金方式」は、コスト低減に役立っている。他サービスのほとんどがIDごとの課金であるのに対し、「スマートセッション」は端末の利用台数に応じた課金制。日立グループの全従業員が研修対象になるため、この方式によって大幅にコストを抑えられた。
紙資料との違いと受講者からの高い評価
「スマートセッション」を使った研修は、受講者から総じて良い反応が返ってきたそうだ。 「紙資料で机上が散らからない」「データ化により研修後の資料管理・閲覧がしやすくなった」「大量の資料を持ち帰る必要がない」「タブレットを使った研修は楽しかった」といった声が上がっており、先進的な取り組みが評価された。
また、当初は社内でテキストの電子化に否定的な意見もあったという。しかし、講師・受講者両方の立場で模擬講習を実施し、メリットを実感してもらうことで導入が進んだ。
高嶋氏は「導入当初は当社のネットワークが弱くトラブルもありましたが、サービス自体に問題があったことはほぼありません。また、トラブルが起こっても迅速かつ丁寧に対応してくれるので助かっています」と、導入後の安定性とサポートを高く評価する。
コロナ禍によって変わる新しい研修の形
「スマートセッション」導入から5年。安定性はいまも変わらず、研修をスムーズに運用できている。株式会社日立アカデミーの研修は、レクチャー型やグループワーク型など多岐にわたるため、今後も受講者に負担がかからないプラットフォームを提供したいという。
「COVID-19の感染拡大を境に、今後は集合研修からオンライン研修に主軸を切り替えていくことになるでしょう。ただし、オンライン研修は、受講者の集中力が続きにくいという側面も見えてきました。オンラインで参加する時間を区切って、一方向の講義ではなく双方向の対話を取り入れたり、講義部分の知識習得はEラーニングに置き換えたり、研修内容をアップデートしていく必要があります。日本インフォメーションさんには、このような情勢に合った機能を追加してもらえれば幸いです」と、高嶋氏はオンライン研修の価値を高められるよう、「スマートセッション」に期待を寄せている。
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