ネットワークをコアとしたICTシステムに関する企画やコンサルティング・設計・構築を展開するシステムインテグレーターであるNECネッツエスアイ株式会社では、先進技術の有効活用が重要なミッションとなっている。昨今は、クラウド移行やコンテナ化、ITインフラの自動化といったニーズが高まっており、顧客が求めるシステムを提供するためには新たなスキルの習得が不可欠。こうした状況に対応するため、同社ではRed Hatトレーニングを導入して実践的な技術の習得や認定資格の取得に取り組み、顧客の要望に応えられるエンジニアの育成を図っている。

本稿では、Red Hat Learning Subscription(RHLS)を受講した NECネッツエスアイ ソフトウェア開発部の森 一樹氏にお話を伺い、Red Hatトレーニングの大きな特徴である検証環境「ラボ」や実践的なスキル習得のポイントについて確認していく。

NECネッツエスアイ株式会社 デジタルソリューション事業本部 スマートインテグレーション事業部 ソフトウェア開発部 主任 森 一樹 氏

NECネッツエスアイ株式会社
デジタルソリューション事業本部
スマートインテグレーション事業部
ソフトウェア開発部 主任
森 一樹 氏

クラウドベースの「ラボ」を提供し、実践的なトレーニングでスキルアップを図る

幅広い業種のシステムインテグレーションを手がけるNECネッツエスアイでは、5年ほど前からRed Hatの認定クラウド&サービスプロバイダー(CCSP)として、Red Hat製品の活用を推進している。CCSPのパートナー契約には、Red Hatの認定資格取得が必要となることもあって、会社主導でRed Hatトレーニングの導入を決定。NECグループが目指す高い技術力を用いたサービスの提供というミッションに携わってきた森氏も、Red Hatとの付き合いは長く、自身が参画したプロジェクトでRed Hat Ansible(ITインフラの自動化を実現する構成管理ツール)を利用していたことをきっかけに、技術力の向上を目的にRed Hatトレーニングの受講を開始した。

「受講する前は、LPICの学習プログラムのようなイメージを持っていましたが、実際に受講してみて印象は大きく変わりました。各コースがしっかりと作り込まれているのはもちろん、実際に手を使ってハンズオンでトレーニングが行える環境である『ラボ』が用意されていて、実践的なトレーニングでスキルを習得できることが大きな魅力と感じました」

IT関連のトレーニングでは、検証環境の構築が大きなハードルとなると森氏。クラウドベースの「ラボ」が最初から提供されているのは、Red Hatトレーニングならではの大きなメリットと語る。さまざまなトレーニングコースと認定試験に対応したRed Hat Learning Subscription(RHLS)を受講した森氏は、法人向けLinuxディストリビューションであるRHEL(Red Hat Enterprise Linux)をはじめ、AnsibleやOpenShiftのトレーニングの受講を進めていったという。

「2020年に入ってコンテナ技術を扱う事業部に異動し、初めてコンテナに触れました。当然ながら他のメンバーはコンテナを扱えるので、いかに早く追いつくかが重要でした。『コンテナを知る』ところから始めなくてはならず、Red Hatのトレーニングはコンテナをキャッチアップするまでのペースを速めるという意味において大変役に立ちました」と森氏。現在はOpenShiftの認定資格をはじめ、KubernetesのCKA/CKADも取得するなど、専任メンバーを追い越すほどのコンテナ技術が身に付き、周りからの評価も変わってきたと話す。

森氏がRed Hatトレーニングの受講を本格化したのは2019年の6月。そこから1年半ほどトレーニングと各種認定試験を行い、RHEL、OpenShift や Ansible の認定資格を取得し RHCA に認定された。

「受講のペースは、平日の業務後に1時間ほどインプットメインのトレーニングを受講、週末はアウトプットでハンズオンを3時間ほど行いました。ハンズオンはまとまった時間がないと難しいので、週末に行うことが多かったですね。Red Hatトレーニングではコースの冒頭で詳細な説明が入り、その内容を理解して進めていくことでスムーズにスキルが習得できるので、難しいと感じたコースはほとんどありませんでした」

現在は、顧客からのニーズが高まっているコンテナ(OpenShift)に関連した分散ストレージソフトウェア「Ceph(セフ)」やマイクロサービス間の通信を管理する技術となる「サービスメッシュ」のトレーニングを受講するなど、エンジニアとしてのさらなるスキル向上に取り組んでいるという。

技術が「わかる」だけでなく、技術を活用「できる」トレーニングを実現

Red Hatトレーニングには、クラウドベースのラボを利用したハンズオンのほか、インストラクター指導によるライブトレーニングをインターネットを介して行うバーチャルトレーニングも用意されている。さらに認定資格試験が実技形式となっているなど、非常に実践的なトレーニング方式を採用している。

「他の認定資格は、テキストを読んで理解し、説明ができることを問う問題が多いのですが、Red Hatの認定資格は実技試験がメインで、実際に使えないと合格できません。エンジニアに求められるのは技術が『わかる』ことに加えて、技術の活用が『できる』ことだと個人的に感じており、できることを証明するRed Hatの認定資格には大きな意味があると思います」と森氏は話し、オンラインで実践的なスキルを習得できるRed Hat トレーニングを高く評価する。

森氏は、Red Hatの製品・サービスを活用するためのスキルを自主的に習得できるRHLSを、新入社員の教育用としても好適と評価している。

「新入社員の教育は詰め込み型が多く、現場に入ってみると言葉はわかっても実際にサーバの設定方法で悩むことがあるように感じています。Red Hatトレーニングのハンズオンで、実際にサーバの設定などを実践していれば、先輩の手を借りることなく、ある程度のサーバ設定を自主的に行えるため、新入社員の自信に繋がると考えています」

森氏の部署では、すでに実験的な取り組みとして新入社員にRed Hatラーニングを受講してもらい、RHELやOpenShiftの認定試験に合格するなど期待どおりの成果を得られているという。

さらに森氏は、サブスクリプションで柔軟なコース選択が行えるRHLSは、新入社員だけでなく専門分野の技術力を高めたいすべてのエンジニアにとって価値があると力を込める。

「RHLSはスキルパスが提供されており、技術力を延ばしたい分野に合わせて選択することで効率的なトレーニングが行えます。弊社では、コンテナ技術や自動化のスキルアップを目的に、OpenShift や Ansibleといったコースの受講を推奨しており、現場で活躍しているエンジニアの資格取得数も増えています」

チーム単位での受講やコミュニティへの参加でモチベーションを更に高める

オンラインで提供されるRHLSは、コンテンツのアップデートも頻繁に行われるため、最新技術への対応も容易。ライフサイクルの早いRed Hat製品を扱うエンジニアにとっての価値は高い。森氏は、Red Hatトレーニングをスムーズに進めるポイントとして、複数のメンバーでの参加をあげる。

「1人で行うオンライントレーニングは、モチベーションを保つのが難しい側面があります。チームメンバー全員が受講していれば、ハンズオンで感じた疑問もメンバーに質問して解消でき、皆と一緒に取り組んでいるという意識がモチベーション維持につながると思います」

Red HatのCCSPであるNECネッツエスアイはRed Hat製品を業務で使うことが多く、特にRHEL、Ansible、OpenShiftは利用頻度の高いソリューションと森氏。その認定資格が取得できることも、Red Hatトレーニングを続ける大きなモチベーションになっていると話す。森氏自身は、社外のコミュニティイベントに参加し、第一線で活躍している参加者からよい刺激を受けることで、モチベーションを維持しているという。

「トレーニングを受講する気が起きない時期は定期的にありましたが、その際はAnsibleもくもく会や、OpenShift Meetupなどのコミュニティに参加することで、やる気をもらっています」

オンラインで多様なコースを受講でき、「ラボ」によって実践的なトレーニングが行えるRed Hatトレーニングは、NECネッツエスアイを含むNECグループのエンジニア全体のスキルアップに大きく貢献している。森氏は「今後はコンテナセキュリティを受講する予定です。OpenShiftに関するスキルもまだ弱いので、関連トレーニングを受講し強化していきたいと考えています」と個人的な展望を語るとともに、NECグループ全体の技術力向上にRed Hatトレーニングを活用していければと期待を口にする。

ビジネスの展開に先進技術の活用が不可欠となった現代において、顧客のニーズに応える技術力を実現するため、積極的に最新端のトレーニングを利用するNECネッツエスアイのビジョンは注目に値する。Red Hat製品を扱うすべてのエンジニアは、今後も注視していく必要があるだろう。

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