日立システムズは、幅広い規模・業種にわたる業務システムの構築に加え、データセンター、ネットワークやセキュリティの運用・監視センター、コンタクトセンター、全国約300カ所のサービス拠点といった多彩なサービスインフラを活かしたシステム運用・監視・保守を強みとする、ITサービス企業である。同社に在籍する板井光輝氏は、卓越した数学知識をデータサイエンスによる社内経営課題の解決に活かし、そのノウハウ・経験をふまえた顧客の業務データ分析への適用にも取り組んでいる。そんな板井氏が、SEとして日立システムズに入社後、データサイエンティスト※として活躍するに至ったストーリーを紹介しよう。
※データサイエンティスト:データサイエンス力、データエンジニアリング力をベースにデータから価値を創出し、ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナルのこと(一般社団法人データサイエンティスト協会の定義より)。
板井光輝氏
株式会社日立システムズ IT本部 DX推進センタ コンサルタント
立命館大学 数理科学科を首席で卒業、大阪大学大学院で応用解析学を専攻したのち、2013年に日立システムズに入社。SEとして社内ITシステムの開発に従事後、2016年よりデータ分析専門チーム(現DX推進センタ)に参加。2019年にはデータサイエンティスト技術リーダーとして課長相当職に抜擢。現在は、数学理論や分析モデルなどに関する最新技術の調査研究と実践に取り組むほか、AIを活用したデータ分析サービスを通じて顧客の経営課題の解決を支援している。また、データサイエンス人材育成のため、社内外に実践的スキルを伝える講師としても活躍中。
学生時代に数理科学を追求した板井氏がスキルの活かし方を模索
「データサイエンスでお客さまの経営課題を解決し、ひいては社会に貢献したい」
そう語る板井氏は、ビジネス、データサイエンス、データエンジニアリングのスペシャリストで構成されたIT本部DX推進センタに所属。現在は社内随一の数学知識を持つデータサイエンスのスペシャリストとして、社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や顧客の経営課題の解決を支援している。
そんな板井氏だが、入社当初は自身のスキルの活かし方を模索していたという。学生時代に数理科学を専攻し、卒業後も大学院に進み研究を重ねた経歴を持つ板井氏。そのまま研究の道に進むのではなく、理論を実践するためにプログラミングスキルを身に付け、社会に貢献したいと考え、日立システムズに入社した。将来的に会社のさまざまな情報を俯瞰的に見ることができるとの期待から、自身が希望した情報システム部門への配属が叶うものの、その当時はビッグデータ時代の夜明け前。思い描いていたイメージと担当業務のギャップに苦しんでいた。
そのような中で迎えた入社4年目の2016年、事態が好転する。DXの推進に向けて、社内でデータサイエンティスト専門チームが新設されたのだ。データサイエンスは、本質的な経営課題・業務課題を見極め、課題に即して適切にデータを整理し、適切な分析プログラムを実装できなければならない。そのため、データサイエンティストには大きく3つのスキルセットが必要とされる。
①ビジネス力:背景を理解したうえで、ビジネス課題を整理し、解決する力
②データサイエンス力:情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知識を習得し・活用する力
③データエンジニアリング力:データサイエンスを意味のある形で使えるようにし、実装・運用できるようにする力
しかし、これら全てを高度に備えた人材は世界中を探しても極めて稀とされるため、日立システムズでは社内外から各分野のスペシャリストを集め、専門チームを立ち上げた。そこで板井氏は、卓越した数学知識に基づくデータサイエンス力を見出されてチームに参加し、ビジネス分析が得意なメンバーやプログラミング能力に長けたメンバーとともに、データサイエンティストとしての第一歩を踏みだしたというわけだ。
同チームはその後、日立システムズの経営課題、現場課題、そして顧客の課題をDXにより解決するため、2020年にDX推進センタとして組織体制が強化される。そこで板井氏は、課題解決に適したアルゴリズムの選定や、既存手法では解決できない課題に対する新たなアルゴリズムの考案、データ分析事業の支援、先端分析技法の調査研究、人材育成などを担当した。
特にデータ分析事業の支援では、AIを活用した分析サービスを提供している事業部門と定期的なカンファレンスを開催。データサイエンスのスペシャリストとして、分析するデータを適切な形へ整形するためのクレンジング(欠測値の補完や異常値の排除)など、分析精度を上げるためにはどうすべきかなどをアドバイスしている。
なお、板井氏が所属するこのDX推進センタは、納豆型の組織(粒がしっかりしていて、絡まっている様子)になぞらえられ、今後も粒としての役割を極めつつ、数学という糸でチームメンバーがつながりながら、チームとしての価値を提供していくことが期待されているという。
「培ってきた数学知識を活かして、お客さまの経営課題の解決に貢献できていると実感しています。今後もデータサイエンティストとしてスキルアップを積み重ね、チームとしてお客さまや社会に貢献していきたい」と、生き生きと語る板井氏。類まれなる数学知識をビジネスや社会で実践的に活かす板井氏は、これからの日立システムズの事業、ひいてはデータサイエンスの未来になくてはならない存在といえるだろう。
板井氏のミッションとは
■数学的知見を活かし、AIを活用したデータ分析サービスの精度向上に貢献
板井氏をはじめとするデータサイエンティストたちは、データ分析ソリューションや機械学習を自動化するプラットフォーム「DataRobot」など、日立システムズが提供するさまざまなデータ分析サービスの分析精度向上やサービス強化を支援している。将来的には、ERPの導入段階からその後のデータ利活用を見据えて分析がしやすいデータ構造を提案するなど、顧客の経営課題の解決に向けてシステム導入段階から支援していくことも視野に入れているとのことだ。
■毎月300本の技術論文をチェックし、新たな分析アプローチを実践
既存のAIツールでは解決できないような課題の解決を支援するため、たえず新たな技術や手法を調査・研究し、より適切なデータ分析ができるよう努めている。たとえば、全世界の数学や物理など最新の技術論文が集まるWebサイトを活用し、毎月300本以上の技術論文をチェック。インプットした新たな知識や技術を自身の数学知識と組み合わせて新たなアルゴリズムを作り出すなど、顧客に合わせて最適な分析アプローチができるよう、常にアンテナを張り実践している。
■社内外で講演を行い、“将来のデータサイエンティスト人材”を育成
自身の知識や業務経験による実践的なデータサイエンスについて社内外で精力的に講演し(講演人数のべ650名、講演回数のべ17回)、人材育成や採用活動に貢献している。社内では分析スキルの向上につながる数学の活用方法について研修を実施。社外では大阪大学や神戸大学、立命館大学などと連携し、データサイエンティスト志望の学生に向けて、DX推進センタのミッションや実務プロセスについての講演を実施。また、中学・高校生に向けて数学や統計学の知識を社会で役立てるための授業を行うなど、社内外の“将来のデータサイエンティスト”育成に取り組んでいる。
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※本内容は2020年9月時点の情報です。本コンテンツに記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があることをご了承ください。
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