日本のインターネットを黎明期から支え続けるクララオンラインが、2020年10月に提供を開始した新サービス「Clara WSI Solution」。セキュアなリモートワーク環境を実現し、顧客企業のDXと生産性向上、そして働き方改革をサポートする本ソリューションは、具体的にどのようなものなのか。2回目となる今回は、同社でクラウドインフラエンジニアを務める竹西 宏真氏と、社内のIT業務全般を担当する山崎 隼人氏に、Clara WSI Solutionの目指すところや期待できる効果について話を聞いた。
<前半>
“崖“に近づく中堅・中小企業を救う!
【DX化への第一歩】
ゼロトラストなリモートワーク支援ソリューションとは
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ノウハウをベースとしたツール選定と技術サポート
まずは前回のおさらいから始めよう。Clara WSI Solutionは、社内ネットワークは安全であるという従来の考え方を離れ、ネットワーク・デバイス・人を信用せず繰り返し検証し判断する「ゼロトラスト」の概念に基づき、クラウドベースのリモートアクセス、ゲートウェイセキュリティ、エンドポイントセキュリティ、ID管理の4つの機能を実現するツールをパッケージ化して提供するものだ。
クララオンラインではこのClara WSI Solutionを、従業員100~1000人規模の中堅クラスの企業を主なターゲットに設定している。DXの推進という世の中の流れに加え、新型コロナウイルスの影響でリモートワーク導入やニューノーマル時代に合わせたシステム刷新を急速に進めなければならなくなった。しかし多くのクラウドソリューションは大企業向けであり、中堅規模の企業はクラウド市場から取り残されているのが現状だ。こうした層の企業のDX推進をサポートし、新しい時代に即した柔軟な働き方の実現に貢献したいという思いが、今回のソリューション開発の背景にある。Okta社やNetskope社といった、さまざまなベンダーの製品をパッケージ化して提案する理由について、竹西 氏は次のように説明する。
「安全・安心なリモートワークの実現に向けて、パッケージに含まれる各製品を単体で採用しても、もちろん素晴らしい効果を発揮できます。ただ、各製品を個別に導入し、連携して活用するにはIT担当者のスキルが要求されますし、製品の選定と環境構築には時間や手間もかかります。また、導入にあたりゼロトラストの概念をあらかじめ理解しようとすれば、その学習コストも大きくなるでしょう」
たしかに、ターゲットとなる規模の企業では専任のIT・情報システム担当者がおらず、他の業務と兼任しているケースも多い。ゼロトラストの考え方に基づく製品は最近急激に増えており、担当者はその選定や組み合わせにも悩むはずだ。
「Clara WSI Solutionでは、製品の選定と組み合わせという面倒な部分はこれまでの実績と経験からノウハウを培ってきた当社が担い、付加価値として導入・運用にまつわる技術的なサポートも当社が提供します。これにより、ゼロトラストの概念を取り入れたビジネス環境を迅速かつスムーズに整えることが可能になります」と竹西氏は強調する。
自社導入の経験を活かした“顧客に寄り添う”提案を
そうした観点から、Clara WSI Solutionで用意されるツールの組み合わせは3つのステップに応じて選択できるという。 1つ目は、クラウドベースのリモートワークを迅速に整備したい顧客に向けてソリューションを提供するステップ。2つ目は、すでにクラウドやリモートワークの環境はある程度整っているが、セキュリティをより強化し、運用コストも下げたいと考える顧客に対し、IT管理やシャドーIT可視化をサポートするステップ。そして3つ目が、エンドポイントセキュリティを加え、すべてのツールを組み合わせることで、ゼロトラストモデルを実現するステップだ。
「そもそも今回のソリューション開発にあたっては、お客様に提供するツールをまず自社で活用・検証しています。ですから、導入に際してまずやるべきことは何か、実際にどう運用していくのが効果的かを、自社で実践した経験からご提案し、導入後もニーズに合わせて対応することが可能です」と山崎氏はいう。顧客のDX実現に向け、導入時はもちろん、運用開始後も定期的なミーティングなどによって丁寧なサポートを続けていく。ソリューションの根底に、こうした“顧客に寄り添う”姿勢があることが感じられる。
さらに「コスト面や導入のしやすさに関してもメリットを実感していただけます」と山崎氏が付け加える。
「通常、この種のソリューションは年額のサブスクリプションで提供されるケースが多いのですが、Clara WSI Solutionは月額のサブスクリプションモデルを採用しています。まずはトライアル的にスタートしたり、ミニマムで始めてその後上のステップへ進んだりと、柔軟な導入スタイルに対応できるのも強みといえます」
リモートワークを推進するさまざまなアドバンテージ
では、具体的に本ソリューションは企業のどのような課題解決に役立つのだろうか。 たとえば、現在は多くの企業がさまざまな業務でSaaSに代表されるクラウドサービスを利用している。そもそも業務で使用する端末やシステムでもログインが必須となっており、いまや企業にはいくつものID(アカウント)が存在する。その一つひとつで個別に設定したIDを使いログインを行うのは大変な作業であり、パスワード管理などセキュリティ面を考えても心もとない。そこにIDを統合管理するツールを導入すれば、セキュリティを保ったまま、各サービスのアカウントを便利に利用できるようになる。もちろん社員のIDを盗用して侵入を試みるような不正アクセスに対しても効果を発揮する。
また、多様なクラウドサービスを利用していると、個人情報のような機微なデータを社員が無意識にアップロードしてしまうケースもある。とりわけリモートワーク環境下では、どういったデータをどのサービスにアップしているかを把握するのは至難の業だ。Clara WSI Solutionに含まれるセキュリティツールを導入しておけば、そうした場合の捕捉や対応が可能になる。
さらには、昨今の高度化したサイバー攻撃に、社内外の境界、すなわちネットワークの出入り口で防御を試みる従来型のセキュリティツールではもはや対応が難しい。この点でも本ソリューションの次世代型エンドポイントセキュリティなら、怪しい動きの検知や防御を効果的に実現できる。
「リモートワーク環境では、自宅のパソコンで業務を行うケースも増えます。こうした場合でもクラウドの利用を前提としたセキュリティ製品であれば、端末に依存せずに自社のデータや環境を守るセキュリティを担保することができます」と山崎氏。また竹西氏も「現時点ではVPNでリモートアクセスを実現している企業も多いと思いますが、コロナ禍で利用が急増し、VPNが逼迫しているという話をよく聞きます。VPNは高価ですからスケールアウトが難しく、スケールアップにもコストがかかります。クラウドベースの本ソリューションなら、コストを抑えつつ、セキュアで利用しやすいリモートワーク環境を整備できます」と話す。
ビジネスプラットフォームとして描く未来像
Clara WSI Solutionの展開自体は始まったばかりで、まだまだ改良したい部分もあると竹西氏はいう。今後導入が増えていくにつれてナレッジが蓄積され、さらなる発展につながっていくはずだ。
「最終的には、クラウドやオンプレミスにあるサービスに対して、ユーザーがセキュリティも何も意識せずにアクセスでき、しかもセキュリティは堅固に担保されている、そうした状況を実現したいですね。これからお客様と二人三脚で発展させていきたいと考えています」と竹西氏は話す。
また山崎氏は「導入のために悩むところは私たちが悩み尽くしているので、セキュリティはもちろんコストや使いやすさの面でも安心して導入していただけるソリューションになっています」とした上で、将来に向けた展望を次のように語った。
「Clara WSI Solution自体がお客様のITインフラのベースとなることが、目指す未来像です。このソリューションをハブとしてお客様がさまざまなビジネス価値を実現したり、当社としてもそこに新たなサービスを提供したりできるような、一つのプラットフォームとして育てていきたいと思います」
●本ソリューションは「The Border」で詳細を解説します! 2020年12月3日(水)開催
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