産業界におけるAI活用に向けた”発見”を提供することをテーマに、アヴネットが主催するオンラインイベント『AI Discovery Day 2020』が11月26日に開催される。本稿では前回、キーノートセッションとアヴネットセッションを取り上げたが、今回はアヴネットのサプライヤー各社によるセッションを紹介したい。
マイクロソフト
最初に紹介するのはマイクロソフトのセッション。同社で業務執行役員 IoT&MR営業本部長を務める菖蒲谷 雄氏が「マイクロソフトの製造業におけるDX実現への取り組み」と題したセッションを行う。
マイクロソフトは、昨今のCOVID-19に代表されるように不確実性の高いビジネス環境において、顧客が環境変化に対応し、競争力を向上させるための手段として、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが重要となってくるとする。そのDXのキーワードとして同社が掲げているのが“Intelligent Edge, Intelligent Cloud”である。つまり、データを収集し、それを活用するという、IoTの重要性を改めて提唱しているわけだ。
セッションでは、データを収集し活用する、それぞれのフェーズにおけるエッジとクラウドの使い分けや連携についてAIの最適な運用という観点からの提案や、主に製造業の顧客事例を中心にAIを活用したDX及びIoTへの取り組みを説明するとともに、エッジからクラウドまでをカバーする同社の包括的な製品・ソリューション群を紹介されることとなっており、今後この分野の取り組みを検討されている顧客やパートナーへのDX推進を支援していきたい、とする。
ザイリンクス
ザイリンクスのセッション「すぐ試せる!エッジからクラウドまで対応するアダプティブなAIプラットフォームとは」には、データセンターグループ シニアFAEマネージャーの堀江 義弘氏が登壇する。
ザイリンクスの提供するAI推論プラットフォームは、エッジからクラウドまでアダプティブに対応可能で、高い処理性能と低消費電力、さらに低遅延を同時に実現できる。
ザイリンクスといえばFPGAのトップベンダーであるが、これまでFPGAを利用するためにはVerilogなどのハードウェア記述言語の知識と、ハードウェア開発の経験が少なからず必要で、これがFPGAの利用を妨げる最大の要因となっていた。これを解決するのが同社のAI推論プラットフォームであり、Vitisと呼ばれるライブラリ群を含めたソフトウェアプラットフォームをFPGAと組み合わせることで、FPGAの経験がない(または乏しい)ソフトウェア開発者でもFPGAが容易に使えるようになるという同社の新しい取り組みでもある。
セッションでは、"すぐ試せる"環境の紹介も交えつつ、同社のAI推論プラットフォームが解説される予定となっている。
関連リンク
AI 推論の高速化 Vitis AI
NXPジャパン
NXPジャパンからは、マーケティング統括部 MCUプロダクト・マーケティング 橋本 耕太郎氏が登壇。「低価格にエッジAIを実現するNXPのマイコン・ソリューション」と題し、同社のソリューションが紹介される。
NXPジャパンは他社に先駆けて、MCUでAIを利用することに注力しており、最近ではArmの新しいEthos-N65というMCU向けNPUを同社の次世代の製品に統合することを発表したことで話題となった。
セッションではそのNXPのMCUを利用して、低価格にEdge AIを実現するためのソリューションとして、NXPのi.MX RTクロスオーバー・マイクロコントローラを用いて、短期間かつ容易にAIアプリケーション開発を実現するターンキー・ソリューションと、プロセッサからマイコンまでスケーラブルにAI実装をサポートするフレームワーク「eIQ」が紹介される。
i.MX RTシリーズは高性能CPUコアをベースに、オーディオ処理や2Dグラフィック、リアルタイム処理など様々な分野に向けた周辺回路を組み合わせたラインナップが用意され、例えばクラウドと連携したSmart SpeakerなどのIoT機器としての利用や、最大4つまでのモータ制御可能という特徴を生かした産業機器の利用など、広い分野での活用が可能となっており、エッジAIに焦点を当てたセッションとなる予定だ。
関連リンク
AI and Machine Learning(英文) Edge Ready Solutions(英文)
On Semiconductor
On Semiconductorは、「AIシステムにおけるイメージングデバイスの役割」というタイトルで、Regional Marketing Manager, Intelligent Sensing Group 和久井 玄吾氏がセッションを行う。
昨今のAIが、画像認識をベースにしたものが多数なのはご存じの通り。これには現在広く使われているCNNという技法が元々画像認識のコンテストのなかから発展したことで、研究や応用が画像認識で先行したという背景がある。
このため産業向けにおいても、カメラを利用した画像認識が先行しており、元々産業界でもマシンビジョンとして、たとえばラインにおける不良品検出や、大規模チェーン店における顧客の導線分析、監視カメラによる不審者の検出や追跡など、さまざまな利用がなされている。
また近年ではスマートフォン、自動車、製造現場、医療、リテール、監視、ウエアハウスなど、多くの場所でセンシングデバイスとしてイメージセンサーが利用されるようになり、これがAI技術の成長でますます広まりつつある。ただ、イメージセンサーなら何でも良いという訳ではなく、適材適所でニーズに合わせたイメージセンサーを選ぶことが重要になってくる。同社のセッションでは、こうした高まる需要にあわせたCMOSイメージセンサー選定のポイントを紹介する。
同社はマシンビジョンやMR向けのグローバルシャッターイメージセンサー AR0234CSや高解像度の産業用イメージセンサーであるXGSシリーズ新製品なども最近発表しており、こうした新製品についてもセッションのなかで解説される予定だ。
関連リンク
オン・セミコンダクター、マシンビジョンと複合現実(MR)アプリケーション向け高性能CMOSグローバルシャッタ・イメージセンサ「AR0234CS」を発表 オン・セミコンダクター、高解像度の産業用イメージングを強化するXGS CMOSイメージセンサファミリの新製品を発表
AI Discovery Day 2020では、前回紹介したキーノートセッションとアヴネットセッション、サプライヤーごとのセッションにだけでなく、今回紹介した各社が一堂に会するライブセッションの開催も予定されている。エッジからクラウドまで、AI活用のヒントを包括的な視点から得られるまたとないオンラインイベント「AI Discovery Day 2020」は、11月26日開催(参加費用無料 / 要事前申し込み)。詳細・申し込みはこちら。
関連記事
キーノートには日本のAI / FPGAの第一人者 TAI 中原 啓貴氏が登壇!
AIの産業利用に向けた"発見"を提供する――AI Discovery Day 2020の開催が決定!
AI Discovery Day 2020開催概要
日時
2020年11月26日(木)13時~16時10分(予定)
会場
オンライン開催
お申し込み方法
事前お申し込みが必要。申し込みはこちらのフォームよりご登録ください。
参加方法
専用webサイトにて配信予定。参加ご登録の方にイベントURLをお知らせします。
参加費
無料
主催
アヴネット株式会社
協賛企業
日本マイクロソフト株式会社、ザイリンクス株式会社、NXPジャパン株式会社、オン・セミコンダクター株式会社
監修
マイナビニュース
イベントの詳細、更新情報はAI Discovery Day 2020のHPをご確認ください。
AI Discovery Day 2020 運営事務局
株式会社ディー・フリー aidd2020@d-free.co.jp
[PR]提供:アヴネット