ウェビナー開催の目的の多くは、見込み顧客の獲得にあります。開催して終わりでなく、視聴者に対して適切なアプローチをとること、これにより商談や成約に結び付けることが重要です。この記事では、ウェビナー後のフォロー効率を高めるための、「アンケートのポイント」を解説します。

  • アンケートのポイント

ウェビナーでは対面型と異なるフォローが必要

イベントで見込み顧客を増やす場合、つい最近までは、セミナーや展示会といった「対面型」を採るケースがほとんどでした。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、イベントマーケテイングは一変。オンラインを通じたウェビナーへと姿を変えました。ここで留意しなくてはならないのは、対面型と同じ形の顧客フォローでは成果を最大化することができないということです。大きく2つ、理由を説明しましょう。

その場でフォローができない

対面型のイベントでは、開催している最終で見込み顧客と接触できる機会があります。セミナーなら講演間の隙間時間やセミナー終了後に、展示会ならば来場者がブースへ訪れた時などに、営業担当が直接その場で見こみ顧客へ話かけ、課題のヒアリングや商談の取り付けなどが行えたのです。

一方、ウェビナーの場合、物理的な制約や配信ツールの仕様上、見込み顧客がウェビナーを視聴したその場で商談を行うことは困難です。バーチャル展示会のように「チャットベースの商談機会」を提供するサービスも一部ありますが、そのようなものは少数で、基本的にはウェビナー開催の後に何かしらの方法でプッシュ的にアプローチすることが求められます。

電話でのコンタクトが取りにくい

プッシュ的なアプローチと聞くと、多くの方は電話という手法をイメージするでしょう。確かに、見込み顧客の課題をヒアリングしたりその場で解決策とともに自社サービスを紹介したりする上で、インタラクティブなコミュニケーションが図れる電話は有効な手法でした。ただ、"でした" と表現している通り、これもまた、新型コロナウイルス感染症対応でテレワークを採用する企業が増加したことから、電話しても繋がらないといったケースが増えています。

対面型イベントではできていた会場での直接フォローができない。開催後の電話も、以前のようには見込み顧客につながらない。こうした理由から、ウェビナー開催後のフォローは、手法を従来の在り方から大きく変える必要があります。

アンケートがフォロー効率を高める鍵

ウィズコロナ時代の今、ウェビナーで獲得した見込み顧客の多くは、メールマーケティングでナーチャリングすることとなります。ただ、全ての見込み顧客へ同一のメッセージを送るっていては、残念ながら成果を高めていくことはできません。各社が抱える課題はそれぞれ異なるからです。

例えば、サービスの選定フェーズにはまだ至っておらず市場動向や最新トレンドについて情報収集するために参加したAさんと、既に選定のフェーズにあってサービスの細かな情報が知りたくて参加したBさんがいたとしましょう。Aさんはウェビナーを受けて、トレンドを深堀った情報や他にどんな類似サービスがあるのかといった情報が次に得たいと推測されます。一方、Bさんは、ウェビナーでサービス仕様に納得したならば見積などの連絡がほしいでしょうし、思ったサービスでなかったと感じたならばその印象を払拭する情報を企業からは求めるでしょう。この2つだけをみても、「次に届けるべき情報」が異なるのは明白。実際には参加した数に近い分だけこのパターンがあります。

この、「次に届けるべき情報」を明確にするうえで有効なのが、ウェビナー開催時に収集するアンケートというわけです。「誰が」「どんな情報を求めてウェビナーに参加して」「ウェビナー参加でどんな考えに至ったのか」この3つをアンケートで明確にすれば、「次に届けるべき情報」を設計することができます。この設計に準じたメールマーケティングを実践すれば、開封率や返信率は大きく改善できるはずです。

アンケート項目のポイント

  • ポイント

見込み顧客の情報をこと細かく知りたいというのが、マーケティング担当の心情でしょう。ただ、多すぎる設問は、回答者をうんざりさせてしまいます。アンケート回収率をかんがえるならば、設問数は最小限に抑えるのが得策です。

アンケートで取得すべきは、既述した「誰が」「どんな情報を求めてウェビナーに参加して」「ウェビナー参加でどんな考えに至ったのか」の3点。「誰が」は名刺情報から分かりますから、ここでは「どんな情報を求めてウェビナーに参加して」「ウェビナー参加でどんな考えに至ったのか」を聞くためにどんな設問を用意すべきか、紹介しましょう。

必須設問1:ウェビナー受講の目的

「このウェビナーを受講した目的を教えてください(FA)」という設問は、必ず用意するようにしましょう。見込み顧客が今どんな課題を抱えているのか、どんなフェーズにあって何を求めているのかが、回答内容から判断できるからです。フリーアンサーで取得するのが理想ですが、もしアンケート収集率が伸び悩むようならば選択式にするのも手です。

必須設問2:受講目的がクリアになったか

受講目的を聞いた流れで、今度は「受講目的に叶う情報が得られましたか(Yes/No)」という趣旨の設問を用意しましょう。また、「その理由を教えてください(FA)」の項目も忘れず用意。受講目的がサービス詳細の把握でYesと回答したならば「提案」「見積提出」を、情報収集が目的でNoと回答したならば理由を踏まえた「情報提供」を、というように、次のアクションを具体化することができます。

必須設問3:サービスに関するリクエスト

情報収集目的で必須設問2もYesと回答した方は、次のアクションの糸口がなかなか見出せません。ただ、そういった受講者の中にも検討可能性のある方は眠っています。それを逃さない意味でも、自社サービスに関するリクエストについて、必ず設問に盛り込むようにしましょう。サンプルとしては、以下のような設問になります。

「〇〇(サービス名)」について当てはまるものを選択してください。
製品資料がほしい
詳しい話が聞きたい
デモを行ってほしい
見積りがほしい
特にない

回収率を高めるポイント

アンケートの回収率は、マーケティング担当者の頭を悩ませる種です。どうすれば回収率を高めることができるでしょうか。ここでは2つ、有効な方法を紹介しましょう。

アンケート機能を備える配信ツールを利用
ウェビナー開催とアンケート依頼の間にリードタイムが発生することは避けなければなりません。受講者の中にウェビナーの情報が残っているうちにアンケート回答を促すのが回収率を高める手であり、ウェビナーを受講してすぐ収集するのが理想と言えます。ウェビナー配信ツールの幾つかはアンケート機能を備えているため、これを利用するのがいいでしょう。

回答するメリットを用意
受講者に対してアンケート回答の動機を与えるのも有効です。ただ、商品券などを用意しては、適当な回答を増やすことになってしまいます。ウェビナーを受講する目的は「情報を得る事」にあります。当日の講演資料の送付、ウェビナーの録画映像の配信などを回答者特典にすれば、能動的に回答してくれる方を増やすことができるでしょう。

外部主催ウェビナーへの協賛も、見込み顧客獲得の有効策

ウェビナー開催の目的が見込み顧客の獲得にあることは既述した通りです。ここまでは主に自社でウェビナー開催する場合のアンケートのポイントを解説してきましたが、見込み顧客を獲得する場合、前出の「バーチャル展示会」のような外部主催のウェビナーへ協賛するというのも1つの有効策です。各社、ユニークなサービスを提供しています。

例えばマイナビニュースが提供するウェビナー商品の場合、アンケートだけでは得られない情報を見込み顧客データにラベリングして提供してくれます。具体的には、各登録者について、その方がウェビナーをどこまで視聴したか、最後まで視聴したのはどのくらいいるのか、途中で視聴をやめた方はどこで離脱したのかなど、視聴データをラベル付けして見込み顧客情報を提供。アンケートだけでは得られないような情報を付与して見込み顧客の情報をリッチ化できる点は、ウェビナー開催後に最適なフォローを行う上で有効に機能するでしょう。

参考:必要なアセット全てをワンストップで提供――マイナビニュース ウェビナー商品

  • 必要なアセット全てをワンストップで提供――マイナビニュース  ウェビナー商品

外部主催のウェビナーに協賛することは、ウェビナーにかかる工数負荷を抑えられる面でも有効です。ウェビナーを提供する企業は、多くが、集客から開催に至るまで「ウェビナーに必要な要素」をオールインワンで提供します。具体的には以下の面で、自社開催と比べたメリットがあるでしょう。

開催単位でKPI計算が可能

当該ウェビナーの開催で見込めるリードの獲得数とそこで生じるコストが明確なため、KPI計算がしやすい。

周辺環境の整備が不要

撮影機材、スタジオ、ウェビナーツールなどの周辺環境を整える必要なくウェビナーが開催できる。

事前準備の工数を最小化できる

セミナーテーマと講演内容さえ定めれば、後はウェビナー当日に講演するだけでいい。申込フォーム作成や集客、登録者管理、当日運営など、事前準備はすべて媒体社が行ってくれる。

まとめ

ウェビナーは、「獲得した見込み顧客へどう適切にフォローするか」が重要です。これは、自社開催にしても他社主催にしても同様。自社開催ならば適切な設問のアンケートを用意し適切なタイミングで回答を依頼することを意識しましょう。また、他者主催のウェビナーに協賛する場合には、自社独自のアンケート収集ができるか、どのくらいの回収率が期待できるか、アンケート以上の情報をラベリングできるかなどに注目して、協賛するイベントを検討しましょう。

ぜひこの記事を参考のうえ、成果に繋がるウェビナーを実践してください。

[PR]提供:マイナビニュース