昨今のテレワーク需要に対応するため、急きょノートPCを導入しはじめた企業は多いことだろう。だが実際に在宅勤務を進めるにつれて、オフィスにいるときほどの生産性が得られていないと感じる方もいるのではないか。そんな企業に向けてデル・テクノロジーズが提案するのが、ドッキングステーションを中心とした周辺機器の活用だ。

ノートPCを配布しただけでテレワーク時の作業効率は上がるのか?

「ICTを活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」を実現するため、企業におけるノートPCの導入がこれまで以上に加速している。しかし同時にわかってきたこともある。そのひとつが、在宅勤務に対応するためにノートPCを支給しただけでは、なかなかオフィスにいるのと同等の生産性は望めないということだ。

会社のオフィスは、仕事をスムーズに行う環境が整っている。大画面のディスプレイで資料と文書を同時に表示したり、マウスやキーボードで快適に作業できたり、PC作業を行う机も自宅よりは広かったりする。それを考えると、ノートPCが実現する「いつでもどこでも作業できる環境」が、実は必要最小限の作業環境であることに気づかされる。

やはり大画面ディスプレイやマルチモニター環境、キーボード、マウスは、生産性アップに欠かせない存在といえないだろうか。とはいえノートPCを家に持ち帰って、そうした複数の周辺機器をいちいち接続するのは面倒。また、ノートPCの拡張性が乏しいため、便利な周辺機器をフルにつなげられない事情もあるだろう。

こうしたテレワーク時の不便さを解消し、従業員の在宅勤務における生産性を高めるために、デル・テクノロジーズが提案しているアイテムが「ドッキングステーション」だ。

  • ドッキングステーション

日本でドッキングステーションの導入が少ない理由とは?

デル・テクノロジーズが提供するドッキングステーションは20年以上の歴史があり、2016年には業界初の法人向けThunderboltおよびUSB Type-Cドックを発表している。いま海外では快適なテレワーク環境の実現のためにドッキングステーションの需要が大きく伸びていて、実はノートPCで作業効率を上げるためのマストアイテムとして認知されているのだ。

  • Dell ドッキングステーションの歴史

一方、日本ではドッキングステーションの採用率が低いのだが、これは机が狭いことに起因しているようだ。従来の一般的なドッキングステーションはサイズが大きく、ただでさえ広くない机のスペースを占有していた。しかし昨今はUSB Type-Cが普及したことも相まって、サイズが非常にコンパクトになっている。オフィスはもちろん、在宅でも扱いやすく感じられるはずだ。

さらに近年は、スマートフォンをはじめとしたUSB対応機器の種類がどんどん増えている。さまざまなUSBデバイスを“充電しながら”作業できる環境は、いまや必須といえる。こういった環境を省スペースで手軽に追加できるドッキングステーションは、テレワーク環境においてますます必要性が高まっていくだろう。

USB-C/A両方に対応した「Dell Universal Dock - D6000」

2020年8月現在、デル・テクノロジーズは顧客の要望に合わせて4種類ものドッキングステーションを展開している。なかでも法人が導入しやすく、かつ人気のモデルが「Dell Universal Dock - D6000」だ。この「D6000」は、幅7.8cm×奥行16.8cm×高さ3cmとコンパクトサイズ。前面に給電用のUSB-C、USB-A 3.0×2。背面にHDMI、DisplayPort、RJ-45ギガビットイーサネット、USB-A 3.0×2などを備えている。

  • 「D6000」の前面。左から、オーディオコンボジャック、USB-A 3.0×2、USB-C

    「D6000」の前面。左から、オーディオコンボジャック、USB-A 3.0×2、USB-C

  • 「D6000」の背面。左から、電源入力、HDMI、DisplayPort、RJ-45、USB-A 3.0×2、ラインアウト

    「D6000」の背面。左から、電源入力、HDMI、DisplayPort、RJ-45、USB-A 3.0×2、ラインアウト

「D6000」は最大3台の4Kディスプレイまたは1台の5Kディスプレイへの映像出力が行え、デルのPCに対して最大65Wの電力供給が可能(急速充電のDell ExpressChargeには非対応)。また、セキュリティロックスロット(T-Barタイプ)の標準搭載や、MACアドレスのパススルーをサポートするなど、法人向けの配慮もなされている。

最大の特徴は、USB Type-C接続に加え、USB 3.0 Type-A接続が可能なため、多世代のノートPCに対応できることだ。ケーブルは2-in-1で、別途ケーブルや変換アダプターを持ち運ばずとも必要に応じて切り替えられる。

  • USB Type-C、USB 3.0 Type-A接続ができる2-in-1ケーブルを標準で装備

    USB Type-C、USB 3.0 Type-A接続ができる2-in-1ケーブルを標準で装備

これらを実現できた理由は「DisplayLink」規格を採用していることにある。Display Portは1.2に対応しており、DisplayLinkによってディスプレイ出力をフル活用するには別途ドライバのインストールが必要だが、そのぶん数多くのノートPCに対応し、しかも安定性が高い。なお、USB 3.0 Type-Aで接続した場合、ディスプレイ出力は2台(5K出力の場合1台)までとなる。

実際、デルの13インチノート「Latitude 7310 2-in-1」に「D6000」を接続してDisplayLinkドライバをインストールし、「Dell プロフェッショナルシリーズ P2419H 23.8インチワイドモニター」をDisplayPortで2台つないだところ、あっさりとトリプルモニター環境を構築できた。

  • 「D6000」を接続し、ドライバを入れればマルチディスプレイ環境を簡単に実現

    「D6000」を接続し、ドライバを入れればマルチディスプレイ環境を簡単に実現

また、RJ-45 ギガビットイーサネットポートを搭載している点も、特に法人から支持される理由だ。Wi-Fiが不安定な場所や、有線LANのみの環境、安定した通信速度を保ちたいときなど、有線LANが活躍するシーンは数多い。しかし昨今はノートPCをはじめ、ドッキングステーションでさえ搭載されていないことがある。

エントリーからハイエンドにまで対応した「WD19」シリーズ

デルのドッキングステーションは4製品が展開されていると述べたが、残りの3つは「Dell Dock : WD19」とその派生製品となる。共通仕様としてはDisplayPort 1.4とDell ExpressChargeに対応。本体前面に給電用のUSB Type-C 3.1 Gen2、USB Type-A 3.1 Gen 1(PowerShare対応)、オーディオポート、背面にはラインアウトポート、DisplayPort 1.4×2、HDMI 2.0、多機能USB-C、USB-A 3.1 Gen 1×2、RJ-45ギガビットイーサネットなどを備えている。

  • Dell ドッキングステーション

「Dell Dock : WD19」は、USB-Cの最大給電能力が130W、多機能USB-CがDisplayPort over USB-Cとして機能するシリーズの標準モデルとなる。そのほか「Dell Thunderbolt Dock : WD19TB」はThunderbolt 3ポートが追加になり、より高解像度なディスプレイ接続が可能。「Dell Performance Dock : WD19DC」はデュアル USB-Cに対応し、最大給電能力210W、最大4ディスプレイ接続に対応したハイエンドモデルとなる。

ユーザーの利便性を向上させるUSB-C 変換アダプター

ドッキングステーション以外にも、気軽に使えるUSB-C 変換アダプターを2モデル紹介しておきたい。

1つ目は「Dell USB-C モバイルアダプター DA300」。直径6~7cmで小さな円形の6-in-1変換アダプターで、RJ45ギガビットイーサネット、USB-C、USB-A、HDMI、VGA、DisplayPortを搭載。本体巻き取り式のUSB-CケーブルでノートPCと接続できる。

  • RJ45、USB-C、USB-A、HDMI、VGA、DPを搭載する「DA300」

    RJ45、USB-C、USB-A、HDMI、VGA、DPを搭載する「DA300」

あくまで変換アダプターなので、PDには非対応。小型かつ安価でRJ45 ギガビットイーサネットまで搭載しているため、実は日本市場で非常に人気があり、近年のデルの変換アダプターカテゴリの中で長らくトップの販売状況。位置づけとしては、モバイルユーザーが必要に応じてインターフェースを増やせる製品と捉えるとよいだろう。

2つ目は「Dell モバイルアダプター スピーカーフォン MH3021P」だ。HDMI 2.0、USB-C、USB-A 3.1×2、本体巻き取り式の接続用USB-Cケーブルを備えた変換アダプターに、スピーカーフォンをドッキングさせた世界初カテゴリの製品となる。

  • HDMI、USB-C、USB-A 3.1×2の変換アダプターにスピーカーフォンが搭載された「MH3021P」

    HDMI、USB-C、USB-A 3.1×2の変換アダプターにスピーカーフォンが搭載された「MH3021P」

こちらもあくまで変換アダプターのため、給電はパススルーのみで、最大給電能力は90W。最大の特徴であるスピーカーフォン部には全指向性マイクロフォンを採用しており、エコーキャンセルとノイズキャンセラーによってクリアな通話が可能。最大で6人ほどのWeb会議に対応できる。

各種Web会議ソフトに対応しているが、なかでもZoomとSkypeでは全機能をフルに活用できる。多人数でのWeb会議はもちろん、長時間ヘッドセットを装着して耳に痛みを感じているような方にもお勧めだ。また、Bluetooth接続による音声が安定しないような場面でも活用できるだろう。

テレワークの実施で明らかになった周辺機器の重要性

2020年4月の緊急事態宣言によってテレワークが求められたことで、企業のノートPCへの投資は急速に進んだ。この投資は5月末の緊急事態解除宣言をもっていったん落ち着きを取り戻したが、夏ごろからPC周辺機器への投資が増加しているという。これは実際にテレワークを体験したことで「在宅勤務で生産性を上げるためには、周辺機器も必要」と多くの企業が実感したからではないだろうか。

デル・テクノロジーズは、テレワークにおけるエンドユーザーの利便性をトータルで向上するために、さまざまな製品をラインアップしている。ドッキングステーションだけで4モデルも用意しているのは、幅広いユーザーへ対応する姿勢の表れといえるだろう。テレワークでの生産性を向上させるためにも、ドッキングステーションをはじめとしたデルの周辺機器をぜひ有効に活用してほしい。

  • ドッキングステーションを接続したノートPC

[PR]提供:デル・テクノロジーズ