子育て中の女性たちの在宅ワークを、長野から
コロナ禍において、すべての人が注目せざるを得なくなったのが在宅ワークという働き方だ。社員がテレワークを利用するだけでなく、外部の在宅ワーカーを活用するという流れにも目が向くなかで、ママLifeはその一歩先を行く企業として活躍している。
立ち上げたのは、自身も一児の母である木村真央氏。木村氏自身が、働きながら子育てをする難しさや、子育てのために仕事を辞め、社会から取り残されたような孤独感に苛まれる苦しい“ママ”の心境をまさに経験したうちの一人だ。悩み抜いた末、地元・長野に戻り、子育て中の在宅ワーカーへの業務請負を主体とした企業「ママLife」を2014年に立ち上げた。
「在宅ワーカーに仕事を発注することに慣れている都心部と異なり、地方では企業側も在宅ワーカーへの委託に不慣れなケースがほとんどです。どの業務なら外へ出せるのか、そのためにはどんな発注方法をとるべきなのかがわからないのです。そこでまずは企業に入り込んでコンサルティングを行い、例えばペーパーレス化のためのデータ入力を請け負う、といった方法で仕事を受けています」(木村氏)
自分と同じようなつらい思いをしている身近な人を助けたいという思いから始めた事業だが、現在は育児中の母親に限らず、介護離職をした男性や、フリーランスで働きながら新しい仕事を求める人などの登録も増えている。
「私はこれまでも、パンデミックが発生したら出社スタイルの働き方ではどうしていくのか、とずっと主張してきたので、今の状態は少し『ほらね』という感じはあります。新型コロナウイルスの影響が出始めて以降、給付金を利用したWeb制作などは需要が急増しました。新規登録者の中には派遣切りされた方や、ちょうど外で働こうとしたら働けない状況になってしまったという方もいて、在宅ワークができてよかったという声が出ています。登録ワーカーさんがスキルアップを実感しながら働けることも大切にしているため、町が推進する事業にも参加し、RPAの設計ができる人を育てるセミナーなども開催しています」 発注企業のトレンドも日々キャッチしながら、時流に沿って対応する様子を語る。
ママワーカーの「働く」を支えるコミュニケーションツールとは?
数人で運営しながら、全国にちらばる数百人の登録ワーカーへ、いかに仕事を割り振り、納品を受け、業務の相談に乗るのかが木村氏の業務の課題となるわけだが、当初は連絡ツールとしてメールだけを利用していたという。
「登録ワーカーさんから、メールだと気づかないことが多いからLINEにしてほしいと言われて、誰もが利用している普通のLINEを使っていたこともあります。データの受け渡しにはDropboxやGoogle Driveなどいろいろなサービスを使いましたし、コミュニケーションツールとしてChatworkやGoogle Meetなどを利用した時期もありました」(木村氏)
しかし、オンラインストレージの容量に不満があった他、利用ツールが複数になる煩雑さや不便さを感じながら運用していた時に出会ったのが「LINE WORKS」だった。
「チャット、カレンダー、ストレージという機能をひとつにまとめたかったので、それが叶うのが良かったです。ストレージのコストパフォーマンスが高かったのもポイントです。ベーシックプランでは1ユーザーあたり合計61GB、グループフォルダとして1TBの容量が利用できますから」と木村氏はLINE WORKSに感じた魅力を語る。
すぐに導入を決定したママLifeでは、会員リストをCSV化してLINE WORKSへ一括登録。会員との連絡手段として順次メールやLINEからの移行を行い、運用を開始した。本部ではストレージ容量の多い有料アカウントを利用しつつ、登録者にはフリーアカウントを配布し、業務内容を発信しているという。
「LINE WORKSには100人まで使えるフリープランがあるので、私と99人のメンバーというワークスグループを複数作っています。そこに、こういう仕事が入ってきたけれどやりたい人はいますか?と情報を流し、手を挙げてもらう方式です。実際の業務に入った後はプロジェクトごとのトークグループを作り、チームリーダーを設定します。LINE WORKSの使い勝手はLINEとほぼ同じで手軽なことから、チームリーダーを配置する際、PCスキルやITスキルではなくマネジメント経験を重視することができるんです」
実際に、トークルームからアクセスできるDriveでのマニュアル共有や、ノート機能を使った情報共有など、ビジネス向けの機能も活用しつつ、LINE感覚で業務が進められているようだ。
ママLifeならではの「LINE WORKS」を使ったコミュニケーション術
「LINE WORKSの機能はかなり使いこんでいると思います」と語る木村氏は、外出先でもプロジェクトメンバーと予定を共有できるカレンダー機能や、画像編集機能を利用した赤入れ作業のしやすさを評価。さらに、情報のストックができるノート機能があることで、トークの活発なコミュニケーションと、見逃したくない情報共有の両立ができる点を特に気に入っているという。
そして最も重要、としているのが、LINE WORKSの根幹でもあるコミュニケーションのスムーズさだ。トーク(チャット)と音声通話、ビデオ通話が一体化したLINE WORKSなら、状況に合わせたコミュニケーションが行いやすく、トラブルも防ぎやすい。
「よくチャットでのコミュニケーションが難しいという話がありますが、チャットだからダメということはないはずです。元から出来ていなかったことが可視化されるだけでしょう。ただ、チャットでは少しの言葉でも傷つけてしまいやすい側面はあるので気をつけないといけないですね。文字で発言したら相手の解釈まかせになりますから、伝えるのが難しいと感じた時は電話やビデオ通話と併用しています。スタンプでコミカルに伝えるのも有効です。この前言いましたよねと文字で伝えるより、言ったじゃーん!なんていうテンションのスタンプで伝えればスムーズですから(笑)」(木村氏)
非常にこまやかな気遣いを持っている木村氏だが、実際は毎日細かく連絡を取るという手法はとっていないようだ。必要な時に会話するなかで、ちょっとしたコツがあるという。
「業務連絡の前に1~2分程度、敢えて雑談的なトークをするようにしています。雑談を素早く終えられるのもLINE WORKSの特徴です。”スタンプで返事をしたら会話の終わり”という感覚がLINEで培われていますから、だらだらせずに終えやすいのが良いんです。ちょっとしたふざけた会話なんかを最初にして、スタンプで締めてさっと仕事の話に移行する。その一連を同じ画面上で自然にできるのがいいですね」と木村氏は語る。
「また、災害時に役立ちそうな情報や、地域のお得情報など、業務とは関係ないけれど会員の方に喜ばれそうな情報も会社には集まります。そういった情報は、トークではなくLINE WORKSの掲示板機能で発信し、見たい人だけ任意で見てもらえるようにしています」
コミュニケーションツールを活かせば、敏腕スキルをリモートで在宅ワークに投下できる
「起業前に悩んでいた時期は、子どもを保育園に預けて働くなか『3歳までは母親が近くにいるべきだ』と言われたことがありましたし、夕方に公園で遊ぶ母子の様子を見ながらいろいろ考えたこともありました。しかし、長年保育士として働いてきた母が『保育園はたくさんの人から愛情をもらう場所だから安心して預ければいい』と言ってくれたんですよね」(木村氏)
そして今、改めて在宅ワークという働き方に目を向け、誰もが自分ごととしてとらえ直して欲しいとも強調する。
「在宅ワークはママだけのものではありません。コロナのような大規模な不測の事態でなくとも、絶対に怪我をしない人はいませんし、将来的に親の介護をすることになる人もいます。第一線で働いてきた人のスキルはすごいものですから、環境が変化してもスキルを活かせるよう、どんな人でも考えておいて欲しい働き方です」
仕事の仕方を積極的に開拓していく木村氏は、LINE WORKSのアンバサダーも務めている。 「LINE WORKSは、リモートワークを検討する中でコミュニケーションチャットをどれにしようか悩んでいる会社や、チャットに慣れていない人が多い会社にもオススメです。それから、スタッフとの距離を縮めたいと考えている経営者にも勧めたいですね。自分としては、テレワークがしっかりできれば海外の仕事だってできるはず、と思います。工夫次第で活用法が広がるツールもある時代。私自身も自分の子どもにチャレンジする姿を見せられるよう、どんどん働き方を広げていきたいですね」と木村氏は大きな展望を語ってくれた。
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