心身に障がいのある人々の補償制度創設と推進を目的として1987年に創業したジェイアイシーセントラル(Japan Indemnity-system Center for handicapped person :日本障害者補償制度センター)。同社は、中部地域を営業エリアとし、名古屋・豊田・岐阜・金沢・松本・静岡に営業拠点を置く総合保険代理店であり、福祉・法人・個人の幅広い顧客に対応している、特別支援学校や障がい福祉施設をはじめ、企業の総務・人事担当者、個人経営者、主婦まで、保険に悩むすべての顧客から支持されている。

そんな同社では、より効率的な顧客管理を目指して、2012年よりSalesforceを使用しているが、2016年の改正保険業法で求められる体制の整備や、各保険会社の顧客情報管理に課題を感じており、テラスカイの保険代理店ソリューション「IAS(Insurance Agency Solution)」を採用。その当時の課題や目的、導入後の効果など、ジェイアイシーセントラルに話を聞いた。

保険会社ごとに分散した顧客情報をIASで一元化

通常、保険会社と契約する際には、何社もの保険会社とやりとりをする必要があるため、効率が悪いうえ管理が不十分になりがちだ。しかしジェイアイシーセントラルを介せば、より良い保険を選ぶための情報収集や、わずらわしい手配などはすべて一任することができる。

同社 代表取締役の佐野 利一 氏は、「保険に関する知見の豊富な当社のプランナーが、各保険会社の専門・得意分野を見極めたうえで、複数の商品からベストなプランを提案するとともに、保険の管理をスマートに効率化します」と説明する。

また、ジェイアイシーグループでしか取り扱っていない保険も用意されている。障がい者の場合、様々な理由から一般の保険に加入できないケースが発生する。そこで障がいの特性に応じた保険をリーズナブルにアレンジしたり、保険会社と協同して補償制度を開発したりも行っている。

そんなジェイアイシーセントラルでは、より効率的な顧客管理を目指して2012年よりSalesforceを使用している。

「一元管理された顧客情報を全社員が活用することで、顧客接点を広げていくという攻めのビジネスを実現すべくSalesforceを導入しました」と、佐野氏は振り返る。

しかし当時、Salesforceに取り込むことのできる顧客情報・契約情報のデータを提供している保険会社は1社しかなく、約20社もの生命・損害保会社の商品を扱っている同社にとってとても十分とは言えない状況であった。そこで全保険会社の顧客情報を一元的にSalesforce上に取り入れられるようなソリューションがないか探していたところ、目に止まったのがテラスカイの保険代理店ソリューション「IAS(Insurance Agency Solution)」だったのである。

IASは、Salesforceと連携して稼働する保険募集業務に特化したソリューションであり、募集アンケート機能、募集人管理機能、意向把握管理機能、意向把握確認表出力機能、情報提供(推奨商品)機能、契約・手数料データインポート機能など、多くの機能を標準搭載している。特に意向把握など、2016年の改正保険業法で求められる体制整備義務にも対応しているため、効果的な保険営業の仕組みの構築が可能だ。それも、各保険会社が保険関連データを保存する共同ゲートウェイにプライベート網で接続できるという、IASの特徴があってこそと言える。

佐野氏はこう話す。「共同ゲートウェイとの連携をはじめ、当社が取り扱うすべての保険会社の顧客情報を取りこむに当たっては、テラスカイの担当者から、各保険会社に働きかけてもらったり、各社のデータ形式が異なるため整えるツールを紹介してもらったり、IASのバージョンアップで修正してもらったりと、親身に対応してもらいました。おかげで今では不足していると思われるデータはありません」

  • ジェイアイシーセントラル株式会社 代表取締役 佐野 利一 氏

    ジェイアイシーセントラル株式会社 代表取締役 佐野 利一 氏

IAS導入4年で様々な成果が

こうしてジェイアイシーセントラルでは、2017年にIASの利用をスタートした。これまで約4年間、同社の約40人の社員が日常的に利活用してきている中で、様々な成果が得られているという。

一番の成果は、当初の目的である顧客情報の一元管理が実現したことにより、担当者の変更などもスムーズに行えるようになったことである。従来であれば、限られた情報が記された紙ベースの資料を引き継いでいたが、IASにはすべての顧客接点が記録されているなど、より迅速かつ深く顧客を理解できるようになったのである。

またIASは、コンプライアンス対応の強化にもつながっている。同社では顧客からの様々な意見や要望などをIASに入力している。これについては、どの代理店もおこなっているが、ジェイアイシーセントラルではその内容について2週間に1回、全社員が参加する会議で議論している。例えば顧客からのクレームであれば、どこに問題があったのか、どうすれば再発防止できるのかなど、会議で提案された意見もIASに記録しており、それが解決したか、未解決なのか、といった情報がひと目で確認できるようになっている。そこから波及して、スタッフからのヒヤリハット案件や、会社への要望、顧客からの感謝の声などポジティブな反応もIAS上に記録するようになった。

「お客様からの感謝の声は、直接声をかけられたのは1人の社員であっても、IAS上に記録すれば全社員で共有できるので、こうすれば喜んでもらえるのだと教育の一環にもなっています。このように、運用する中で必要となった機能の追加など、カスタマイズが柔軟に行えるのもIASの魅力ですね」と佐野氏は言う。

同社 福祉営業部 部長の佐藤 竜也 氏も、「システムを浸透させるために、入力してほしい情報を入力してくれた社員を評価するなど、いろいろと工夫しました」と続ける。

また、セールスサポートグループの篠田 久美子 氏は、「IASについての現場からの声などは、一旦こちらで対応可能か判断したうえでテラスカイのエンジニアに伝えるようにしました」と語る。

さらに、IAS導入前には、各保険会社のそれぞれのシステムからデータをダウンロードしてExcel上で保険の満期管理を行っていたのが、現在では月だけ指定すれば満期の一覧を表示できるようになるなど、以前と比べてチェックの時間が大幅に短縮できたという。

  • ジェイアイシーセントラル株式会社 福祉営業部 部長 佐藤 竜也 氏

    ジェイアイシーセントラル株式会社 福祉営業部 部長 佐藤 竜也 氏

  • ジェイアイシーセントラル株式会社 セールスサポートグループ 篠田 久美子 氏

    ジェイアイシーセントラル株式会社 セールスサポートグループ 篠田 久美子 氏

アフターコロナの時代に向けてさらなるシステムの活用を

今後もジェイアイシーセントラルでは、SalesforceとIASを顧客接点拡大のためにフルに活用していく構えだ。

佐野氏は言う。「アフターコロナの時代には、顧客との接点のありかたも以前とは大きく変わっていくと考えられます。お客様とのリアルな面談だけが相談の手段ではなくなっていくことでしょう。そこをSalesforceやIASに加え、LINEなどのコミュニケーションツールを活用しながら、リアルではなくても、顧客との接点を質も量も向上させながら創出していきたいですね。今や、みんなが集めてくれた情報のおかげで、システム上には未来への“成約の種”が豊富にありますから、そうした種が芽を出して伸ばすことができるような仕組みについて、アイデアを出し合っていこうと考えています」

そして、そんな構想の実現に向けても、テラスカイとの協同を一層強化していくという。

「IASを通じて、Salesforceも含めてシステム面で一緒に成長できるというのは大きな魅力であり、またさらなるビジネス成長の可能性も秘めていると思います。そこを他の同業社にも理解してもらい、IASを利用する企業が増えてくれれば、さらに“使える”システムに進化していくと期待しています」と、佐野氏は強調した。

[PR]提供:テラスカイ