京セラ事例に学ぶ! 月2万円で現場が業務アプリを作り、40万点もの在庫管理をスマート化
グループ内で関連する製品の開発、製造、販売、さらに物流にいたるまで幅広く事業を展開しているエレクトロニクスメーカーの京セラ株式会社では、DXによる現場改革で業務効率の改善を目指しており、物流倉庫の現場においても業務のデジタル化の波が届いている。
40万点もの在庫を管理する京セラの物流倉庫では、これまで紙のリストを使って日々の入出庫にともない、毎日在庫の棚卸を行っていた。棚卸報告用の用紙の受渡しには事務所と在庫間を移動する必要があり、棚卸しのたびに往復10分以上の時間を取られていた。加えてシステム上の在庫数と棚卸しされた実在庫数が異なると、棚卸担当者は事務所と在庫間を何度も駆け回る必要があった。
そんなとき、部門会議で新入社員が、現場の業務で必ず使用するスマートフォンに目をつけ、「棚卸アプリ」の作成を提案。プログラム知識がない現場でも、自社の業務に合ったモバイルアプリを月額2万円から作成・活用できる「Platio(プラティオ)」というツールを導入することになった。
現場主導で棚卸アプリを数時間で作成し、導入したその日から運用を開始した。これまで紙で運用していた棚卸リストをアプリ化したことで、事務所との紙の受渡しの手間がなくなり、スマホで棚卸報告が完結するようになったほか、紙コストやその管理コスト、そして在庫精度の向上という結果につながった。
倉庫で利用される棚卸アプリには、毎日その日に入出荷のあった在庫リストが表示され、現場ではリストにしたがって棚卸結果を入力するだけで棚卸報告が完了する。データはクラウド経由でリアルタイムに事務所の管理者へ共有され、一覧でシステム上在庫と棚卸数を確認できるほか、自動計算された棚卸差異まで確認できる。紙の運用時には、目視で在庫数と棚卸数の照合チェックを行っていたが、差分の自動計算によりチェック作業の工数が不要となり、人的ミスも削減。単なる紙のデジタル化に留まらず、業務プロセスの改善にもつながっている。
なぜエンジニアでない現場社員がアプリを作れたのか、鍵は「ノーコード」
このように、アプリ活用により現場の業務プロセス改善とデジタル化を実現した京セラだが、その背景には “ノーコード”という技術が一役買っている。ノーコードとはコードを書かずにマウスやクリック操作だけでアプリを作れるプラットフォームや手法のことだ。京セラではノーコードでモバイルアプリを作成できるツールを用いることで、ITに不慣れな現場社員でもアプリを作成・活用、現場が自らITを活用した業務改善を進めることができる環境を作り出した。
京セラで採用されたノーコードなモバイルアプリ作成ツール「Platio」は、誰でも直感的に自社の業務に合わせた業務アプリを数時間で作成できる。サーバー構築が不要で初期費用がかからず、月額2万円という低予算でアプリ作成から活用までできる点も魅力的だ。これまで、アプリ作成とはサーバー構築や開発に数百万単位のコストがかかり、運用まで数ヶ月かかる導入ハードルの高いものという認識だった。しかし、ノーコードを活用することでそれらのハードルは払拭され、いまでは誰もが簡単かつ低コストでアプリを作成し活用できる時代となっている。
京セラの担当者が語るさらなる導入効果「現場の改善意識向上の起爆剤となっている」
Platioを導入した京セラ株式会社 物流事業部 事業推進部 システム推進課 髙岡 慎哉氏によると、これまでITを活用した現場の業務改善には、システムの機能検討や稟議、コストが見合うのかといった検証が不可欠で、現場業務に追われるなかでなかなか改善に踏み切れなかったという。しかし、Platioならサーバーやアプリ構築費といった初期投資は不要でコストハードルが低く、業務改善にチャレンジしやすい。またITの知識に不慣れな現場でもアプリをすぐに作成・運用でき、現場主導でアプリを作れるので浸透も早く、業務改善に直結しやすい。このため棚卸アプリ以外でも「もっとこんなアプリが欲しい」とアプリを活用した改善提案が増加しており、「Platioは現場の改善意識向上の起爆剤となっている」そうだ。さらにこの改善の波は物流部門に留まらず、資材部門の現場にも広がりを見せており、すでに異常報告アプリのテスト運用が始まっている。
今後はどんな現場発のアプリが生まれるのか、京セラのこれからの動きにも注目したい。
Platioを提供するアステリアでは、京セラが自作した棚卸アプリの操作を手元のスマホで体験できるWEBセミナーを開催する。実際にアプリを触ってみることで、自社での業務改善のヒントをつかめるだろう。
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