企業においては社員の価値観を把握し、モチベーションの源泉を知ることでチームのやる気を高め、エンゲージメントを向上させ、企業を成長させたいと考えている。だが人の価値観は千差万別で、行動や性格に比べ見えにくくわかりづらい。この従業員の価値観を働くモチベーションとして、またそのモチベーションの充足度をエンゲージメントとしてAIが見える化するという画期的なサービスを提供しているのが、EQIQの「Attuned (アチューンド)」だ。
2020年、猛威を振るう新型コロナウイルスの影響により、多くの企業がテレワークへと移行した。コミュニケーションのあり方に大きな変化が訪れている今、企業はどのような観点からチームを運用し、従業員と向き合っていくべきなのか。EQIQの創立者であり代表取締役CEOのケーシー・ウォール氏に話を伺った。
Attuned (アチューンド)とは
EQIQは、2010年(旧、Wahl+Case)に東京に設立された人材紹介会社であり、人材の発掘とマッチングに取り組んできた。同社のビジョンは人材紹介業界をグローバル規模で変革すること。だが人材紹介だけで大きなイノベーションを起こすのは容易なことではない。
同社はデジタルサービスとプロフェッショナルサービスを組み合わせたアプローチを模索。こうして生まれたソリューションが社員の働くモチベーションを見える化するAIサービス「Attuned (アチューンド)」だ。
Attunedは、目に見えない“価値観”を視覚化するためのツールといえる。行動や性格は同僚からも認識しやすく、評価したり自分との違いを許容することも可能だが、価値観は他人から非常に認識しづらく、その違いが衝突を生む原因ともなる。また価値観は、行動に際する内発的動機付け(モチベーション)の本質であり、価値観を充足させることは、社員を内発的動機付けし、その人が持つ能力や創造性を引き出すことにつながる画期的な人材マネジメント手法だ。
EQIQは内外のモチベーション理論を幅広く調査研究の上、2年の開発期間を経て、Attunedを開発。個⼈ごとに異なる価値観を11の動機付け要因(モチベーター)ごとに定量的に測定するシステムを作り可視化を実現した。
「約15年間、人材紹介業界で何千人もの面接をやってきましたが、高い能力を持ち社交性も十分な人でも紹介した会社になじめないことは多々ありました。ですが私には、うまくチームになじめる人とそうでない人との差がどうしてもわかりませんでした。それを解決するプラットフォームとして作ったのがAttunedです」(ウォール氏)
モチベーター計測の仕組み
Attunedは、55の質問に対する回答をもとに個人ごとにモチベーションプロフィールを作成し、そこでは「利他性」「自律性」「競争性」「フィードバック」「ファイナンス」「創造性」「成長」「合理性」「安全性」「社交性」「ステータス」という11のモチベーターを重要度の高い順に、そして「必須」「あれば良い」「中立的」の3段階に分類して可視化してくれる。
なお、55の質問が図っているのは性格ではなく、あくまで価値観。これによって従業員は自身の価値観を視覚化し、管理職はその従業員のモチベーションをどう仕事に結び付けていくか、またコミュニケーションをどう取るべきかを把握できるという。
また一人ひとりの価値観を足し上げることで、組織のモチベーター分布図を作成。組織のモチベーター傾向を可視化することが、チーム文化の把握につながり、チームのモチベーションを向上させるためのポイント施策を検討できる。さらに、マネージャーとメンバーのモチベーターの違いを比較し、コミュニケーションの円滑化に障害となりそうな要因を簡単に抽出する“対人モチベーターギャップ”機能も備えている。
Attunedを使えばだれでも優れたマネージャーになれる
「その人が大切にしている価値観は、働くモチベーションそのものと言えます。一方、多くの人の価値観は20代前半までに固まります。ですからチームに入ると、性格があわないわけでもないのに、ぶつかってしまう人が現れるのです。チームにいるそれぞれの人が重視している価値観がわかれば、コミュニケーションはより簡単に深くすることができるのです」(ウォール氏)
例えば、「自律性」を重視している人は個人の時間を大切にするが、「社交性」を重視している人は従業員同士の交流を大切にするだろう。「フィードバック」を重視している人は週に何度も報告があると安心するが、重視していない人は週1回で満足するはずだ。このようにメンバー一人ひとりに合わせたアプローチが可能となるため、効率的かつ効果的な組織運営が可能となる。
「Attunedを使えばだれでも優れたマネージャーになることができます。昇進して上司になったばかりの人、なじみのない部署のマネージャーに就任した人などをはじめとして、マネジメントについて悩みを抱えている人は少なくありませんし、部下もコミュニケーションに不安を感じているでしょう。ですがチーム全体のモチベーターを把握できれば具体的なアクションを取りやすくなります。Attunedによってより素早く信頼関係を結び、良いチームを作ることができるのです」(ウォール氏)
同社は、Attunedから得られたモチベーターのデータを活用するためのマネージャー向け/メンバー向けトレーニングも行っている。このトレーニングでは、このモチベーターが高い人にはどういうコミュニケーションをとったほうが良いか、またどういう言葉を投げかけたり、どんな業務をアサインしたほうが良いかといった具体的な対応を知ることが可能だ。
導入後は、その人が仕事をしていく上で重要な上位6つのモチベーターが満たされているかどうか測定するために、各モチベーターに関して1問ずつ6問のアンケートを定期的に(2週間に1回)実施し、継続的にモチベーターの充足度を図り、組織改善を目指すことができる。このデータを元にAIがエンゲージメントレベルを測定する。
Attunedが職場にもたらす効果とは
働く者であればだれもが求めるであろう「働きがいのある職場」。Attunedはこういった職場を作り出すことを目指したツールともいえる。
「人生の中で、仕事の時間はその多くを占めます。ですが、残念なことにその時間を無駄に使ってしまっている人は少なくありません。2017年には、日本の社員の94%が仕事に情熱を持っていないという調査結果が発表されました。これは非常にもったいない。私は、人と人とのコミュニケーションや理解が深まることで、より楽しく情熱的に仕事をしてほしいと思い、Attunedを開発しました」(ウォール氏)
新型コロナウイルスの影響により、2020年現在、企業ではテレワークが急速に浸透している。リモートワークはまだ長く続くことが予想され、従業員同士が直接会って話す機会が減少している今、“さみしさ”のような心理的な影響も大きな問題として表れてくる。このような情勢下において、モチベーションを見える化することの重要度はより高まってくるだろう。
「日本では長らく飲み会が大事にされてきました。それは飲み会がコミュニケーションを取る場であり、相手のことをよく知れる場であったからでしょう。Attunedは、飲みに行かなくてもしっかりと話をした結果を得られるツールだと思ってください。心理的安全性、つまり従業員が安心して自分の考えを発言したり、行動に移したりできる状態をつくり、チームの信頼関係を高め、創造性を向上させることができます」(ウォール氏)
Attunedを利用すれば、簡単には変わらない従業員の価値観を明らかにし、それを定量的に把握することで生産性向上、組織改善を実現できる。
すでに製造業、ITサービス、テレコム、小売、人材事業などで幅広く利用されており、同社のWebページではNTTコミュニケーションズやドワンゴ、電通国際情報サービス(ISID)、キャプランといった有名企業での導入事例も紹介されている。
なお、Attunedは必ずしも企業でのみ活用されるツールとは限らない。例えばある職場では、夫婦円満を目指し社員の結婚式で新郎と新婦のモチベーターを比較するという試みも行われたという。また、バンドメンバーのモチベーター分布を可視化し、解散を防ごうというアイデアも出ているようだ。
「変化する社会で躍進できる組織へ」を目指して
EQIQは6月10日に開催するWEBセミナー「マイナビニュースフォーラム 働き方改革 Day 2020 Jun. 変化する社会で躍進できる組織へ」に登壇する。
このセミナーでは実際にAttunedを動作させ、ダッシュボードからチームメンバーのモチベーター分布などを確認する様子や、対人モチベーターギャップによってマネージャーとメンバーの価値観を比較し向き合い方を考える様子をデモンストレーションする予定だ。NTTコミュニケーションズやドワンゴのAttuned導入事例についても詳しい紹介が行われるので、Attunedに興味をお持ちの方はぜひセミナーの参加を検討してほしい。
またセミナーに参加できない方でも、30日間の無料トライアルをいつでも試すことが可能。自分のモチベーターレポートの作成、ダッシュボードへのアクセス、社員5人まで追加が行えるため、Attunedが実現するモチベーションの見える化をじっくりと使用できる。まずは一度、どのようなデータが得られるか体験してみるのもよいだろう。
マイナビニュースフォーラム 働き方改革 Day 2020 Jun. 「変化する社会で躍進できる組織へ」のお申し込みはこちら
EQIQセッション
日時:2020年6月10日(水) 15:50~16:30
[PR]提供:EQIQ