テクノロジーの発展により生活者の情報をきめ細かく集めることが可能になったが、ライフスタイルの多様化、趣味や嗜好が細分化されている今、生活者の"ほんとうの気持ち"を捉え把握することは簡単ではない。生活者との最適なコミュニケーションを図るために、どうすればテクノロジーを味方につけられるのか。2020年2月27日にマイナビニュースが開催したセミナー「デジタルマーケティングを味方につける ~戦略立案と実践方法~」では、このテーマに対するヒントを語れるスピーカーが集結した。本稿では300名以上が参加登録した同セミナーより、自社サイトを基点にした成約増の方法について紹介したNTTタウンページのセッションをダイジェストでお届けする。
SMBのおよそ50%が「インターネット広告の効果を体感していない」
NTTタウンページは、その名のとおり、電話帳「タウンページ」に関する事業を営んでいる企業だ。タウンページに情報を記載しているような "地域に根差した中堅・中小企業(SMB)" を主な顧客とし、約6600万部(2019年3月時点)を発行するタウンページ事業のほか、ネット版の電話帳であるiタウンページ事業、カーナビ事業者などに情報を販売するタウンページデータベース事業などを提供している。
NTTタウンページがデジタルマーケティング? と不思議に思う方がいるかもしれない。実は同社は、2019年9月、全世界で1億6000万人のユーザー(2019年9月時点)を抱えるイスラエルの簡易ホームページサービス「Wix.com」と戦略的業務提携を行い、デジタルマーケティング事業に本格参入した。同年にスタートした「NTTタウンページ Digital Lead Powered by Wix」のもと、主に20名以下のSMBオーナーを中心に企業のデジタルマーケティングを支援している。
NTTタウンページ 取締役 メディア運営部長の三隅 浩之 氏は講演のはじめ、インターネット広告費が毎年15%以上、ECという視点でも昨今は6%ほどの伸びを見せていること提示。企業において、インターネットを活用したマーケティング活動はいまや不可欠となっていると語った。しかし、続けて同氏が述べた調査結果は、非常に衝撃的だ。帝国データバンクがSMBを対象に行ったアンケートによると、インターネット広告の効果を体感しているのは全体の4~5割に過ぎず、半分は効果を感じていないというのだ。
「他の調査データも調べていくと、SMBのオーナーさまは、ITに関する知識や経験が不足している、もしくはスキルがあっても本業が忙しくて時間がさけない、余力がない、専任者を雇用するのも難しい。このような課題が浮かび上がってきます。たとえ『使いこなせば収益を伸ばせるサービス』があったとしても、リソースの背景から利活用のハードルが高い、あるいはそこへ労力を割けないのです。サービスの利活用や広告運用それ自体を支援するサービスが必要となっているといえます。」(三隅 氏)。
SMBのデジタル活用は、集客だけでなく成約までを視野に
三隅 氏は続けて、SMBの5割弱はホームページをすでに開設済みである一方、受注や販売を伸ばす目的でホームページを運用している企業はわずか1割程度であることを説明。ほとんどのSMBが宣伝目的でのホームページ運用に閉じており、多くのページが "作ったのは良いもののそのままになっている" 状態だと語った。
「先ほど述べたリソースの問題にくわえ、"成約" という具体的な効果につながる活用をしていないというのが、SMBの皆様がインターネット広告に効果を感じていない理由です。ただ、今や商品やサービスは、情報を調べるのも購入を行うのもインターネットが主流になっています。これは事実です。ホームページを更新しないこと、販促目的でページを運用しないことは、生活者へのプレゼンや販売の場を逃していることに他なりません。"自社には不要" と切り捨てず、ビジネスを伸ばしていくために本気でデジタルマーケティングに取り組むことがSMBには求められています。」(三隅 氏)
ホームページにどんなユーザーが来訪したか。そのユーザーは何のコンテンツをみてどこで離脱したか。インターネットで成約まで結びついたユーザーはどんな方か。同じような行動傾向の来訪者はいないか――販促目的でホームページを運用する場合、今挙げたもの以外にも数多くの指標や情報を参照して各種施策を計画し、実行していかねばならない。
マーケーティングオートメーション(MA)を利用すればこうした情報の可視化や施策実行が可能だが、SMBには本業以外に割くための余力が限られている。学習コストや運用のハードルを考えると、独力でMAを運用しながら成果を上げていくことは現実的とはいえない。
「インターネットで成果を上げていくうえで、MAの実装は必須となります。SMBにおけるポイントは、いかに簡単に運用ができるか、負担が少ないツールを見つけるかという点にあります。『NTTタウンページ Digital Lead Powered by Wix』は多忙なSMB向けに最適化したサービスであり、私たちはこれをもって、SMBのデジタル活用を、認知や集客だけでなく成約までも意識したものへシフトさせたいと考えています。」(三隅 氏)
ページ作成とMA機能を統合した「NTTタウンページ Digital Lead」
「NTTタウンページ Digital Lead Powered by Wix」は、ECや予約、フォームといった"成約"に関わる仕組みを実装したホームページ作成機能と、来訪者のデータを分析しキャンペーンなどを計画実行するMAの機能を複合した、デジタルマーケティングのAll in One プラットフォームである。
予約や見積もりボタンを押した顧客の情報は自動的にデータベースに登録され、オーナーは即時にそのデータを一覧表示できる。見込み顧客の獲得や訪れたユーザーを成約に導く各種機能なども実装するが、重要なポイントは、「NTTタウンページが企画・制作・運用代行でSMBをサポートする」点だ。
「このプラットフォームは忙しいSMBにおけるMA運用を考慮した設計を特徴としています。ただ、これを単に提供するだけでは、リソース不足という課題を抱えるSMBの皆様のビジネスを引き上げていくことは難しいでしょう。当社では、長年地域の皆様と一緒にビジネスを進めてきた実績と全国16拠点に800人(2019年9月時点)いる営業担当を武器に、課題に合わせてサービスをアレンジした“ソリューション”として、オーナーさまへ『NTTタウンページ Digital Lead』をお届けします。」(三隅 氏)
SMBの顧客目線に寄り添った「NTTタウンページ Digital Lead Powered by Wix」。同プラットフォームに対する市場からの反響は大きい。2019年10月に正式販売を開始してまだ半年も経過していないなか、NTTタウンページ では既に約1500件以上もの申し込みを獲得している(2020年2月現在)。導入企業の幅も広い。鮮魚店では「来店されたことのない県外からの問い合せが増えた」、ドローン撮影を行う会社では「自社の知名度が向上、テレビ局からの受注が舞い込んだ」など、さまざまなSMBから、「効果を体感した声」が上がっている。
終わりに三隅 氏は、「NTTタウンページは今、ブランドスローガンを昨年から新しいものに変更させていただきました。そのタイトルは『Your Marketing Partner』です。これからの私たちの取り組みは、デジタルマーケティングというツールをもってお客さまの商売繁盛を支援させていただくという事業に変わっていきます。SMBのオーナーさまと一緒に事業拡大と価値の創造に貢献してまいりますので、皆様にお見知りおきいただければと思います」と述べ、講演を締めくくった。
[PR]提供:NTTタウンページ