会議は、「作り込んだ資料の報告会」ではない。
もしあなたが価値のある会議をしたいならば、今述べたカン違いをしていないか注意する必要があるだろう。「会議」と聞いてPowerPointやExcelを使った資料の共有が浮かぶなら、なおさらだ。資料を共有するだけで話が済むならば、グループウェアやビジネスチャットで通知すればいい。参加者の知恵とアイデアと視点をどれだけ組み合わせることができるか。そうしていかに優れたアウトプットを生み出せるか。それが、有意義な会議になるかどうかの分かれ道だ。
本稿では価値ある会議を行うためのアプローチとして、Microsoftのデジタルホワイトボード「Surface Hub 2S」の活用を提案したい。
会議の価値を高めるために、ホワイトボードには何が必要か
困ったことに、人間の「声」はあっという間に消えてなくなってしまう。会議という場では、頭の中に「声」が残っているうちにテキストやイメージに変換して、絶えず情報を整理し続けなければならない。しかし、情報のとらえ方は人によってまちまちだ。だからこそ、会議室には "会議中の情報を可視化する役割" としてホワイトボードがある。
いま、全体のうちどの部分の話をしているのか。どのような時系列なのか。何が未着手なのか。情報がビジュアル化されていれば、メンバー全員で共通認識にしていける。「いま考えて話し合ったことはこうですよね」とホワイトボード上に共有していけば、会議を深化させることができるわけだ。
ただ、水性ペンで描いたりふせんを貼り付けたりするアナログホワイトボードには、いくつかの欠点がある。
まず、当たり前だがホワイトボードの大きさは変わらない。スペースを使い切ったら、ホワイトボード上にある情報を消さなければならない。前に立つ人間が限られることも欠点だ。ホワイトボード前に大勢が立って意見を交わし合うことを想定している会議室は、ほとんど無いだろう。おそらくペンも足りない。いくら頭の中にアイデアがあっても、発言することが苦手だったり字が下手だったりという方は、ホワイトボードの前に立つことをためらってしまう。
会議への参加をうながす、次世代のデジタルホワイトボード
前置きが長くなったが、Microsoftのデジタルホワイトボード「Surface Hub 2S」は、前に挙げたアナログホワイトボードの欠点をすべて解消する。同製品は、会議室の「三種の神器」であるプロジェクター・ホワイトボード・Web会議システムをまとめたオールインワンデバイスだ。
情報量の制限で言えば、「Surface Hub 2S」では大型のスクリーン上にあるキャンバスの大きさを自由に拡大・縮小することが可能。文字や線は自動的にキレイに整形してくれるし、イラストや写真もネット上から取り込みできる。もちろん、ペンのインク切れに悩まされることもない。
他製品でも同様のことはできるが、「Surface Hub 2S」の大きな利点は、「共同編集」が可能なこと、そして「会議への参加」を促すことだ。同製品では、ホワイトボードの前に立たなくとも、Microsoft WhiteboardとMicrosoft Teamsを介して手元のノートPCやタブレット、スマートフォンからキャンパスにアイデアや情報を描き込むことが可能。たとえ遠隔地にいたとしても、デバイスやOSを問わず積極的に会議に参加できる。また、「Surface Hub 2S」はOutlookのカレンダー機能と連携ができ、あらかじめ会議の設定に「Surface Hub 2S」を招待しておけば、ワンタッチで会議に参加できる。また、Teams会議は、誰かが会議に入ると残りの参加者に会議が開始されたことが通知される。これにより、会議の場に参加することを促し、なおかつその場における参加者の情報発信も促してくれる。
参加者から出し尽くされたアイデアを「Surface Hub 2S」の大きな画面、無限に広げられるキャンパスを利用して整理していく。こうしたプロセスを採れば、参加者一人ひとりの力を結集することができるだろう。
「働き方改革」を進めれば進めるほど、会社に立ち寄らないケースは増えてくる。全員を物理的に集める。その予定を合わせる調整作業は、それだけで手間のかかる仕事だ。しかし、俊敏に物事を決めていくときには「複数人のチームワーク」が重要となる。「Surface Hub 2S」によって、外出先にいる人からも、場所や時間を問わずに異なる分野の経験・知見を集める事ができれば、それだけプロジェクトの成功率を高めることができるのだ。
議論すること、考えることに集中させてくれるデバイス
頭の中で考えていることや、イメージしたことをすばやく表示できることも、「Surface Hub 2S」の特徴の一つだ。
通常のプロジェクターでは、会議中に別の人が情報を表示したい場合に、HDMIケーブルを外して繋ぎなおし、解像度を調整して、表示するなど、多くのステップが必要だ。「Surface Hub 2S」は、MiracastやMicrosoft Teamsの画面共有を介してすぐに自身の画面を表示可能。One Driveから直接ファイルを開くこともできるため、表示したいコンテンツが参加者の手元に無くてもシステム上の情報をその場で探すことができる。
また、重要なことや議論すべきことの多くは、ネット上に多く転がっているものだ。たとえば「駅に広告を掲示したい」という意見が挙がったとき、わざわざ代理店の人間を呼ばなくても少し検索をすれば、費用感やベストプラクティスについて記載されたページが出てくるだろう。こうしたネット上にある情報を活かすのも、「Surface Hub 2S」ならば簡単だ。Webページをワンタッチでスクリーンキャプチャしてホワイトボードにコピーし、そこに対してペンで情報を書き込んでいく事ができる。リモートからの書き込みも可能だ。
また、「Surface Hub 2S」は、AI連携機能によって「考えることに集中」させてくれる。一例を挙げると、同製品では四角形の中に文字を書き込んでいくと、文字の量に合わせて図形を自動的に拡大してくれる。「もっと大きく描けばよかったな」などと気にする必要はなく、参加者全員が議論に集中することが可能だ。利用者が思考を止めることなく能力を発揮することができる。この点は大きなメリットだと言えよう。
さらに、キャンパスに描き込んだ情報は自動的にクラウドへ保存される。会議後に関係者へ議事録として共有するのもあっという間だ。
数十億円のアイデアを生むために
アナログホワイトボードの価格が数千円から数万円であるのに対して、「Surface Hub 2S」の税抜参考価格は99万9,800円だ。言葉を選ばずに言えば、「Surface Hub 2S」は安い製品ではない。ただ、高機能を備えたプレミアムなデバイスとして商品づくりをしているのには理由がある。日本マイクロソフトのシニアプロダクトマネージャー 白木 智幸 氏は、その理由をこう明かす。
「『Surface Hub 2S』は、最高峰の会議のために開発されました。数億円、数十億円という価値に繋がるアイデアを生むためには、いったいどんな環境が必要か。どうすればさまざまな経験を持つ参加者の全員が、アイデアを創発することに向かっていくか。デジタルホワイトボードという枠を超えて会議にある一人ひとりの行動を変えていく。このことを意図した様々な機能、仕組みを、『Surface Hub 2S』では実装しています。」
「Surface Hub 2S」は一般的な大型モニターとは異なり、画面に傾斜がついている。まるで画家のキャンバスのようだ。これは「立ち姿勢」で書きやすくチューニングしたためである。脳科学の研究では、立つことが脳を刺激し、気分と記憶を改善することに繋がるといわれている。皆が立ち上がり、頭をフレッシュにして、アイデアを出しやすくする。こうした「動的な会議室」を生み出すことを戦略的に狙っているのだ。
搭載している4Kカメラは、たとえ外出先からでも、まるでその会議室にいるかのような臨場感をもたらす。8個のマイクロホンアレイは発言者を特定し、指向性によって高品質な音声を届ける。こうすることで、たとえリモート参加であっても、疎外感を味わうことなく、「その場にいる」参加者として会議に没入できるというわけだ。
白木 氏は、「デジタルホワイトボードやWeb会議と聞くと、業務効率化の文脈でとらえられることが多いと言えます。もちろんそれも重要です。しかし、最も重要なのは参加者の考えや経験を組み合わせて "まだ見ない未来" に解を出すことが、会議の本質です。今行っている会議を "効率化" するのではなく "進化" させる。これによりビジネスをもっと発展させるためのツールとして、『Surface Hub 2S』を活用頂きたいですね。」と語った。
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コモディティ化の進行によって製品やサービスの差別化はいっそう困難になってきている。そんな中において収益性を高めていくためには、一人ひとりの持つ知識、経験を複合させることが不可欠だ。「Surface Hub 2S」は、その存在自体が、価値のあるアイデアや議論を誘発してくれるだろう。
参考リンク
「Surface Hub 2S」の製品ページや、本稿で紹介した機能をわかりやすく伝えたウェビナーをご紹介します。ぜひ、ご参照ください。
・ウェビナー:チーム全員の「知見」を引き出すホワイトボードアプリ×Surface
・「Surface Hub 2S」製品ページ
・成長企業の会議を支える「Surface Hub 2S」
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