働き方改革が推進され、残業を禁止する企業もある中、外回りと事務作業のバランスをどう取るかに悩んでいる営業パーソンも多いだろう。顧客とのコミュニケーションを深めたり、新規契約を獲得したりして業績を上げるには、どうしても顧客と接する時間を多くとる必要がある。その上で残業を減らすとなれば、事務作業の効率化は必須だ。

しかしどうやって、そしてどこから着手すれば良いのだろうか……

そこでマイナビニュースは、営業関連職に携わる方々を対象に「働き方に関するアンケート」を実施。多くの企業に共通する問題点が見えてきた本アンケートの結果を紹介する。さらに、この結果をもとにテラスカイとクラウドサインが示す見解や、解決への糸口となるソリューションも紹介していく。

【アンケート概要】

  • タイトル:働き方に関するアンケート
  • 取得期間:2020年1月14日(火)~
  • 対象:会社員(営業関連職セグメント)
  • 有効回答数:201件

「報告業務」「契約事務」が営業パーソンのストレスに

アンケートでは「日々の業務の中で、生産性が低い割に時間リソースが割かれていると感じる業務はありますか?」の設問に対し、76.6%が「はい」と回答している。「特に生産性が低いと思う業務」については、「営業事務」「管理するためのデータを報告させる報告業務」「毎日帰社して業務報告すること」「定例の報告ものが多すぎる」「誰でもできる事務作業」「会議とは名ばかりの集まり&話し合い」など、「報告」というキーワードが目立つ結果となった。

  • 図1:日々の業務の中で、生産性が低い割に時間リソースが割かれていると感じる業務はありますか?

    図1:日々の業務の中で、生産性が低い割に時間リソースが割かれていると感じる業務はありますか?

かつて会社員には「報告・連絡・相談」が重要とされていたが、ITが浸透した今では、顔と顔をつきあわせての「報告」は、業務の妨げとして受け取られることが多いようだ。

次に、「もしも自分にアシスタントがいたら、『任せたい』と感じる業務を選んでください(複数選択可)」という設問に対しての結果は図2のようになり、「契約締結のための事務的なやり取り」がトップに上がった。取引先との話し合いは終わっていて、あとは書面を交わせばいいだけなのに、契約書の作成・確認自体が面倒なことに加え、社内の承認を得るために、営業パーソンには相当のストレスがかかっていることがわかる。

  • 図2:もしも自分にアシスタントがいたら、『任せたい』と感じる業務を選んでください(複数選択可)

    図2:もしも自分にアシスタントがいたら、『任せたい』と感じる業務を選んでください(複数選択可)

ストレスだけに止まらず、実害が伴うケースもあるようだ。「社内決裁や承認の遅延により、業務に支障が出てしまった経験はありますか?」という設問には、58.7%が「はい」と選択。「取引先担当者に迷惑をかけた」「取引を競合他社に持っていかれてしまった」という体験を半数以上がしているようだ。

  • 図3:社内決裁や承認の遅延により、業務に支障が出てしまった経験はありますか?(上)、具体的にどのような支障が出ましたか?(下)
  • 図3:社内決裁や承認の遅延により、業務に支障が出てしまった経験はありますか?(上)、具体的にどのような支障が出ましたか?(下)

    図3:社内決裁や承認の遅延により、業務に支障が出てしまった経験はありますか?(上)、具体的にどのような支障が出ましたか?(下)

日々のコミュニケーションから契約までを網羅する「mitoco」+「クラウドサイン」

報告や契約業務から解放されたい営業パーソンのためのソリューションを

こうした報告業務や契約事務に関する課題を解決し、働き方改革の推進を支援するべく、2020年1月、テラスカイと弁護士ドットコムは、両社が持つソリューションを連携させることを発表した。コミュニケーションプラットフォーム「mitoco」(テラスカイ)と、電子契約サービス「クラウドサイン」(弁護士ドットコム)を連携させることにより、これまでシステムごとに分断されていた社内業務をすべてmitocoに集約。例えば、営業活動における顧客情報の管理からスケジュール管理、日報の作成、契約業務とその社内承認を得るワークフロー申請、社内の情報共有、タスク管理などだ。

  • mitocoとクラウドサインの連携で実現する社内業務の効率化

    mitocoとクラウドサインの連携で実現する社内業務の効率化

両ソリューション連携までの経緯や利用によるメリットについて、テラスカイ 製品営業本部 取締役 本部長 松岡 弘之氏と、弁護士ドットコム 取締役 クラウドサイン事業部長 橘 大地氏に語ってもらった。

  • テラスカイ 製品営業本部 取締役 本部長 松岡 弘之氏(右)、弁護士ドットコム 取締役 クラウドサイン事業部長  橘 大地氏(左)

    テラスカイ 製品営業本部 取締役 本部長 松岡 弘之氏(右)、弁護士ドットコム 取締役 クラウドサイン事業部長 橘 大地氏(左)

テラスカイとクラウドサインが手を組んだCRM×契約×社内コミュニケーションを一元化したソリューション

――まずmitoco、クラウドサインそれぞれの概要についてお聞かせください。

松岡氏:テラスカイは「Salesforce」をベースにしたソリューション開発やシステムインテグレーションを事業の柱にしています。SalesforceはSFA(営業支援)やCRM(顧客管理)、最近だとマーケティングなどにも活用範囲が拡がっていますが、それ単体で完結できる業務はそれほど多くはありません。ユーザーの皆様はOfficeやグループウェアなどのシステムも併用して仕事をしていらっしゃいます。

そうした状況を見て「Salesforce以外のツールが必要な部分をすべて取り込めれば、顧客を中心としたコミュニケーション・プロセスを実現できるのではないか」と、3年前にリリースしたのがコミュニケーションプラットフォームであるmitocoです。Salesforceではカバーしきれない様々なコミュニケーションを取り込むサービスとして、大手銀行や旅行会社などに採用されています。

橘氏:クラウドサインは2015年10月から提供している電子契約サービスです。当事者間で合意した契約書(PDF形式)をクラウドサインへアップロードすると、取引先には確認依頼のメールが送付され、取引先の担当者がクラウドサイン上で押印すれば契約が完了するという仕組みです。送信者側では契約書の閲覧、進捗状況の確認、確認依頼のリマインドができます。

従来の契約書には紙と印鑑が必要で、承認プロセスにも時間がかかっていましたが、その生産性を上げるために開発しました。リリースから4年経ちますが、現在では約60,000社に導入いただいています。

――連携を考えるきっかけとなったのは?

橘氏:営業部のお客様から、受発注の書類や契約、申込書などの煩雑なやり取りが発生するため、ソリューションのニーズがあって、Salesforceからシームレスにクラウドサインを利用できるようにしたのですが、これを使いやすいサービスにするためには、Salesforceを熟知したパートナーと組む必要がありました。そこでSalesforceの高い専門性を持つテラスカイにお願いしたのです。

完成したクラウドサインのSalesforce版の提供元としても、テラスカイにお願いしています。お客様の声に応えて改善していくには、その方が良いと考えています。

  • 弁護士ドットコム 取締役 クラウドサイン事業部長  橘 大地氏

    弁護士ドットコム 取締役 クラウドサイン事業部長 橘 大地氏

テラスカイ 製品営業本部 取締役 本部長 松岡 弘之氏(右)、弁護士ドットコム 取締役 クラウドサイン事業部長 橘 大地氏(左)

松岡氏:もともとSalesforceを利用されていたお客様には、非常に便利にご利用いただいていると思います。一方で中小企業のお客様の中には、Salesforce自体の導入を“高いハードル”だと考えられているところがあることもわかっています。そこで今回、両社協業の第2弾として取り組んだのが、mitocoとクラウドサインの連携です。

SalesforceのようなSFAやマーケティングには使えませんが、mitocoにはCRMとしての機能が備わっています。クラウドサインと連携させることで、締結した契約の情報も含め、様々なデータを顧客情報に紐付けて使うことができるようになります。「mitocoだけでも、顧客情報を中心としたコミュニケーションが図れるようにする」それが今回の連携で目指したポイントです。

――連携によるメリットについて教えてください。

橘氏:例えば契約業務では、入力作業を削減できるというメリットがあります。当社で営業の受注プロセスを調べたところ、営業担当の方は「CRMに顧客情報を入力」「申込書(ExcelやWord)に顧客情報を入力」「契約書に顧客情報を入力」と、同じ情報を3度も入力する必要があるということがわかりました。しかし、今回の連携サービスをご利用いただけば、各帳票に入力すべき情報が、クリック一つで読み込まれますから、業務の効率が格段に上がるでしょう。mitocoのワークフローを使えば、承認までもスムーズになります。

mitocoにはワークフローの他にカレンダー、掲示板などの機能が備わっているので、いくつものツールを使い分ける必要がなくなるのも大きなメリットです。当社でも掲示板などは、従来利用していたツールからmitocoの機能へと移行させて、情報の一元管理ができるようになっています。

クラウドサインは、美容院や飲食店などのチェーン展開をしている企業様への提案も非常に多いです。本部で各店の人員配置や雇用形態、給与を把握できるようにして、売上との関連性を分析できるようにすることが主な目的です。こうしたお客様にmitocoをご利用いただければ、本部と店舗が離れていても、様々なデータ連携やより密なコミュニケ-ションができるようになります。

松岡氏:そうですね。mitocoとクラウドサインの連携サービスを利用されてみて、「より高度な商談管理やフェーズ管理までやってみよう」となったら、Salesforceの導入をご検討いただくというように、ステップを踏んでシステムを整えていくこともできます。そもそもmitocoはSalesforceと親和性が高いので、その際の拡張は簡単に行えます。

  • テラスカイ 製品営業本部 取締役 本部長 松岡 弘之氏

    テラスカイ 製品営業本部 取締役 本部長 松岡 弘之氏

データ活用と無駄な業務の省略化で、本来の働き方改革を

――今回のアンケート結果を踏まえ、今後のビジネスにはどのように活かすべきでしょうか。

松岡氏:アンケートを見ると「報告」をストレスと感じている方が多いようですが、確かに上司から「こういうレポートを出してくれ」「今、これはどうなっている?」と言われると、ご本人からすれば無駄なレポートをつくったり、無駄なミーティングに参加しなければならなかったりしますよね。

しかしmitocoを使えば、顧客情報を軸に必要な情報をつなげられるので、状況を確認したい人が、自分の見たいタイミングで、ダッシュボードからレポートを出せるようになっています。現場の方も管理側の方も、ストレスが軽減されるでしょう。

今回のソリューションは、働き方改革が上手くいっていないというお客様への、一つの提案でもあります。mitocoのCRM機能を利用して、顧客台帳や名刺をDB化するところから始め、そこに様々な情報を紐付けてみましょう。そうすれば現状の可視化ができるようになり、無駄な業務、無駄な時間がなくなるはずです。

橘氏:今多くの企業が、そうしたデジタルトランスフォーメーション(DX)に着手し始めています。早い方が良いですね。私もいろいろな企業のDXを見てきていますが、よく変化する部分のリスクだけを見てしまう企業があります。例えば契約書がオンラインで送られる際の漏洩リスクばかりを危険視してしまっているのです。

しかし、従来のやり方にもリスクはあります。紙の契約書なら、郵便の誤配や紛失の危険もあるわけです。変化後のリスク査定だけでなく、従来のリスクとの相対評価をした上で、正しくデジタルに移行していくことが重要でしょう。そこが企業の競争力を分けることになるのだと思います。

――ありがとうございました。

営業職の働き方改革。その大きな課題となっている報告業務と契約事務を効率化する両社のソリューション連携は、顧客情報を軸とした営業戦略、さらにはDXにも寄与するものとなりそうだ。

mitocoの詳細はこちら
https://www.mitoco.net/index.php
クラウドサインの詳細はこちら
https://www.cloudsign.jp/

[PR]提供:テラスカイ