乱立している情報系システムをintra-mart の共通基盤上に統合を進めている近鉄エクスプレス。同プロジェクトは、多数の企業にintra-martを使ったシステムを構築し、豊富なノウハウを持つNTTデータビジネスシステムズと二人三脚で取り組んでいる。その経緯や目的、展望などを情報システム部の方々に聞いた。
課題 | 解決 |
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情報系システムが乱立し、ログインの手間、文書の散在、セキュリティレベルの不統一などの課題があった | システム共通基盤intra-mart を採用することで、コストを抑えながらも管理の一本化に成功 |
導入の背景
個別システムの長期利用で生じた課題を解消するために統合基盤の採用を検討
航空および海上貨物輸送、ロジスティクスなどをワンストップで提供する国際総合物流企業、近鉄エクスプレスでは、現在、旧来のITシステムをシステム共通基盤「intra-mart」に統合するプロジェクトを進めている。
同社がintra-martへの移行・統合を進めているシステムは、本社内の承認ワークフロー、文書管理、社員のスケジュール管理および会議室予約、社員間での情報共有などで、従来は目的ごとに別々の製品が導入されていた。移行の検討が始まったのは2016年、システムの老朽化がきっかけだった。中にはすでに導入から20年以上が経過したシステムもあった。長期間使い込むうち、利便性やガバナンス上の課題も生じ始めていたと、情報システム部 部長 正 俊彦氏はいう。
「それぞれのシステムは、各部門が必要に応じて導入したものです。社員が利用する際にはシステムごとにログインする必要があり、『パスワードを覚えきれない』という声が上がっていました。さらに部門ごとにデータを保管するシステムがバラバラだったため、同じような文書が、セキュリティポリシーもまちまちな場所に重複して散在するという状況も見受けられるようになっていました」
当初はそれぞれの製品のバージョンアップや、同じ機能を持つ別製品への載せ替えを考えていたが、検討を進めるうち、それではコストがかさむことが分かってきた。またこれらの方法では、課題のひとつであるログインの利便性も上がらない。そこで情報システム部では統合基盤を導入し、その上に必要な機能を載せるという方向を目指すことにした。
選定・導入
NTTデータビジネスシステムズによる顧客視点からの柔軟な導入サポート
正氏は統合基盤にintra-martを選んだ理由として、個別の載せ替えよりも導入コストが抑えられること、intra-mart へのログインだけで必要な機能を使えるようになることなどの実質的なメリットに加え、導入支援にあたることになったNTTデータビジネスシステムズの柔軟な対応ぶりを挙げた。
「要望する機能をintra-martに実装する検討において時間やコストがかかるという場合に、『別のサービスを利用したほうがいい』『内製でも実装できます』と、はっきりアドバイスしてくれました。自社グループの製品だけを売ろうというのではない姿勢はありがたいですね」
2017年に情報システム部を中心としたプロジェクトチームが結成。要件定義では、旧システムに馴染んだ社員のためにユーザインタフェースや操作方法、業務プロセスなどは大幅に変えないこと、自社内に資産を持たないようにするためにクラウド上にシステムを構築すること、構築後のシステムの運用は、情報システム部が中心となって内部で行うことなどの方針が決まった。
この後に、まずNTTデータビジネスシステムズの開発担当者が旧システムの利用状況を把握するため、各現場を訪れた。旧システムはカスタマイズの自由度が高いものが多く、管轄する部門が随時、必要な機能を独自に追加して利用していた。そのため機能や連携の全容は情報システム部でも把握し切れておらず、移行すべき内容の精査には時間がかかった。
この作業で得た情報をもとに、intra-mart Accel Applications の中から、旧システムが果たしていた役割を踏襲できるものが選定された。情報共有システムに関しては、IM-FormaDesigner を用いてintra-mart 上で動作するWebアプリケーションをNTTデータビジネスシステムズが作成。近鉄エクスプレス側ではサンプルを参考に実運用に沿ったかたちに仕上げるという手順で移行作業は進んでいった。
そして2018年8月、数ヶ月にわたる作業の末、ついに文書管理、社員のスケジュール管理および会議室予約の機能が、intra-mart 上での本格稼動を開始した。
導入の効果と今後の展望
情報システム部による統制が実現。システム統合を進め、さらなる効率化へ
intra-martの導入によってログインの煩雑さは解消され、それまで各システムの管轄部門がバラバラに行っていたユーザーID・パスワードの管理も情報システム部に一本化できた。正氏は、これによって社員の利便性が高まっただけでなく、将来的にはスマートフォンからintra-martにログインして、社外から業務を遂行することも考えられるようになったとし、こう語る。
「これまでは各部門がカスタマイズしたシステムを使っていたので、我々としてはセキュリティ上、外部からのアクセスは禁じざるを得ませんでした。しかし今回、intra-martに統合したことで我々のコントロールが行き届くようになり、モバイルの利用も視野に入ってきました。当社は役員の海外出張が多く、その帰国を待たなければ各種の承認や決裁が下りないこともあるのですが、スマートフォンで外出先からのアクセスが可能になれば、こうした時間の短縮と効率化につながるでしょう」
情報システム部 上席課長 吉田 庸氏は、文書管理上のメリットを次のように語る。
「それぞれの部門が独自の方法で管理していた文書をintra-martで統合したことにより、分散や重複が激減し、誰が最終更新をしたのかもきちんと把握できるようになりました。これは業務の効率化に大きな効果をもたらすものと思っています。また文書が散在していた時には難しかったバックアップ作業も簡単になりました」
情報システム部 部次長 隈部 博幸氏は、情報システム部の業務遂行にも好影響があるという。
「intra-martというプラットフォーム上で様々なアプリケーションを組み合わせられるため、使い方が無限にあるのは魅力的ですね。インシデント管理用のパッケージも用意されているようなので、今はそれらを実装して情報システム部の業務改善につなげたいと考えています」
システム運用が始まったintra-mart基盤だが、情報システム部ではその基盤をさらに使いこなすため、NTTデータビジネスシステムズから技術的なサポートを受けたり、他社での成功事例についての情報を得たりする「情報交換会」を実施している。NTTデータビジネスシステムズは長年にわたり、多くの企業にintra-martを使ったシステムの構築を行ってきた実績を活かし、intra-mart の利用拡張に向けた積極的な提案活動を続けている。
「システムを導入したらあとは保守だけといった姿勢ではなく、膨大な導入ノウハウと豊富な知見をベースにした、intra-martを使いこなすための実践的アドバイスをいただけるのがうれしいですね。まさに心強い“パートナー”といった存在です」(正氏)
一部のシステムは機能や連携が複雑で、全容把握・内容精査に時間が掛かっているため、現在も移行に向けて作業が続いている。
「現在はまだ、当初計画した統合対象の移行作業を続行中ですが、将来的には国内関連会社がそれぞれ運用している経理・人事などのシステムを、intra-martへ統合して行ければと考えています。NTTデータビジネスシステムズには、今後も適切なアドバイスや情報提供を期待しています」(正氏)
※ 掲載している情報は、取材時点(2019年9月6日)のものです。
企業プロフィール
株式会社 近鉄エクスプレス
所在地 | 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟24階 |
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設立年月日 | 1970年1月10日 |
事業内容 | 貨物利用運送事業(航空・海上・鉄道/貨物自動車利用運送業/航空運送代理店業/通関業/倉庫業(流通加工・作業サービス含む)など |
URL | http://www.kwe.co.jp/ |
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