工場IoT(IIoT:Industrial Internet of Things)の実現には「データ」の存在が欠かせません。製造現場にはセンサーやPLCなど、ネットワークにつなげることで新しい価値創出の可能性を秘める生産データが数多く存在します。しかし、いざ取り組もうとするとそれらを阻む大きな壁がいくつも存在することが分かります。そこで本記事では、多くの製造現場にありがちなIoTデータ連携の課題と、それを解決するために有効なソリューションを、現場のケーススタディを交えながら紹介します。
登場人物紹介
生産部門長 現場のたたき上げで腕を鳴らしたのも今は昔、最近は現場でがんばる後輩のため、改善に役立つものを探しに今日もどこかのイベントで情報を収集中。「IoTによる見える化」を自社でも実現しようと奮闘している。 |
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課長 工場の品質管理に従事。ようやく製造ラインに潜む課題が色々と見えてきた。「ITのチカラで品質改善できれば良いなぁ」と思っているが、何から手を付ければ良いのか分からず試行錯誤中。「IoTによる見える化」といっても、まず現場の状況を見てほしいと思っている。 |
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セールスエンジニア 前職は設備系のエンジニアリング会社に勤め、今はセゾン情報システムズでセールスエンジニアに従事。立場の差に違いはあれど「製造現場の働き方をもっとラクに」という思いに変わりはないと思っている。 |
製造現場におけるデータ収集の課題(1)
「どうやって作るの? IoTデータ収集の課題はノンプログラミングで解決」
IoTデータを収集することが重要なのは分かるけど、そのデータってどうやって集めるんですか? PLCにあるログを引っ張り出すだけでも大変なのに。 | |
工場IoTのためには、エッジでデータ収集・加工処理まで行うエッジコンピューティングが効果的ですが、エッジデバイスからデータを集めるのは大変ですよね。 | |
お恥ずかしながら、プログラミング経験もないし、今から覚えるのもかなり大変なんですよ。 | |
作るだけでなく運用・メンテナンスも大変ですよね。もしノンプログラミングでこれらの開発とメンテナンスがカンタンにできるとしたら、どうですか? | |
とても嬉しいですが、そんな方法ってあるんですか? | |
予知保全や品質管理に便利なIoTシステムが多く出回るなか、生産データをセキュリティの脅威から守り、いかに安全・確実にサービスへ連携するかは、工場IoTを始めるにあたり大きな課題となります。
また、生産現場での人材流出が叫ばれているなか、少ないリソースで効率的な運用を求められるケースが増えています。特に、エッジコンピューティングに求められる要素は多岐にわたり、その結果、開発人材の確保や学習コストの増加、もしくは外部委託をする場合は時間とお金がさらにかかることも予想されます。
国内導入実績15年連続No.1(*)を誇るファイル転送ミドルウェアの「HULFT(ハルフト)」の高い信頼性をそのままに、エッジデバイス・ゲートウェイにあるファイルを安全・確実にクラウドやサーバーに転送するために作られたのが「HULFT IoT」です。独自技術によるデータ/通信経路の暗号化や整合性チェックで盗聴・改ざんを防止・検知するだけでなく、データ圧縮転送機能により帯域が狭い環境でもファイル容量を抑えつつ高速な転送を可能にします。
●エッジコンピューティングに求められる要素の一例
- 個別最適化された生産設備 (各社PLCなど) からのデータ収集
- 計測器からのログデータの収集
- データベースやBIツール、IoTプラットフォームへのデータ転送
- シリアルポートやUSBからのデータ収集(バーコードリーダーなど)
- BLEやEnOceanなどの近距離無線センサーからのセンシング
- クラウドからのエッジデバイス制御
2019年7月にリリースされたHULFT IoTの最新版(Ver2)より搭載された「HULFT IoT EdgeStreaming」(以下、EdgeStreaming)は、基幹システムやクラウドサービスを「つなぐ」技術で多くの導入実績を誇るデータ連携製品「DataSpider Servista」の機能を搭載した、エッジコンピューティング向けのノンプログラミング製品です。
* 出典:株式会社富士キメラ総研「パッケージソリューションマーケティング便覧」「ソフトウェアビジネス新市場」<ファイル転送ツール パッケージ・金額ベース>2003年度実績~2017年度実績・2018年度見込
製造現場におけるデータ収集の課題(2)
「不測の事態にどう備える? エッジコンピューティングに止まらない安心を」
エッジコンピューティング、良いじゃないか! 予算申請は何とか通してくるから、あとはよろしく頼むよ。 | |
とてもありがたいのですが、そのコンピューターを置く場所って考えてますか? 風通しも悪く温湿度も高いし。あんなところにサーバー置いたらすぐに壊れるだろうなぁ。 | |
設置場所も悩みの種ですが、業務上どうしても止められない要件にどう応えるかも重要ですよね。 | |
システムが壊れたら業務も止まってしまうからなぁ。 | |
HULFT IoTと相性の良いエッジ向けサーバーとして、Stratus社の「Stratus ztC Edge」がお勧めですよ。Stratus ztC Edgeは過酷な工場の現場に設置でき、2台構成で冗長化しているので、「システムが壊れても業務を止めない」というのが特長なんです。 |
最近は、データが生成される場所である製造ラインの近く(エッジ)でデータ処理を行いたいというニーズが高まっています。しかし製造業の現場では、「空調が効いていない」「埃っぽい」など、コンピューターの稼働に向かない環境も多くあります。そのような環境では、従来は産業用PCが使われることが一般的でした。
しかし産業用PCでは、情報システムではすでに一般的になっている冗長化が行われておらず、ハードウェアの故障が発生した場合、PCの入れ替えのためにシステムが数時間から数日停止するということが避けられません。
また、工場では情報システムに詳しい担当者が不在の場合も多く、PCのメンテナンスや保守の面での課題もあります。HULFT IoTが安全・確実なデータ転送を行うといっても、それが稼働するコンピューターが停止してしまっては意味がありません。
そこでお勧めするのが、IoTアプリケーションに高可用性を提供する、Stratus社のエッジサーバーStratus ztC Edgeです。Stratus ztC Edgeは産業用途のエッジコンピューティング向けに設計された製品で、堅牢、コンパクトで、過酷な産業現場にも設置可能です。
動作温度-40~60℃ (110iは-20~60℃)。放熱板による冷却を採用しており、埃が多い環境でも使用できます。また、仮想化OSがビルトインされ、エッジに必要な処理能力と、冗長化による連続可用性を備えています。万が一、故障が発生した場合でも筐体を取り外し新しい機器に差し替えるだけという、IT知識不要の「ゼロタッチ」設計で、10年の長期保守に対応する産業向け仕様です。
Stratus ztC Edge のポイント
ゼロタッチ (IT知識不要) |
30分でセットアップ可能 仮想化環境があらかじめインストール済み 故障時の交換はプラグイン、フルユニット交換 |
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冗長化プラットフォーム ビルトインの高可用性 |
自律型保護機能、自己認識と自動同期 温度や電圧などをモニタリング プロアクティブ ライブマイグレーション |
エッジでも高性能 大容量リソース |
Intel Core-i7/32GB RAM/512GB/2TB SSD/ ファンレス どこにでも設置可能、工業認証取得済み 動作温度-40~60℃ 湿度:10~95% |
「つなぐ」エッジコンピューティングを「止めない」ためにできること
工場のIoT成功の鍵は、活用が広まることで“こうなってほしい”という次のような「ゴール」が明確にイメージできているかどうかに左右されます。
- セキュリティの壁を越えて、便利なサービスを積極的に利用したい
- 現場全員で取り組むことで、課題対策のスピードとコストを両立させたい
- 止まらないエッジコンピューターで、現場の運用負荷とリスクを軽減したい
叶えたい「ゴール」に向け、HULFT IoT、EdgeStreaming、そしてStratus ztC Edgeが現場でがんばる皆様を強力にバックアップします。
【共同著者】
蒲原 和敏(かもはら かずとし)
株式会社セゾン情報システムズ HULFT事業部 事業開発部 IoT事業開発グループ ストラテジックアライアンス担当マネージャー
技術っぽくないプリセールスと営業らしからぬパートナーセールスを経て、現職。
セゾン情報システムズのHPはこちら
https://home.saison.co.jp/
日本ストラタステクノロジーのHPはこちら
https://www.stratus.com/jp/
Stratus ztC Edgeの詳細はこちら
https://www.stratus.com/jp/solutions/platforms/ztc-edge/
[PR]提供:日本ストラタステクノロジー