データセンターに入居して始まる、企業とデータセンターのお付き合い。
連載の最後は、普段はあまり表に出ない「データセンターのバックステージ」について、アット東京を例にとり「バックステージをさらにその裏で支える人たち」について紹介する。
なんでも来い! データセンターのお世話役
――日々の仕事内容は?
花形:センター内のさまざまな業務を統括する、というのが私ども業務統括グルーブの役割です。
お客さまや社内だけではなく清掃や警備の方、各委託先の皆さまも含めての一時窓口、といったところでしょうか。
また、セキュリティが高い建物のため入所者のIDカードを発行しますが、申請の受付から実際に作ってお渡しをするところまでやっております。
それから、機器の搬入や入館申請の受付もしております。
その中で私はアメニティチームにおりまして、グループの中でもさらに、広くいろいろなことを担当しています。たとえば、お弁当の注文や集計、事務用品の手配、私たちが着ているユニフォームの手配や貸与・返却の対応をしたり。それから、センター共用部およびお客さまの部屋に敷いているマットなどの交換、
さらに、お客さまの見学対応などです。当社のデータセンターはセキュリティのレベルがとても高く、営業部門のメンバーには権限がついていない場所もあります。
そのような場所へのアテンドも、私どものグループが対応します。
私個人の業務では、外資系企業のお客さま向けに英語を用いた館内点検時のアナウンスや英訳をすることもあります。
岡﨑:消耗品やアット東京のユニフォームの調達、管理などを担当しています。ユニフォームは新入社員が入ったタイミングで採寸、お渡しして、「あなたはアット東京の一員ですよ」という意識を持ってもらえるようにしています。私どもの仕事は、お客さまと接する機会が多く、技術部門や営業、管理部門のメンバーとの協力も欠かせません。そこが業務統括グループのやりがいでもあり、魅力と感じています。
――この業務ならではの苦労話やこういうことをやっていてよかったなどの話はありますか?
花形:ひとつひとつは小さい仕事が多いですが、何かのときにお客さまをはじめとして清掃、警備の方々など皆さまに「ありがとう」と言われたときに、何かを一緒にやっている仲間意識が感じられ、「また頑張れるなぁ」と思うことが今までたくさんありました。
そういうことがあると、「ああ、やっていてよかった」と感じます。
岡﨑:業務統括グループという名前が「よろずや」っぽいですよね。「業務統括がいるじゃない」という感じで業務が流れてくることも多いです。
受けてくれるならどこでもありがたい、という縁の下の力持ちの様な存在でもあります。
――普段の業務でお客さまが不自由なく行動できるようにするために、どのようなことを心がけていますか?
岡﨑:どれだけお互いの意見を近づけられるかは、かなり話し合っていると思います。「早くお客さまの機器を設置したい」というときは、「まずはセキュリティ用のカードを用意しなければならない」といったことをどう調整するか。
安全を担保しながら利便性を高めるためにどう歩み寄るのかは、心がけていますね。
――社内からの相談ごとや、逆に自分たちから目を向けて工夫したりしていることなどが幅広くありそうですね。
花形:そうですね……。たとえば当社のセンターのまわりにレストランなどが少ない、と相談があり、数年前に「@CAFE(アットカフェ)」そして「@SQUARE(アットスクエア)」というコンビニエンスストアをつくりました。
そして、そこでどうやったら効率化できるか、もう少し商品が増やせるかなどの改善を今も続けています。また、私たちは他にもセンターを管轄しているのですが、他のセンターには菓子パンなども買えるお菓子置き場を作りました。
これに関しては、私どもの勤務しているセンターでもそのような対応をしてほしいという声があったので設置をしたところ、「よかった」「ありがとう」などの声が聞けたので嬉しかったです。
――こういうことを大切にしてお仕事をしています、ということはありますか?
花形:建物の中を歩いていて共用部の椅子が飛び出ているのを整理し、廊下に設置されているインターホンのコードがねじれているのを直したり、ゴミが落ちているときは拾ったりなど、些細なことですが、気をつけています。
そうしていけば、気持ちのよいセンターになると思いますし、綺麗で気持ちがよければ、休憩コーナーでも一層くつろいでいただけると思いますから。
――これからの仕事に期待することは?
岡﨑:どんなお客さまが来て、自分たちはどうお役に立てるのか。お客さまごとに私どものサービスもカスタマイズします。
そこにワクワク感がありますね。
-これからの抱負や希望、読者の皆さまへのメッセージをお願いします。
花形:昔、私の仕事の内容を教えたときになかなか伝わらず、友人の一人はドラマの「24」(トゥエンティ―フォー)みたいだ、と感じたそうです。
セキュリティが厳しい、警備の方々もあちこちに……という環境が「24に似ている」と。実際にハード・ソフト両面でセキュリティがとても厳しいのですが、それによってお客さまの資産やデータセンターのインフラを守っています。
設備の監視やトラブル対応をする担当部門も24時間365日常駐しています。また何かあれば夜中でも出勤したり、そういう人たちから話を聞いたりすると、ちょっと誇らしい気持ちになるとともに、自分も頑張らなければと思います。とにかくここは「人」が素晴らしいです。
保安上、データセンターの住所は公にしていませんし、とてもシークレットな部分がありつつも、本当に社会や生活の基盤になっている建物であり事業だと思っているので、自負みたいなものはあります。
私たちはその中の小さな一部分の仕事かもしれませんが、だからこそ、そこが円滑に回るようにやっていこう、という想いでデータセンターを運営しています。
岡﨑:新しいサービスを立ち上げるときは「会社全体で取り組んでいるのだ」ということを強く感じます。大変なこともたくさんありますが、その経験を通して、組織としての成長を実感します。
アット東京はこれからも、新たなチャレンジをどんどんとしていくので、ご期待いただければと思います。
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