多くの企業でIT系の人材が不足している今、システムエンジニアはいわゆる売り手市場の真っただ中にある。だからこそ就・転職先を選ぶなら、その分野で自分が成長できる企業を選ぶべきだろう。

アクセンチュアは、まさにそうした企業のひとつ。コンサルティング企業のイメージが強い同社だが、自社内に強力なエンジニア部門を有し、デジタル・テクノロジーを活用してさまざまな業界で企業変革を支援している。日本法人の約12,000人の社員のうち、ほぼ半数がアクセンチュア・テクノロジーといわれる部門に属してテクノロジースキルを活かした仕事をしており、規模もかなり大きい。

アクセンチュアでは2018年から関西オフィス(大阪市北区中之島)の拡充を図り、関西圏でのビジネス変革支援に本腰を入れ始めた。関西オフィスを拠点とする社員を、他拠点からの異動や、新卒・中途採用を加速させることで、2020年までに1,000名体制にまで拡大しようと計画しているそうだ。

今回、関西進出の狙いに加え、エンジニアの仕事や職場環境について話を聞いた。

▼お話を伺った方

【左】木元 由基さん
アクセンチュア株式会社 テクノロジー コンサルティング本部 関西統括
マネジング・ディレクター


【右】宗村 誠さん
アクセンチュア株式会社 テクノロジー コンサルティング本部
サービス・デリバリーグループ

グローバルに展開する関西企業をデジタル・テクノロジーの力で支える

――本日はよろしくお願いします。現在、関西オフィスを急拡大されているそうですが、その目的を教えてください。

木元さん アクセンチュアの関西オフィス自体は以前からあるのですが、今拡大する理由は、2つあります。ひとつ目は、いわゆる「2025年の崖」です。

2025年までにIT人材の大幅な不足が見込まれるなか、老朽化した既存システムを見直すとともに業務のあり方も含めて刷新し、データを経営に活用する必要性が高まっています。関西でも多くの企業が直面している課題です。そこで関西に腰を据えて、課題を抱える関西のお客様のアプリケーション・モダナイゼーション、およびデジタル・トランスフォーメーションを支援したいと考えています。

また、2025年には既存のSAP ERPのサポートも終了します。関西は製造・流通、エネルギーなどの産業が強く、ERPとしてSAPが利用されているケースが多いのですが、そうした企業ではサポート終了までにSAP HANAに移行するなどの対策を取る必要があります。

  • 関西オフィスのテクノロジー部門を統括する木元さん。

――製造・流通やエネルギーなどの企業だと、国内だけでなくグローバルで展開される企業も多いですよね。世界の各拠点での対応など、単純な移行ではないと思われます。

木元さん そういったグローバル企業にこそ、アクセンチュアの強みが活かせると考えています。長年世界中で展開している当社には、世界規模でのシステム移行やモダナイゼーションに関する豊富な知見・経験があります。さらにコンサルティングからエンジニアリング、運用保守まで一貫して支援できるため、関西のお客様の2025年に向けた対策をしっかりサポートできると考えています。

もうひとつは、関西で働きたい優秀なIT人材を確保するためです。アクセンチュアのエンジニアは大半が東京オフィス(東京ソリューションセンター含む)に所属しており、それもあって今までは東京を中心に採用を行っていました。IT系の仕事自体が東京に多いため、必然的にIT人材が地方から東京に“流出”する背景があったからです。

――確かに、ITエンジニアの人材も仕事も東京に集中していますね。

木元さん しかし最近は家庭の事情や「やっぱり地元が好き」という思いを持つ人が出身地へ戻るケースも多くなってきました。また、特に関西についての話にはなりますが、元々この地域に本社を置く企業が多かったものの、特にITについては拠点の多くが東京に移ってしまいました。

そうした企業の中で、あるいはそれらの企業向けにプライマリーベンダーの中核として動いていたような方が、東京に長期・無期限で出張・赴任・転籍して東阪を移動し続けているようなケースや、あるいはその中でどうしても関西に残りたい・家庭の事情などで残らなければいけないような方については、やりたいことを我慢したりしているようなケースも見受けられます。関西オフィスでは、そういった方を積極的に採用しています。

  • アクセンチュア関西オフィスは、大阪でも多くの企業が集中する中之島に拠点を構えている。

木元さん クラウド環境での開発、そしてSlackやMicrosoft Teamsなどのコミュニケーション基盤が整ってきて、エンジニアがロケーションフリーでプロジェクトに参加できるようになったことも大きいですね。なので関西を拠点としていても、関西のお客様企業の案件にとどまらず、東京や四国など、全国の案件に携わることができますし、そういう案件が増えることで普通になりつつあります。

――東京以外で働きたいエンジニアにとって、勤務地に関わらず常に先進的な仕事に携われることはメリットですね。

木元さん そうですね。また、関西オフィスでは「強みにする領域」を決めて注力しています。「SAP」をはじめ、デジタル・トランスフォーメーションを早期に実現するための弊社の最先端テクノロジーアセットを活用した「カスタム開発」、全世界の最新のベストプラクティスを活用した業務遂行を可能とするための「SaaS」、レガシーシステムの「モダナイゼーション」、「RPA・AI」といった、関西だけでなく日本、あるいは全世界でも注目度と需要の高い5分野のテクノロジーです。この分野での人材は、特に積極的に採用を進めています。

「大企業ならではの経験の厚み」と「ベンチャー感」が両立する、関西オフィスの雰囲気

――宗村さんは2018年にご自身の希望で東京から関西オフィスに異動されてきたそうですね。

宗村さん 元々は東京で仕事をしていたのですが、大阪出身の妻と「いつか大阪で暮らしたい」と常々話していて、さまざまなライフイベントが重なったタイミングで異動希望を出しました。ちょうど大阪オフィスを拡大するタイミングだったんです。

  • グローバル展開する製造業をお客様としたウェブサイトやデジタルアセットマネジメントシステムの構築・運用を行うチームを担当する宗村さん。大阪とフィリピンのメンバーと仕事をしている。

――関西オフィスの雰囲気はどうですか? 東京のオフィスとの違いは?

宗村さん 関西オフィスは、アクセンチュアという大きな母体を持ったベンチャー企業という印象です。東京に比べて人数が少ない分、若手でも1~2段階レベルの高い仕事にチャレンジできる機会が多い一方、技術的に分からないことが出てきても「世界にいる48万人の社員のうち、少なくとも誰か一人はその分野の専門家が質問に答えてくれる」という安心感があります。関西には好奇心が強く、新しい技術に関心のあるお客様がたくさんいらっしゃいます。たとえ日本で先行事例がなくても、アクセンチュアの海外での事例を活用して先端技術の活用を盛り込んだ提案をすることもあるんです。

また、アクセンチュアのカルチャーとして「Think Straight, Talk Straight」というのがあり、職位の高い上司にも遠慮せず意見を言える風通しの良さがあります。人数が少ない関西は直接職位の高い人とも話すことが多いので、よりその傾向が高いかもしれないですね。採用に関しても各社員が、自分の卒業校からの採用を盛り上げていきたい、などの提案をしています。

木元さん 関西の社員から意見やアイディアが出てきたら、まずは関西でやってみて、結果が出れば全社で展開することも考えています。関西オフィスは東京に先行して様々なことにチャレンジできる実験場のような場所ですね。

――風通しの良さやスピード感は、オフィスの規模が拡大するにつれ、薄まっていってしまいませんか?

木元さん 一人ひとりが「自分は中核メンバーだ」という意識を持っていてくれれば、そうはならないと考えています。社員への意識付けや、一体感を生み出す手段のひとつとしては、コラボレーションツール(Microsoft Teams)を使ったコミュニケーション環境を整えています。業務に限らず、「ワーキングペアレンツ」「平成生まれ」のように同じ属性の人が集まるチャネル、「ロードバイク」「ランニング」のような部活動的なチャネルもあるんですよ。

宗村さん プロジェクトや組織を超えてつながりが作れるので、社内の人脈づくりにも役立っています。本当に活発にやりとりされていて、関西オフィスの動向を誰もが“自分事”として捉え、盛り上げていこうとしている雰囲気はありますね。

宗村さん それから、毎週各グループが持ち回りでテーマを決めて、テクノロジーに関する「勉強会」を社外向けに開いています。関西のIT業界を盛り上げること、エンジニアとのつながりを作ることを目的に始めましたが、講師をする社員にとっては、テーマの技術を改めて勉強し直すきっかけや、プレゼンテーションの練習にもなるんですよね。若手の社員にも積極的にコンテンツを担当してもらっています。

木元さん 加えて、関西ならではのこととして、ここに社員も参加可能にしています。東京では参加希望の社員数が大きくなりすぎるので難しいのですが、関西の今の規模だとこういうことも機動的にできるのも、アクセンチュア関西オフィスで働く魅力だと思っています。

アクセンチュア関西オフィスのポイント01
【勉強会】

関西オフィスでは、週に1回開催のペースで、社員によるテクノロジー勉強会を実施している。テーマは金融や製造などアクセンチュアが手掛ける領域の専門知識や、最先端テクノロジーを活用した事例の紹介、Salesforce開発のハンズオンなど多岐にわたる。興味のある方はぜひ参加してはいかがだろうか。

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アクセンチュア 関西オフィス 勉強会

効率的な働き方をすることが、今のアクセンチュアの企業風土

――本来の業務に加え、勉強会などお忙しそうですが、ワークライフバランスは取れていますか?

宗村さん 現在のアクセンチュアは、効率的な働き方をすることが企業風土になっていますから、バランスは取れていますね。私もきちんと休みをとって、子供の行事などに参加しています。

木元さん 終わらない仕事を残業で解決するというよりも、限られた時間の中で成果を出そうというのが、今の働き方ですね。当社では「Project PRIDE(プロジェクト・プライド)」という活動の中で、「18時以降の会議原則禁止」「残業の適用ルールを厳格化」などを定めていますが、そこで生まれた時間的な余裕を人脈づくりや、様々なことにアンテナを張るために役立てて、最終的には仕事の効率化につなげてもらえればと思っています。

アクセンチュア関西オフィスのポイント02
【Project PRIDE】

アクセンチュアでは、“多様性を尊重した魅力的な職場”に向けた独自の働き方改革「Project PRIDE」を2015年に始動。トップから現場まで組織全体で、単に残業時間を減らすだけでなく、AI・RPAなどのテクノロジーを活用しながらより短い時間の中で生産性を向上させる仕組みと風土を構築している。

改革はまだ道半ばではあるものの、実施前と比較して1人当たりの1日平均残業時間が1時間に減少、離職率が半分に低下、有給取得率が75%から85%に上昇、などの成果が出ている。今はより「イノベーションで世界の人々の仕事と生活をより良くする」という当社ビジョン実現のため、イノベーションに欠かせない多様な社員のコラボレーション(協働)を軸にした新しい働き方を推進。

――最後に関西オフィスとしての展望について、お聞かせください。

木元さん アクセンチュアというと、まだコンサルティング企業というイメージが強いかもしれません。ですが、関西オフィスをきっかけに「テクノロジーの領域でも強いブランド」「エンジニアにとって身近な企業」として感じてもらえるようにしたいですね。関西で成長したいエンジニアの方には、ぜひ当社の門を叩いていただきたいと思っています。

――木元さん、宗村さん、本日はありがとうございました。


大企業の安定感に加え、アクティブさとフットワークの良さ、そして一体感を兼ね備えたアクセンチュア関西オフィス。東京でなくとも様々な仕事や多彩な先進技術に出会える環境は、関西圏のエンジニアにとって、待ち望んだ職場と言えるだろう。

現在、二人が所属するアクセンチュア関西オフィスではメンバーを募集している。興味を持った方はぜひ採用サイトをチェックしてみてはいかがだろうか。

[PR]提供:アクセンチュア