2020年1月14日にWindows 7 の延長サポートが終了する。サポートが終了すると、PC端末に必要な更新が受けられなくなり、また、サポートが終了したPC端末を使い続けていると、セキュリティ更新プログラムの提供が行われないため、マルウェアへの感染やフィッシング詐欺など、セキュリティリスクは限りなく高くなる。迫るサポート終了に向けて、企業として取り組まなければならないこととは何か。

5月22日に開催された「迫るサポート終了!! 事例で学ぶ Windows10 移行セミナー」にレイクサイド ソフトウェアのセールスディレクター冨樫明氏が登壇。「Windows 10移行と運用のベストプラクティスと働き方の見える化」と題して、エンドユーザーにフォーカスした、ITの監視、分析、最適化により、Windows 10 移行と移行後の運用の課題を解消するポイントを紹介した。

Windows 10移行で懸念されるアプリ動作不良や性能劣化

レイクサイド ソフトウェア株式会社 セールスディレクター 冨樫 明 氏

レイクサイド ソフトウェア株式会社
セールスディレクター
冨樫 明 氏

レイクサイド ソフトウェアは、1997年に米国ミシガン州設立された、ユーザーエクスペリエンス、デバイスとソフトウェア、アプリケーションなどITリソースの情報収集と分析を行うソフトウェア「SysTrack」を提供する企業だ。世界7,000社、800万シート以上に採用実績があり、グローバル拠点は日本を含めて8拠点に及ぶ。日本法人が設立されたのは2017年8月と新しいが、エンドユーザー環境をさまざまな視点から監視、分析、最適化できることが評価され、採用が加速している。

冨樫氏はまず、Windows 10に対する一般的な理解として「アップデートが頻繁に実施される」「リソース消費が大きい」「Windows 7アプリはそのまま動くかどうか不明」といった課題があると指摘した。実際、Windows 10からはWaaS(Windows as a Service)というコンセプトのもと、アップデートは半年ごとの機能改善と新機能の追加(Feature Update)と毎月の品質更新プログラム(Quality Update)で構成されるようなった。それに伴い、大容量ファイルの配信によってネットワーク負荷が増加することや、パッチ適用による業務システムへの影響が懸念されるようになっている。

また、Windows 10はWindows 7と比較してOSやアプリケーションのグラフィック使用量が大幅に増えている。レイクサイドの調査によると、OSのグラフィック使用量は1.5倍に、ブラウザは1.5倍に、Officeでは12倍にそれぞれ増加することになるという。

「注意すべきは、Windows 7からの移行するときやWindow 10 でのアップデート適用時にアプリケーションがこれまで通りに動かなくなったり、リソース不足で性能が劣化することです。そのため、アプリケーションをテストして問題がないか確認したり、リソースを占有しているユーザーを特定して利用を改善したりするといった必要がでてきます。そこで活用できるのがSysTrackです」(冨樫氏)

SysTrackの特徴は「Workspace Analytics」にある。これは、エンドユーザーがかかわるあらゆるワークスペースに関し、ユーザーがどのアプリケーションをどのように使い、どのWebサイトにアクセスし、その際にどの位のシステムリソースを消費し、ユーザーの使用感が悪化するようなことが起こっているかいないかを分析することで、ユーザーエクスペリエンスとIT投資を最適化するといったコンセプトであり、システムをインフラ側から管理する一般のシステム管理ツールでは発見できない課題を明らかにします。具体的には「システムパフォーマンスの監視」「トラブルシューティング」「セキュリティリスクの監視と予防」「エンドユーザーエクスペリエンスのモニタリング」「働き方の見える化」「物理/VDI/Windows 10アセスメント」などが可能になる。

  • Workspace Analytics

    Workspace Analytics

エンドユーザーにフォーカスした「Workspace Analytics」とは

こうしたSysTrackの機能を根幹で支えているのが、特許技術に基づいたシステムアーキテクチャだ。このアーキテクチャを使うことで、多くの対象エンドポイントから、CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークに負荷をかけずに多種多様なデータを収集することができる。 「1,000種類以上のデータを各エンドポイントで15秒ごとに収集。エンドポイントにはエージェントをインストールしますが、MSIインストールでリブートが不要なためエージェントを展開する際にユーザーへ負担をかけません。またユーザーモードで実行されるため、カーネルモードのエージェントがブルースクリーンを引き起こすといったシステムへの影響はありません。また、エージェントのCPU使用率は0.5%未満、メモリ使用率は50MB、ネットワーク使用量は1日あたり150KBと、システム負荷が低い。こうして収集した詳細データを相互に関連付け、システム内で現在起こっていること、過去に起こったことを正確に把握します」(冨樫氏)

SysTrackでは、管理画面上で、システムパフォーマンスの監視やトラブルシューティング、リソース管理などに必要な情報がメニュー化され、管理者は、メニューから項目をクリックしていくだけで、簡単に把握、分析できるように設計されている。Windows 10 移行についても同様で、移行で課題になるさまざまな項目を簡単にチェックできる。

「Windows 10 移行プロジェクトで多くのお客様が悩む点は、どのアプリケーションをテストすればよいのか、どのユーザーの性能に注意を払えばよいのか、何をもって性能劣化はしていないと判断するのかです。SysTrackは、移行前そして移行後に注意しなければならないポイントを見える化し分析できるようにします」(冨樫氏)

具体的には、大きく3つのポイントがあるとした。1つめは「継続的なアプリの更新とテスト」で、そもそもアプリケーションをWindows 10に移行して、あるいはWindows 10のバージョンアップを行った際に、アプリケーションが従来通り動くことを確認するものだ。2つめは「適切なリソースの割り当て」で、移行に際してCPUやメモリなどのシステムリソースがWindows 10の仕様を満たすものなのか、移行後にリソース不足に夜問題が発生していないかをチェックし最適化するもの。3つめは「ユーザーの使用感の把握」で、環境が変わることでユーザーの使用感にどんな変化があるのかを定量的に把握するものだ。

  • ユーザーの使用感の把握

    ユーザーの使用感の把握

Windows 10移行プロジェクトで確認すべき3つのポイント

冨樫氏は、これら3つのポイントについて実際にSysTrackでどう確認するのかをデモを交えながら解説した。例えば、「継続的なアプリの更新とテスト」では、社内で現在利用しているアプリケーションをリスト形式で一覧表示させ、そのアプリケーションのバージョンや使用リソース、利用しているデバイスドライバー、シェル拡張の利用状況、Office Add-inの利用状況などからOS変更の影響を受けやすいアプリケーションを簡単に特定できるため、テストすべきアプリケーションの優先順位を設定しやすい。 「さまざまな条件を見ながら、どのアプリをWindows 10に移行できるかを確認、テストできます。最新の環境で14日間以上稼働したアプリについて、検証期間中にアクティブに使用されたか、クラッシュの発生回数は増えていないかなどを分析し移行可能なアプリケーションを自動判定することもできます」(冨樫氏)

また、「適切なリソースの割り当て」では、CPUやメモリ、ディスクの利用量から、リソースの利用が増えてきたユーザーや利用が少ないユーザーを視覚化することができる。ヘビーユーザーが利用しているリソースをほかのユーザーに配分することでシステム全体のパフォーマンスを最適化する。

「Windows 10 ではGPU使用量が増えるため、VDIで運用する場合、GPUが効果的なソリューションになります。ただ、GPUを採用してグラフィックス性能問題は発生します。その際に、一般的には、HDX/PCoIP/BlastなどのVDIベンダー側のプロトコルの問題なのか、GPU自体の問題なのかを切り分けるのが難しいのですが、SysTrackはプロトコル情報とGPUのフレームバッファなどの情報を両方収集・分析しているので、切り分けが格段に容易になります」 (冨樫氏)

「ユーザーの使用感の把握」では、CPU、メモリ、IOPSの使用量の増加、ネットワーク遅延、送付とウェアの更新など13項目の「ユーザーの使用感を阻害する要因」を常時監視し、ユーザーエクスペリエンスを客観的に管理し、同時に阻害要因を可視化する。「特にVDIでは、プラットフォームが原因で起こる問題と、アプリケーションやユーザーの使い方が原因で起こる問題の両方を可視化できるため、トラブル対応の精度は格段に上がります」(同氏)

さらに冨樫氏はWindows 10移行と移行後の安定運用だけでなく、SysTrackがITツールの利用状況やWeb閲覧、ログイン時間などを可視化することにより、働き方改革の見える化にもつながると解説。最後に「SysTrackを活用してWindows移行と安定運用、働き方改革などのプロジェクトを成功に導いてください」とアピールし、講演を締めくくった。

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[PR]提供:レイクサイド ソフトウェア