これまで、製造業の現場における品質管理は、製造過程で造り出された部品や製品をチェックして、水準以上の品質を保っているかを判断するしかありませんでした。しかし近年、IoTの普及によって蓄積されたデータから品質低下が起こりうる可能性を伝える「予測・予兆判定」の技術が現場に取り入れられつつあります。
予測・予兆管理の精度が上がれば、不良品の発生による歩留まり悪化の改善や検査簡略化によるコスト削減など、さまざまなメリットをもたらします。そこで本記事では、現場において予測・予兆管理がどのように運用されるのかと、運用を進める上で特に重要となる「止めない」ための手法について解説します。
登場人物紹介
現場担当者 某大手製造メーカーの若手社員。普段は落ち着いた性格だが、トラブルになるとテンパってしまう性格が玉に瑕。 |
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課長 以前は苦労続きだったが、新しいシステムを入れてから、ちょっとだけ余裕ができた中間管理職。工場のIT活用を積極的に取り入れようと、日夜業務に励んでいる。 |
AIの活用で、多様な収集データから品質低下の予兆を効果的に感知!
測定データちょっと見てきてくれる? | |
あぁ~、いくつかのパラメータで異常な値が出ていますね。 | |
前回ランプが回った時も、後で調べたら不良品が出る一歩手前だったらしいし、とりあえずは対応マニュアルに沿って処理しておこう。 | |
分かりました! 急いで対応するようにします。 |
製造業の現場では、 IoTの普及によって多種多様なデータが集まるようになりました。様々なセンサーからもたらされるデータの数は、数百から数万とも言われています。それらを逐一チェックすれば、環境の変化によって生じる品質の低下やトラブルの発生についても、予兆を感知して迅速な対処ができるようになるでしょう。しかし、数万ものデータを分析して即座に状況を把握することは、現実問題として不可能です。そこで登場するのがAIです。
AIと連携し、蓄積された過去の情報と照らし合わせ、「品質低下が起こりうる可能性があること」がわかれば、(その理屈はわからなかったとしても)経験則としての予兆を感知できるだけでなく、迅速な対処も可能になります。さらに、問題発生時の対処内容についてもデータウェアハウス(DWH)に蓄積していけば、さらに精度の高い予測・予兆判定と効果の高い対処方法が確立されるようになるでしょう。
システムインテグレータのワイ・ディ・シー社が提供する、データ収集ソリューション「S-LOGGER」、異常検知ソリューション「STREND」およびAIソリューション「YDC SONAR AI」は、収集した複数のパラメータからAIによる検査結果の予測値を算出し、監視することにより、異常が発生するより前にメールやパトランプなどで作業者に伝えます。さらに、YDC SONAR AIではディープラーニングを利用した検査画像のAI判定も行うことができ、今まで人が目視で確認していた不良判定も効率化することが可能です。
「ワイ・ディ・シー社の工場向けソリューション」のポイント
・データ収集
PLCからのデータをOracleデータベースに登録
PLC I/F部分は市販SCADA製品を利用
100種類を超えるPLCに対応
・データ統合・解析
ETLツール (通称:Toraja)・Oracleデータ ベース・専用クライアントソフトの3点から構成される、データ解析プラットフォーム
AI(機械学習)による、学習と予測が可能
・SPCツール
瞬時値ではなく複数データを統計として扱い、その状態傾向を監視
異常発生時にはアラームを報し、その原因追及・解析を行うためSONARとの連携も実現
ハードウェアが壊れても現場で対応可能。止まらないシステムの構築
え、業務は止まらないんですか? | |
冗長化してるから、自動切り替えで業務は継続できるよ。その間に、故障機を交換しよう。 | |
課長、コンピュータの修理なんてできたんですか? | |
配線を抜いて差し替えるだけで自動で復旧するから簡単なんだよ。 | |
差し替えるって、プラグみたいですね。 |
製造ラインで予兆判定を行う際に、特に重要なポイントはシステムを「止めない」ことです。もしシステムが止まってしまうと、予兆判定による品質の監視も止まってしまい、正確なデータが収集できないだけでなく、次工程に不良が流出してしまうことになります。
また、異常が検知できずにそのまま操業を続けると、場合によっては不良品を製造してしまう可能性もあります。そうなると、原材料や製造時間も無駄なものとなってしまい、最悪不良品が世の中に出回ったら、その被害は甚大なものになることは容易に想像できます。
ソフトウェアに関するトラブルであれば、社内のIT担当者がベンダーに問い合わせながら対処することも可能でしょう。ほとんどのベンダーは、トラブル発生時の障害対応についても柔軟に対応してくれるはずです。しかしハードウェアの故障やトラブルは、現場の担当者には対応が難しく、ベンダーに依頼しなければなりません。修復まで相当な時間がかかることもあります。
しかし、もしハードウェアの交換が、IT知識が乏しい製造現場の担当者でも簡単にできるとなればどうでしょう? 万が一に備えて、新たな人材を用意しなくても、「止まらない」システムを構築できるはずです。そして、それを可能にするのがStratus社の「Stratus ztC Edge」なのです。
製造現場という過酷な環境での利用を前提に構成されたStratus ztC Edgeは、冗長性に優れ物理的にも堅牢なエッジサーバーです。動作温度-40~60℃。放熱板による冷却を採用しており、埃が多い環境でも使用できます。万が一、故障が発生した場合でも、筐体をソケットのように取り外し、新しい機器と差し替えるだけ。細かな設定は一切不要です。
「Stratus ztC Edge」のポイント
・ゼロタッチ(IT知識不要)
30分でセットアップ可能
仮想化環境があらかじめインストール済み
故障時の交換はプラグイン、フルユニット交換
・冗長化プラットフォーム、ビルトインの高可用性
自律型保護機能、自己認識と自動同期
温度や電圧などをモニタリング
プロアクティブ ライブマイグレーション
・エッジでも高性能 大容量リソース
Intel Core-i7/32GB RAM/512GB SSD/ファンレス
どこにでも設置可能 工業認証取得済み
動作温度-40~60℃ 湿度:10~95%
ワイ・ディ・シー社が提供するS-LOGGER、STREND、YDC SONAR AI、そしてStratus社が提供するStratus ztC Edgeの組み合わせは、製造現場に「決して止まることのない予測・予兆監視システム」の導入を実現します。そしてこれにより、様々な障害やトラブルによる品質の低下を防ぎ、世の中に不良品が出回る危険性を限りなくゼロに近づけることが可能となるのです。
ワイ・ディ・シーのHPはこちら
https://www.ydc.co.jp/
ワイ・ディ・シーのマニュファクチャリングインテリジェンスのページはこちら
https://www.ydc.co.jp/service/sonar/
日本ストラタステクノロジーのHPはこちら
https://www.stratus.com/jp/
Stratus ztC Edgeの詳細はこちら
https://www.stratus.com/jp/solutions/platforms/ztc-edge/
PDFダウンロード
本稿「予測・予兆判定で「止めない」生産ラインを実現する術」のPDFダウンロードはこちら
https://www.stratus.com/jp/lp/ia/ensures-the-production-line-keeps-on-running/
「製造現場におけるIoT導入の壁、止まらない工場を実現するために」のPDFダウンロードはこちら
https://www.stratus.com/jp/lp/ia/realize-a-factory-that-does-not-stop/
※Stratus、ztC は、Stratus Technologies Bermuda Ltd. の登録商標または商標です。その他、本資料の文中に引用された社名、製品名、サービス名については、各々の会社の登録商標ないしは商標であり、各所有者が商標権を保持しています。
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