今、建築製造の分野で注目されているBIM(Building Information Modeling)。一方で、BIMの実践には「3Dへの完全移行が不可欠」と思い込み、既存の2D資産を失うことに不安を覚え、実践に踏み切れないケースも多いようです。そこで本記事では、製造業における3D設計を用いたBIMの重要性について紹介します。
そのうえで、2D設計を活かしつつ3D設計に活用できる、オートデスク社の3D CADソフトウェア「Inventor」について、現場のストーリーを交えながら解説します。
登場人物紹介
Aさん 機械設計会社につとめる入社3年目。学生時代からの3D CAD使い。 |
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B先輩 3年前に他の設計事務所から転職、Aさんより5年先輩の設計者。3Dは苦手。 |
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部長 手書き設計専門。デジタル化が進んだ最近は管理職業務に専念。 |
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芥川くん オートデスク社製造担当のBIMマスター。犬より猫派という噂。 |
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クライアント CADやBIMについて勉強中の某建築設計事務所の新入社員 |
メリット1:BIMの実戦で部品の干渉も一目瞭然
見てのとおり、3Dの図面であれば、設計図を見慣れていない人でも、どこに問題があるかすぐにわかります。 | |
じゃあ、3Dの方が断然いいんじゃない? | |
自分は2D専門ですし、うちの会社は3D使える設計者はAさんしかいないから、簡単には行きませんよ。 | |
Inventorなら、2Dの設計データを利用して3Dモデルを作ることもできますよ。 | |
そうなんだ! まさにBIM実践における2Dと3Dの融合ですね。 |
3Dデータなら、設計図を見慣れていない人でも、どこに問題があるのかが一目瞭然です。見てわかるから理解も進み、修正が発生した場合の対応や追加予算が発生した場合の決済も早くなります。ただ、現場では2Dでの設計に慣れている設計者も多いので、いきなりすべてを3D化するのは現実的ではありません。その点Inventorなら、2Dの設計データから3Dの設計データを効率的に作成できるため、BIMオブジェクトの作成に適しています。2Dと3Dの連携によって、設計図が誰の目にもわかりやすく表現され、現場のコミュニケーションが活性化します。また、既存の2D資産を用いた3Dの活用も可能となります。
メリット2:設計のモジュール(標準)化で効率アップ
その場で対応できるなんてすごいねAさん。芥川くんこれはどんな仕組みなの? | |
平面の設計図だと、設計者ごとに癖があるから変更するのも大変ですよね。なので、設計データの標準化をおすすめします。そうすれば、パーツの寸法変更や組み合わせの変更が簡単にできるようになります。 | |
変更は簡単にできたけど、平面の設計図を3Dデータで標準化するのって大変なんじゃないですか? | |
そこは、開発環境にもよるので個別にご相談ください。 | |
(なんかムチャな依頼っぽかったけどさすが芥川さんとInventor。Aさんいつもすいません) |
BIM実践において、過去に作成した設計データをテンプレートとして流用できれば、非常に便利で設計作業の効率化も実現できます。2Dの設計図では難しかった設計データのモジュール(標準)化も、3Dデータであれば十分に可能です。今後、BIMオブジェクトを効率的に作成するためには、3Dデータの標準化も効果的です。なお、Inventorには、データの標準化をサポートする様々なツールがあります。どのツールを使うかは環境や運用の条件によって異なるので、個別にご相談ください。
メリット3:3D設計で重心位置の把握も簡単に
2Dだと重心の位置は確かに把握しづらいんだよね。 | |
変更があった際に、平面の図面だと重心の位置がわかりにくいですが、3Dの設計データがあれば、Inventor上ですぐに重心の位置が割り出せます。 | |
自動的に割り出せるんなら便利ですね! でも、各所への調整は発生しちゃうんですね。 | |
それはそうですが、でも具体的な数字と位置があるので話は伝わりやすいですし、各所でのミス低減にもつながるから、わかってもらえると思いますよ。 | |
言われてみれば、この3Dの画像があるなら私でも説明できるかも。 |
製造の分野では、わずかな重心のズレによって様々な影響が生じます。上で説明した建築現場での弊害はもちろん、安全性の面でも問題が出てくる可能性があります。設計の変更によって、重心の位置がどのように変わるのか、それが自動的にわかるようになれば、トラブルの発生を未然に防ぐことが可能になります。そして、Inventorであれば、変更にあわせて重心の位置が自動で表示されます。
ここまでのお話で、BIM構築における3D設計の重要性はお判りいただけたことでしょう。しかし、実際に設計する立場から見れば、修正対応は経験豊富な設計者が多い2D設計の方が早いというケースもあることでしょう。3DデータによるBIMの活用の有効性については十分に認識していても、様々な事情から、導入をためらっている企業も多いことでしょう。しかしInventorは、そのような設計の現場に存在する2Dと3Dの壁をうち砕き、双方の「メリットと人材」を活かすためのソリューションなのです。
Inventorの詳細はこちら。動画で分かり易く解説しています。
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