Tintri VMスケールアウトを利用すると、ティントリの複数のストレージシステム間でVMを適切に分散配置して、ホットスポットを発生させることなくパフォーマンスと容量を最適化することができます。
キーポイント
- VMスケールアウトでは、「予測に基づくDRS」がコンピューティング上で行うのと同じことをストレージ上で実行できる
- 個々のVMの容量のニーズ、ワーキングセット、稼働状況、シンプロビジョニング、重複排除、スナップショットなどを考慮したうえで、最もコストの低い対処策が推奨される
- VMスケールアウトは手動で設定することなくそのまま使えるが、必要に応じてきめ細かく制御することもできる
ティントリのエンタープライズクラウドプラットフォームは、自律運用を念頭に設計されているため、IT担当者は手間のかかる煩雑なインフラストラクチャ管理から解放され、本来の重要な業務により集中できるようになります。
自律運用では、インフラストラクチャの管理がインテリジェントなソフトウェアによって処理されます。先日投稿した「自律運用でストレージ管理を簡略化しましょう」という記事では、ティントリが提供する自律機能の概要と自律運用に対するティントリの考えをお伝えしましたが、今回の記事ではこれをより深く掘り下げるために、ティントリが提供するVMスケールアウトの機能についてご説明したいと思います。
自律機能は、サーバー仮想化やダイナミックリソーススケジューリング(DRS)のコンピューティング面で、長きにわたって利用されてきました。VMware vSphere 6.5にはPredictive DRS(pDRS)が導入されていますが、このDRSでvRealize Operationsのデータを活用することによって、リソース消費量を予測しながら、複数のサーバー上でVMをどのように分散配置するかを判断しています。Tintri VMスケールアウトは、この「pDRS」がコンピューティング上で行っていることを、ストレージ上で行います。
仮想環境でストレージを拡張する
ストレージアレイで容量不足やパフォーマンス不足が発生すると、クラウド環境全体に影響が及ぶことになります。これを解消するにはストレージを拡張する必要がありますが、従来のソリューションには、以下のようなさまざまな問題がありました。
- ソリューションによっては、容量やIOPSのしきい値を一度超えただけで、VMの移動が提案されてしまう
- LUNレベルやボリュームレベルのデータを活用しているソリューションでは、VMの最適な配置を的確に予測、判断することが難しい
- パフォーマンスにどの程度影響が出るのか、VMの移動を完了させるまでにどのくらい時間がかかるか、という見通しがつきにくい
- 問題のあるVMを別のアレイに移したり戻したりを繰り返すにもかかわらず、肝心のパフォーマンス上の問題を解決することにつながらない
VMに最適化されたティントリのVMスケールアウトなら、ティントリアナリティクスの詳細な分析情報を活用して、こうした問題点を解消することができます。VMスケールアウトのメリットは以下のとおりです。
- 個々のVMのストレージ容量やパフォーマンスへのニーズを詳細に把握したうえで、VMを最適に配置できる
- 最もコストのかからない解決策が推奨されるため、時間、帯域幅、容量を抑えながら、最適な形でVMを分散配置し続けることができる
- 推奨の解決策が編集されるたびに、そのデータが蓄積され、きめ細かく制御することができる
Tintri VMスケールアウト
ストレージアレイで容量不足やパフォーマンス不足が発生すると、その仮想化インフラストラクチャ全体に影響が及ぶことになります。仮想化ストレージを効率的に運用し続けるには、かなりの時間や労力が必要になりますが、Tintri VMスケールアウトを利用すれば、容量やパフォーマンスに関するリアルタイムのデータを駆使して、個々のVMにとってベストな配置を導き出すことができます。ワークロードが展開されると、ストレージで環境の状態が把握されます。その後、詳細な分析が行われ、容量、パフォーマンス、フラッシュの各要件を基に、ストレージにおけるVMの最適な配置が提案されます。
VMスケールアウトを利用すれば、コンピューティングをスケールアウトするようにストレージをスケールアウトできます。IT管理者が行うことは、ストレージの容量やパフォーマンスがしきい値に近づいたら、ストレージを追加することだけです。あとはティントリによってリソースが最適化されるため、面倒な作業を行う必要がありません。
Tintri VMスケールアウトテクノロジによって、仮想化ストレージの容量やパフォーマンスが自動で最適化されます。個々のVMのパフォーマンスのニーズや容量のニーズ、ティントリの個々のアレイの機能を踏まえて、翌週の稼働状況が予測されます。また、どのVMを移動すればパフォーマンスや容量を最適化できるかも判断されます。VMスケールアウトを利用すれば、管理者は個々のVMの配置について頭を悩ませることなく、ストレージフットプリントを速やかに拡張できます。ストレージプールを複数作成したり、1つのプールにオールフラッシュとハイブリッドフラッシュの両方のストレージシステムを混在させることもできます。VMスケールアウトは、この2種類のストレージ間でワークロードのバランスを図り、効率的な運用ができるようにします。
ティントリでは、VMレベルのパフォーマンス統計情報を10分ごとに分析して、すべてのVMが最適に配置されているかを判断します。ティントリのストレージはVMに最適化されているため、VMスケールアウトは個々のVMの容量要件だけでなく、フラッシュワーキングセットや稼働状況、シンプロビジョニング、重複排除、スナップショットなども考慮することができます。こうしてすべてのVMを最適に配置できる、コストを最小限に抑えたソリューションが提案されるため、IT管理者はその内容を確認し問題がなければ、あとは実行ボタンをクリックするだけです。
きめ細かい制御が可能
ティントリのVMスケールアウトでは、特定の目的に応じてきめ細かい制御を行うこともできます。VMレベルの移動ルールを事前に設定したり、そのつど設定することが可能です。
例えば、単一のストレージシステムでパフォーマンステストを行う場合、このシステムの過負荷を無視するようにVMスケールアウトを設定すれば、「VMを移動する」という対処策が推奨されないようにすることができます。また、どうしても特定のストレージシステム上に配置しておきたいVMがある場合は、このVMを移動しないようにVMスケールアウトを設定できます。さらに、特定のストレージシステムに移動させたくないVMがある場合には、VMスケールアウトをそのように設定することができます。
仮想環境でストレージをより効果的に拡張するには
ティントリが目指しているのは、管理のわずらわしさをできる限り解消し、簡略化することです。VMスケールアウトなら、ほかのソリューションでは避けられなかった複雑な作業を一切行う必要がありません。ティントリのストレージを自律的に運用して、ユーザーにとって最適な選択肢を提供し、きめ細かく制御を行い、特定の要件に対処することができるのです。
※本コラムは、ティントリジャパンに掲載されたブログ記事より転載したものです。
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