自動車、航空機などの分野に向けて、工具や工作機械、そしてロボットなどの最先端技術をNACHIブランドとして提供し続けている不二越。2017年10月18日~21日の4日間にわたり、名古屋国際展示場(ポートメッセなごや)で開催される国内最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン(MECT)2017」において、同社は「工具」、「工作機」、「軸受」、「油圧」そして「ロボット」の5分野において、最新技術の紹介とプレゼンテーションを行う予定となっている。
本記事では、新製品の情報を中心に、不二越 工具事業部 技術部 部長 関口徹氏と工具事業部 工具企画部 営業企画室(商品企画)マネージャー 上田志津代氏に、ブースの概要について話を伺った。
「HyperZシリーズ」にステンレス用がラインナップ
まず紹介したい製品が、現場からの声によって生み出された「低~中速領域で高性能を発揮」するタップ「HyperZシリーズ」である。
ドリルで開けた穴にネジ山(めねじ)を刻む工具であるタップ。このタップには、切削速度が低速~中速領域(5~20m/分)で使用されるタイプと、高速領域(20~50m/分)で使用するタイプがある。なお、高速領域で使用するタップには、摩耗を防ぎ長寿命を保つためのコーティングがされており、一般的に「コーティングタップ」と呼ばれる。ただ実際の現場では、高速領域向けのコーティングタップを、低~中速領域で使用するというケースが非常に多い。
タップは、ワークの最終段階で使用されるケースが多い。そのため、作業が慎重になり自然と回転数が落ちてしまう。とは言え、低~中速で使用される表面処理がされていない無処理のタップでは、寿命が短い。また、タップの不具合要因の大半が切りくず絡みや噛み込みによるトラブルである。そんな、現場の「困った」という声に応えて不二越が開発したタップが、切りくず排出性に優れ、低速から中速で安定して、高性能を発揮。無処理タップの2~3倍の加工ができ、コーティングタップよりも長寿命を誇る「HyperZシリーズ」だ。
2016年11月に発売されたこの「HyperZシリーズ」。材料から熱処理、研削技術、表面処理まで、NACHIのもつ歯切工具やブローチの技術シーズを結集した革新タップである。長寿命だけでなく、切りくずが小さく丸まって排出されることも特徴だ。関口氏によると、顧客からも「非常に好評」とのこと。そして、今回のMECT2017では、この「HyperZシリーズ」の新製品として「ステンレス用」が披露される。
「鉄や鋼と比べても、ステンレスは切り屑によるトラブルがはるかに多く、お客様からも多くの相談をいただいておりました。今回、発売する新製品では、切り屑の排出について、かなりの試行錯誤を繰り返してきました。その実力を、是非とも多くの方にご覧いただければと思っております」(関口氏)
なお、取材時には「HyperZシリーズ」における切り屑排出の映像撮影が行われていた。この映像はMECT当日に、モニターにて上映予定とのことだ。
豊富なラインナップを誇る不二越の「アクアドリルEXシリーズ」
ものづくりに必須な工具である「ドリル」。不二越では、さまざまな分野に向けて多種多様なドリルを提供している。今回のMECTでは、超高送り加工から50Dの深穴加工まで、豊富なラインナップが揃う「アクアドリルEXシリーズ」が展示予定となっている。特に見どころのひとつは、世界一の品揃えを誇る「アクアドリルEXフラットシリーズ」。この商品は、先端をフラットにすることでバリレス加工や傾斜面加工を可能にした、新発想の多機能ドリルだ。
なお、ドリルについても新製品が初披露される予定とのこと。取材時には、まだ詳細が明らかになっていないためお伝えはできないが、是非とも当日、ご自身の目でお確かめいただきたい。
ロボットのデモや動画によるプレゼンテーションなど見所満載のNACHIブース
タップとドリル以外にもNACHIブースにはロボットによる切削加工のデモ、近年注目されている「スカイビング加工」の展示、そして動画を交えたプレゼンテーションなど、「技術の集結で困りごとを解決」をテーマにした内容が目白押しである。
「今回のブースはこれまでのような製品別ではなく、よりお客様目線に立って、自動車や航空機、そして産業機械などの分野別に展示スペースを設けています」と上田氏は話す。
また、接客用のラウンジや対面型のプレゼンコーナーを設けるなど、「来場者の方々とコミュニケーションをとる」ことを想定したブース設計になっている。
「今回展示する新製品も、お客様からのご相談やご要望から生まれました。このような展示会でいただくお話は、私たちにとって大変貴重なものです。是非、多くの方とお会いして、お話をお伺いできればと願っております」(関口氏)
なお、NACHIブースにて展示が予定されている製品については以下にまとめてあるので参考にしていただきたい。もし、機械加工について何か困りごとがあるのであれば、NACHIブースに立ち寄って相談してみてはいかがだろうか。
MECT2017「NACHIブース展示予定製品」
Hyper Zシリーズ:不二越の技術を結集した新しいジャンルの革新タップ。低速~中速領域では、コーティングタップをも凌駕する長寿命と安定加工が可能。
アクアドリルEXフラットシリーズ:座ぐりなどの前加工とその後の穴加工の機能を併せ持つ多機能ドリル。傾斜面や曲面への穴あけや、抜けバリの抑制に優れた性能を発揮する。
アクアドリルEXシリーズ:超高送り加工を実現するアクアドリルEXパワーフィードや、深穴のノンステップ加工が可能なオイルホールシリーズなど、豊富なラインナップでお客様の困りごとを解決。
スカイビングカッタ:耐摩耗性に優れた材料と最適なコーティングを採用し、長年培った歯車加工解析技術を活かした最良のカッタと加工条件を提案。
スカイビングギアシェイプセンター:スカイビング加工機「GMS450」スカビングギヤシェープセンタ。複合加工による非加工時間の短縮と加工精度の安定化を実現
ロボット加工セル:「MZ07」によるコンパクトセルで精密作業の自動化に最適。加工対象ワークは、アルミから鉄まで幅広い。
メカトロテックジャパン2017
展示ブース 2号館北
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[PR]提供:不二越